女という人#1 「誕生日はいつもありがとう。」
「私、自分が写ってる写真を見てうっとりなんかしない」それ、なんかわかる。
写真に撮られるのはうっとりしたいわけじゃなくて、そこに自分がいることを自己認識出来るし、知ってもらえるし‥みたいな感覚。
もちろん、綺麗な自分を見つけたら嬉しい。
でも、そこじゃないんだよって感覚、わかる。
そう話す彼女は今日、誕生日だった。
自分のためのケーキ、私のためにもケーキ。
「誕生日はいつもお世話になってる人とか、周りの人とかに感謝の気持ちをこめてお菓子とか配るんです」
こうやって元気にやれてるのは皆さんのおかげです、ありがとうってことらしい。いいな、それ。
自分ってどんな人間だと思う?って質問をぶつけてみた。
「自分はどういう人間か…ここ最近、思うのは"自己主張が苦手な人間だなぁ"ですね。」
確かに彼女の目には他人のことを気にしてる動きと、自分ってものの出し方を図ってるようなそんな動きが見える。
「幼少期から、自我の強い大人のご機嫌を伺いながら行動するイヤな子供でした(笑)大人になってからも、一部の仲のいい人達の前では打ち解けるけど…職場等、集団で行動する所では、自分の意見を言っている様で、あんまり腹を割って話していない事が多いですね。そんな私が写真やクロッキーのモデルをやってるのですから…皮肉と言うか、不思議なもんだなぁ…と時々、思います。今も昔も自己愛と言うか、今の言葉で言う「自己肯定欲」は強い方ではないです。でも、あまりにも己を否定するのは、今までの人生を全否定する様な気がするので、これ以上、自分を嫌いになるのは止めました。だからと言って、自分を無理して好きになるつもりもないです。人間にはある程度、闇みたいなもの…嫉妬とか孤独とか必要だと思うんですよね。そのままの形をモロに受け止めたら、精神的に潰されてしまいそうだけど…生きる事の起爆剤にすれば、地味ぃな日常が少しはピリッとすると思います。」
自分を嫌いになる、自分を好きになる。
そういやどうして、嫌いとか好きとかの対象に自分がいるんだろうか。
自分のこと、大好きじゃなきゃ私は私がかわいそうだと思う。
そんな私も、自己肯定感が高いわけじゃないんだろうけど。
写真も、日常の起爆剤になっているのだろうか。
決して背伸びをしない等身大の部屋と彼女はちゃんと綺麗で強かった。
女という人:さとみ
撮影、文:SAKI OTSUKA
↓作品の続きはHPにてご覧下さい。
https://www.otsukasaki.com/%E5%A5%B3%E3%81%A8%E3%81%84%E3%81%86%E4%BA%BA
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