ハートランドの遙かなる日々 第23話 父と子と聖霊と
臨時診療 修道院への帰り道、クヌフウタが大事そうに抱えていたボウルを、ペルシタが「持ちます」と言って受け取って、医療鞄と一緒に脇に抱えた。ペルシタはクヌフウタの付き人であり、かつ医療の助手であり、修道生活を共にする相棒でもあった。
「あのお母さん、しっかりお医者さんへ行くかしら?」
アフラはさっきのリリアの態度に疑問を覚えて言った。クヌフウタは真っ直ぐ前を見て歩きつつ言った。
「たぶん行かないでしょうね。と言うよりも行けないのです。ホスピタル騎士団に所属する医師は貴族しか診