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みじんことオーマ
2016年11月24日 21:50
茨の代わりに肌で境界をつくったの。白い肌の上を苔で歩けないでしょう。甘い甘いイチゴを並べてそこに線があることすら忘れさせる。そして羽を赤く塗る。赤く赤く、色が消えるまで。
2016年11月24日 21:12
世界はいつも透明なガラスの中で空気を縫い合わせて壁にして原子の結合を五重にも六重にもかぶせて1センチ先を届かないように全力を尽くす。
2016年11月24日 20:26
水をかけ過ぎて枯れていることにも気づかない。腐った根にすがりつきながら黒い空。切り落として複数になって不自然なのが自然。革命を起こすには、光は遅すぎる。
2016年11月24日 19:59
燃えさかるのを見て、熱も感じるのに、それは自分の物ではないと知る。手に触れても熱は感じない。理解との隔たり。
2016年11月7日 11:41
鳥が来るのを待つ代わりに青虫を揃えて並べてる。肉を餌に罠をしかけるのに、血さえ飲まれない。
2016年11月7日 11:29
何万回聞いたって石が積まれるだけ。捨てるものだけを探したって必要にはなれない。肉はもう焦げた?急ぎすぎて、角膜も見逃す。
2016年11月7日 11:28
欲しがったのは明日の声。届いたのは紫の叫び。存在しない空を手元に。手を伸ばさずに肌で探す。
2016年11月7日 11:27
千のパズルが混じりあう。存在を消した一切れは、溶けるバターを待つことだけ。割れた陶器の斜塔は、雲を突き刺しても、もう戻らない。
腐敗した臓器に甘い蜜。残骸になった養分を絞って握りつぶすのに、心地よいと歌う蟲。絵筆の毛先を切り落とし、まるで最初から整っていたように取り繕う。
2016年11月6日 17:00
いつの間にかかすれて歌は響かない。とうの昔に踊るのは骨だけ。肋間から青い線。夕闇のグラデーションを破り捨てて取り戻す。
2016年11月6日 16:54
青い耳が一面に咲く夜。空は水面になって映りこむ耳。光る綿は重力に惑い、明けない白夜に朝を知らない。
2016年11月6日 16:52
前に進んでるつもりで後ずさりする靴。人の目がなければ眠りからは覚めない。狐の青い目に気づかれないように呼吸を透明にして待つ。
2016年11月1日 12:51
赤と黒の渦が空から落ちて、右腕に垂れるタール。重力が嫌だと言いながら、従って落ちて、腕を溶かす。