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パティシエのフルーツの使い方

フルーツがカラフルなのは動物に見つけてもらうため?


「果実がカラフルなのは動物や鳥に見つけてもらいやすく、
種子を遠くへ運んでもらうため」

非常に面白い視点だと想います。


実るまでは緑色など目立たない色で、
食べごろになると色づく、という、
「色は食べごろサイン」、といった解釈です。

その頃にはより糖度も増し、香りものって、美味しさを連想します。


美味しいフルーツがパティシエ泣かせのフルーツ?

フルーツが、動物や鳥に食べてもらうために美味しくなるとしたら、
その美味しさが最高潮に達した美味しいフルーツ、
それがパティシエ泣かせのフルーツかもしれません。

何故なら、単体で完成してしまっているからです。

そのまま食べるのが一番美味しいものに加工する必要性を導く義務。

手を加える事に罪悪感を感じる事すらあります。


できることは、その美味しさを下限ベースに、
食べ方のアプローチや体験の提案、
その先の美味しさの可能性の提案です。




フルーツを使ったデザートの作り方



フルーツを使ったデザートを作るにあたりアプローチはいくつか存在します。
また、そもそもの表現のベースとして、
明確な主体を軸に表現するのか、そうではないのか、などでも条件は変わってきます。

これには決まりはありません。

おおまかにカテゴライズして大局的に記したいと思います。



マリアージュ、ペアリング

これは性質が異なる素材同士だけれども相性が良い、
や、
素材同士に香りなどの共通項があり、そちらで繋ぐ、
などです。


例えば、洋梨とキャラメル。
洋梨は主張が強いわけではないですが、
丸く爽やかで上品な香りを湛えています。

一方、キャラメルは糖のメイラードです。
焦げた香り、苦味など、ワイルドな主張を持ちます。

全く性質の違う両者がバランス良く合わさると、非常にキャッチーなマリアージュが生まれます。


また、桜葉とトンカ豆、
などは同じ「クマリン」という香気成分を含み、両者が上手く合っていきます。


増幅

そのフルーツの素材感を増幅させる方法です。
食感が個性ならば食感を強調させる、
香りが個性ならば香りを強調させる、
酸味が個性ならば酸味を強調させる、

といった具合です。


その素材の個性を引き伸ばす事で、
より、その素材感らしさを感じられる施策です。


新たな味

こちらは「マリアージュ」の発展系で、
従来表現されてこなかった組み合わせやアプローチを試みることです。

ガストロノミックな表現や、
複雑だけどストーリーが見える、、

などなど表現は無限大です。


ヴァリエーション

こちらも前項に被る部分はありますが、ここでは少し意味が違います。

例えば「パフェ」。

桃のパフェがあったとして、
そこにシャンティクリームや、
アイスクリーム、
スポンジ生地や、
シュトロイゼルなどの焼き物、
フランボワーズソースなどがかかっていたとしましょう。

桃を美味しく食べるのが前提ですが、

「乳味」「テクスチャーの差異」、「温度差」、「食感」、「酸味」、
などなど、
あくまで安定的な味覚に訴えつつも、
ヴァリエーションを豊富に感じられるデザートの表現です。



先ずは自由にブレスト、
アイディアやテーマが見えたら、

どういった料理をどういった方法
で表現するのかを明確にしてから進めないと迷路に迷い込む事になります。

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