ホシカリーのレシピ
対馬へ来て丸一年。
もはや何の違和感もなく、対馬での魚の地方名を使いこなしている(と思う)。
"ホシカリ"と呼ばれ親しまれている魚が居るが、コイツが文句なく旨い。
内臓脂肪がノッたデカいやつ(2kg以上のものもたまに揚がる)は一週間ほど熟成させて刺身で食うのが抜群に旨い。中小型は唐揚げにするのもめちゃウマで、頭や骨からは上質というよりややシツコいくらいの出汁が出て、味噌汁やスープにもオススメ。
うーん、なんてイイ魚!
"ホシカリ"、それはカサゴ(類)のこと。
対馬では、カサゴ、アヤメカサゴ、ウッカリカサゴのカサゴ属(Sebastiscus)3種全てが漁獲される。深いところで獲れることが多いウッカリカサゴを"オキボシカリ"と呼ぶこともあるが、あまり区別せず3種まとめて"ホシカリ"と呼ぶことが多いように思う。
私たちが普段行なっている一本釣り漁でもよく獲れるが、飲食店での需要が高いためすぐに売れてしまう。特に洋食(フレンチ、イタリアン)のお店からの注文が多い。たまに数匹箱詰めからあぶれることがあり、そんな時はありがたく食用とするのである。
すぐに食べない時は、下処理をして冷凍しておくと色々な料理に使えて重宝するので、仕事の合間にちょこちょこストックしている。
そんな冷凍ストックを使った料理を紹介したいと思って文を書き始めたのに、ついつい導入が長くなってしまった...
↓これが冷凍した状態↓
頭は二つに割って、臭みの原因になる脳みそや血を綺麗に洗ってから冷凍。
身は三枚、もしくは二枚おろしにしてから、使いやすい大きさにカットして冷凍。
いずれも重なり合わないようにジップ付き袋へ平べったく並べて冷凍するのがポイント。こうしておけば、凍ったまま(多少強引さが必要だが)使いたい量だけ取り出して使うことができる。
今回は頭からスープを取り、香味野菜と合わせて、めちゃウマなカレーを作ってみた。さらに身は唐揚げにして、カレーのトッピングにするという算段。
入れる具材は別に何でも良いが、ジャパニーズカレーは"スープ命"がこだわりなので、ひたすらに旨味が出る野菜を入れる。
個人的にセロリはカレー作りにマスト。タマネギ、ニンニクは当然入れる。
タマネギは近所のばあちゃん自家産(ココ大事なポイント)。ニンニクも島内産。
お裾分けで野菜をもらえるという田舎暮らしの醍醐味に加えて、地元産のニンニクをスーパーで買えるというのが、対馬で嬉しいところ。
あとは食べ応え要素としてスープとの相性が良いジャガイモでも入れとこう。
フライドポテトでも作るんかい、な切り方。皮剥くの面倒やからそのまま。
もうかれこれ15年以上使っている無水鍋(ビタクラフト)で蒸し炒めすれば、野菜の旨味がどんどんと溢れてくる。
ホシカリの頭から取ったスープを加えて、さらに弱火で煮込むこと30分。
肉要素としてスープを取った後のホシカリの頭から、頬っぺたの肉を取り出して入れてみた。魚の骨が入ったカレーを食べるのは罰ゲーム要素が強いので、頭の骨などは入れない。
魚と野菜の旨味が融合したと感じたタイミングで火を止め、カレールー1/2箱分を入れる。
写真奥の鍋がルーを入れる直前の状態。
もう旨そう。これがスープに旨味を凝縮させたジャパニーズカレーですよ笑
ルーはお好みで何使っても良いが、S&Bのゴールデンカレーが爽やかで色々イイ感じ。サラサラ目のカレーが良い時には特にオススメ。
ルーを入れて一煮立ちさせれば完成!
こうして完成したものをホシカリカレー、略して"ホシカリー(Hoshi curry)"と名付けたのである。
さらに、別で作ったホシカリの唐揚げ、"ホシカラ"をトッピングに!
ネーミングセンスの良さたるや!!
...
味については言うまでもない。魚と野菜の旨味がしっかりと出た旨い旨いカレーでしたよ。
最後に一応使った食材を載せとこう。
○カレー
・ホシカリの頭 3尾分
・↑から取った出汁800mlくらい
・タマネギ 大1玉
・セロリ 茎部分1本分
・ニンニク 中1玉
・ジャガイモ 中2玉
・カレールー 1/2箱
○唐揚げ
・ホシカリの身 2尾分
・片栗粉(or 唐揚げ粉) 適量
※一点、ミスだったのは、ホシカラを骨付きで作ってしまったこと。単体で食べるなら骨周りの旨味も味わえる骨付きはオススメだが、カレーのトッピングとしては食べづらかった。
みなさま、良い魚料理ライフを!
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