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さぶすクラシック日誌。2022年版...

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毎日、1タイトル、スポティファイでクラシックの新譜を聴いてみた。
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2022年9月の記事一覧

9月28日、ベザイデンホウト×エラス・カサド×フライブルク・バロック管、力強い演奏!理屈抜きに引き込まれた!

ピリオド系ピアニスト、クリスティアン・ベザイデンホウトが、パブロ・エラス・カサドの指揮、フライブルク・バロック管の伴奏で、ベートーヴェンの1番と3番のピアノ協奏曲を弾く。 1824年製、コンラート・グラーフのピアノ(レプリカ)を用い、モダンも、ピリオドも、ドンと来いなマエストロ、エラス・カサド、ドイツのバリバリのピリオド・オーケストラ、フライブルク・バロック管とともに展開されてきた、ベザイデンホウトのベートーヴェン・イヤーのためのベートーヴェンのピアノ協奏曲のシリーズ...

9月27日、師、ベートーヴェンから受け継がれるものと、新時代、ロマン主義の息吹が織り成す妙... リースの音楽...

ピリオド系弦楽四重奏団、シュパンツィヒ四重奏団による、ベートーヴェンの弟子、リースの弦楽四重奏曲のシリーズ、Vol.4。 フェルディナント・リース(1784-1838)。 かのベートーヴェンが生まれた街、ボンで生れ、16歳でウィーンへと出て(1801)、ベートーヴェンの弟子(ボンの宮廷のコンサート・マスターだったリースの父親は、ベートーヴェンのヴァイオリンの師であり、その関係性は世代を遡る... )となり、アシスタントも務め、楽聖を支えもした人物(楽聖の最古の伝記の著者とし

9月26日、フランス革命に、ナポレオン戦争... 憧れとして、敵として、フランスと向き合ったベートーヴェンを見つめ直す。

harmonia mundiによる、2020年、ベートーヴェン・イヤーのための交響曲全曲録音シリーズ、完結編、ベルリン古楽アカデミーの演奏で、4番と8番。と、その同時代の作品、ケルビーニの『ロドイスカ』序曲、メユールの1番の交響曲も! フランス革命、3年目、1791年、パリで初演されたケルビーニ(1760-1842)のオペラ『ロドイスカ』の序曲と、1807年に完成したベートーヴェンの4番。ナポレオン戦争、真っ只中、1808年に作曲されたメユール(1763-1817)の1番の

9月25日、傘寿、マエストロの、ロマンの終着、達観のシベリウスの後半の交響曲に、感慨...

ウェールズ出身のマエストロ、オウェイン・アーウェル・ヒューズとロイヤル・フィルによる、シベリウスの交響曲のシリーズ、その最後を飾る、第3弾、5番、6番、7番の交響曲。 このRUBICONからのシベリウスの交響曲のシリーズで知りました、オウェイン・アーウェル・ヒューズ。いや、ホント、ノーマークだった... ちなみに、お父様が、作曲家のアーウェル・ヒューズ(1909-88)。こちらは、薄っすら認識があったのですが... いや、マエストロ、1942年生まれということで、御年、80

9月24日、美しさと大胆さ、一筋縄には行かないランゴーの魅力を堪能する。

デンマークのピアニスト、ベーリト・ヨハンセン・タンゲによる、デンマークの作曲家、ランゴーのピアノ作品のシリーズ、最新盤、2つの『花の描写』、2番のソナタなどが取り上げられる、Vol.4。 デンマークの不遇の天才、ランゴー(1893-1952)。コペンハーゲンで音楽一家に生まれ、新時代の音楽家を育てることに尽力したホーネマン(1840-1906)に師事、若くして才能は開花、海外で作品が取り上げられるも、国内では理解されず、長らくオルガニストとして生計を立てながら、静かに作曲活

9月23日、北欧ロマン主義、オペラも魅力的!ホーネマンの『アラジン』、侮るなかれ!

