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細胞アーティストOumaの創作メモ

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2016年10月の記事一覧

2つと桃

2つと桃

塩なのか辛いのか。
数えるまでは気づかない。

目の前にあっても扉をめくる。
減らすのに増えていく。

桃と桃。

分解された足

分解された足

透明なままの足はグレーのまま。

分身したように離ればなれを繰り返して、
願っても止まらない。

今、何人の私がいるだろう。
数えているだけで、私が終わる。

金色の毒の泡

金色の毒の泡

この日が千年つづくための死。
結合織が剥がれるような破裂音。

全てを失った温さも、
唇に触れるには優しい。

手のひらの桃の血

手のひらの桃の血

甘かったから気づくのが遅かった。

気づかないままでいられたら、
それは華やかに藍色。

何億回も見た景色。
まだ見慣れない。

指で空気を三つに分ける

指で空気を三つに分ける

踊るのが好きなのはアヒルがついた嘘。
くちばしが割れて紫から銀。

あの季節はもういらない。
破り捨てて涙の分だけ切り抜く。

灰色の円錐

灰色の円錐

胸の手前に浮いたままのソレ。
尖った先が届きそうに、こちらを睨む。

壊して砂にしたのに、
離れないまま、また蘇る。

目の上の隙間

目の上の隙間

満たされないのは、すでにいっぱいだったから。
入る余地もないのに、まだ入れるところを探してる。

目の前の色を見る前に、曇ったまま遠ざかる風を見る。

だからいつも空腹。

足がない

足がない

歩き方ばかり考えていたけど
歩くには足が足りない。

歩かなくても進む方法を探しているの。
風景を変えたいんじゃないの。
住む世界を変えたいんじゃないの。

ただ、足がほしかっただけ。

羽のような死骸

羽のような死骸

指紋を埋める砂だと知った。
骨と骨の間は玉虫よりも甘く寒い。

皺のある白はシマシマのままの象のしっぽ。
水玉の蟷螂なんて兎より霧みたい。

その道

その道

黒さ、黒さと口にするのに、
あなたはいつも離れない。

裏の中に自らの声。
選択はいつも瞼に。

白い森

白い森

線のような煙が毛穴からあふれ出してる。
足か手かを悩むうちに
死をまた繰り返す。

石はもう選んだ?
それともいらない?

移動する半分

移動する半分

左右に振れる目では追い切れない。
時間なんて幻想。

逸るのは求める気持ちの強さのせい。
吹雪に花が咲くまで、止まるなんてできない。

風と地

風と地

明日、風が吹いたんだ。

羽の上に乗っているのに、
降りることばかり考える。

景色を見るよりも地上のことが恋しくて。
風よりも空よりも土に心奪われて。

初めての時みたいに、地の美しさを知る。

指先に蜜色

指先に蜜色

深海に沈んだ鯨の軌跡。
暗すぎる光に目をつぶって闇を探す。

あの時の色彩。

世界を鮮やかにした日のことを
今日も繰り返し思い出す。