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騒々しい友情と熾烈な愛が人生を照らし続ける【二十五、二十一】


ついに先日、生き甲斐であったドラマ『二十五、二十一』を完走してしまいました。余韻に浸りすぎて、書き留めておきたいことが多すぎて、何とも言えずふわふわした気持ちで生きています。


いいとは聞いていたけど、ここまでとは…
正直過去一レベルと言っていいくらい、じんわりと心が温まるドラマでした。


ただSNSを見ていると、かなり賛否が分かれているみたい。
確かに、結末は寂しさが残るラストでしたよね。
でも私はあの感じがとても好きでした!
元々切なさとか儚さとか懐かしさという、ノスタルジックな感覚に惹かれることが多いからだとも思いますが。

「ハッピーエンドの定義って何だろう」と考えさせられるほど、二人の愛が心に響いて、しばらくロスになること確実です。

納得いかないという意見の多くは、やっぱり別れを選んだのが原因だと思うのですが、イジンが「アメリカに行くまでは順調だった」と言った時に見せたヒドの表情からして、二人の価値観の違いはイジンが社会部に移動した頃から既に大きかったと思うので、個人的にあの場で仲直りしたとしてもいつかは別れちゃったんじゃないかなーと感じました。
あの二人は元々友情とかそういう言葉で括れる関係を超えた存在だったので、恋愛というフィルターがかかるとうまくいかなくなる、というのは仕方ないかなと。
勿論、とてつもなく寂しいですが…

20年近く経った現在でもお互いを大切に思っている様子が描かれていたし、恋愛に終わりがあっても愛には色々な形があって、そこに終わりはない。
そういう意味では素敵な”ハッピーエンド”だったと私は思います。



「愛と友情が全てだった頃。
そんな時期は人生でほんの一瞬だ。
娘にも必ず味わってほしい、騒々しい友情と熾烈な愛を。
その一瞬こそが長い人生を輝かせるから」


大人になったヒドがこんな風に思っていることに泣けます。
”いつか全ては思い出になってしまう。それも悪くない”
というのも理解できるのですが、思い出として残る限り、それはある意味永遠になることだと思うんですよね。

あの夏は、
ヒドとイジンが愛し合った600日は、
”二十五、二十一”は、思い出として永遠になった。

何年経ってもヒド達の心の中で生き続け、もう太陽ほどの眩しさではないけれど、月明かりのように優しく柔らかくそれぞれの人生を照らしてくれているはずです。


あの海に行った日、イジンに「人生がつまらない」と言っていたスンワン。
10年ほど経ったお葬式でも変わらず「つまらない」と言っていたけれど、
思い出話をしたときに「あの頃は楽しかった」「懐かしい」というようなことを言ったのがすごく印象に残っています。
その当時の良さは、過ぎ去ってから気づくものかもしれませんね。

私は平成生まれで、ずっと昭和の少し不便だった頃に憧れて生きていましたが、令和になると決まった時、「平成もいい時代だったな」と感じたのを思い出しました。


そして、視聴者と同じ目線でヒドの青春物語(日記)を読んできたミンチェの
「日記の続きはもう見ない。私は私の、もっと素敵な物語を生きる」
大人になったヒドの「永遠だと言い張った瞬間。私はその錯覚が好きだった」というセリフがとても好きです。このドラマで伝えたかったことが凝縮されているんじゃないかなと。

自分が生きていない時代に嫉妬したり、他の誰かの眩しい青春を羨ましく思う気持ちが私には元々すごくあって、このドラマは特にその感情が爆発していたのですが笑、
だからこそ”これから自分だけの素敵な物語を描こう!”というミンチェの決意にとても共感して私もそうしよう、と思うことができましたし、
もう過ぎ去ってしまったあの頃の日々を悲しいと思わず、ただ”楽しかった”、”好きだった”と思えたらそれいいのかと心が軽くなったんです。



青春ってきっと恋愛のことだけじゃなくて、友情だったり、夢を追いかけることだったり、
そして何より若くて眩しくてただ楽しいぜ!みたいな、そういうなんてことない日常のことも指すんじゃないかなと感じたので、もっとそういう日々を前のめりに楽しむ、というのも私のルールに追加(笑)

あまり連絡を取り合っていなかった学生時代の友人に連絡を取ってみたり、これからは自分から遊びに誘ってみようと心に決めました。
思い出は、幾つになっても輝く永遠になるから。長く果てしないように見える人生を、支えてくれるものになるはずだから。








きっと今も何処かで現実を生きている5人へ。
ありがとう。







振り返るとすべてが試行錯誤の日々。

永遠だと言い張った瞬間。

私は、その錯覚が好きだった。

それでも手に入れたものが一つだけあった。



あの年の夏は、わたしたちのものだった。







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