デンマークのマエストロ、ミカエル・シェーンヴァントの指揮、デンマーク国立響の演奏、ブルール・マグヌス・トーデネス(テノール)のタイトル・ロール、デンマーク国立コンサート合唱団による、デンマークの作曲家、ホーネマンのオペラ『アラジン』。 クリスチャン・フレゼリク・エミール・ホーネマン(1840-1906)。 コペンハーゲンの音楽家一家に生まれ、作曲家だった父から音楽を学び、1858年、ライプツィヒ音楽院に留学(ここでグリーグと知り合う!)。帰国後の1865年、北欧の新しい世代

9月22日、ハーディングフェーレで『ペール・ギュント』を... 北欧ロマン主義の名作が、グっと味わい深くなって驚いた!

ノルウェーの民俗楽器、ハーディングフェーレも弾きこなす、ノルウェーのヴァイオリニスト、ラグンヒル・ヘムシングが、ヴァイオリンとハーディングフェーレを用い、ノルウェーの気鋭のアンサンブル、トロンハイム・ソロイスツとともに、グリーグの『ペール・ギュント』を奏でる! ノルウェーの民俗楽器、ハーディングフェーレ... ヴァイオリンに似ているけれど、ヴィオラ・ダ・ガンバから派生した楽器というのが、ポイント(象嵌細工はアクセント!)。で、そのサウンド、ガンバの透明感を引き継ぎつつの、ヴ

9月21日、シンプルだからこそ引き立つ、グリーグの瑞々しさ... 今、改めて、惹き込まれた!

イギリスの大ベテラン、ピアニスト、ピーター・ドノホーが、全10巻、66曲からなる、グリーグの抒情小曲集を録音するシリーズをスタート!で、その第1弾、「春に寄す」など、27曲を弾く... ピアノによる小品を6曲から8曲ごとにまとめた抒情小曲集... グリーグ(1843-1907)、24歳の年(前年にオスロのフィルハーモニー協会の会長に就任、翌年には、代表作、ピアノ協奏曲を作曲... まさに、順風満帆!)、1867年に第1巻が出版されて以来、58歳の年(健康状態が悪化、以後、作

9月20日、20世紀、スウェーデン、若きアルヴェーンの王道をゆくロマン主義、その勢いに痺れた!

アルヴェーン、生誕150年!ウカシュ・ボロヴィチの指揮、ベルリン・ドイツ響の演奏によるアルヴェーンのシリーズ、第3弾、2番の交響曲と、スウェーデン狂詩曲、第3番、「ダーラナ狂詩曲」。 ヒューゴ・アルヴェーン(1872-1960)。 ストックホルムで生まれ育ち、ストックホルム音楽院(1887-91)でヴァイオリンを学ぶと、ヴァイオリン奏者として宮廷楽団(1890-92)に加わる。その後、奨学金を得て、西欧各地でヴァイオリン、作曲、指揮を学び、研鑽を積むことに... 帰国後、1

9月19日、20世紀のミサ、現代の教会音楽、原点に立ち返る祈りの音楽に感慨...

リカルド・リンドベリ・カールソン率いるスウェーデンの合唱団、スンドビューベリ・ヴォーカルアンサンブルが、ヴォーン・ウィリアムズのミサと、スウェーデンの現代の作曲家による教会音楽を歌う、"Et in terra... "。 20世紀、イギリスを代表する作曲家のひとり、ヴォーン・ウィリアムズ(1872-1958)のミサ(1920-21)に、シェル・ペルデル(b.1954)、スタファン・イースベク(b.1955)、パウラ・アフ・マルムボリ・ウォード(b.1962)、ダーヴィド・オ

9月18日、北のオペラの王様たち!中心から離れても、この充実っぷり!魅了されます。

チェコのバリトン、トマーシュ・クラールが、ヤロスラフ・ティエル率いるヴロツワフ・バロック管の伴奏で歌う、バロック期、ヨーロッパ北面のシーンを賑わせたアリアの数々... "KINGS IN THE NORTH"。 ロンドンの音楽シーン、ポスト・ヘンデルの時代を担ったアーン(1710-78)の『アルフレッド』序曲で幕を開け、ロンドンでも研鑽を積んだ"スウェーデンのヘンデル"、ルーマン(1694-1758)に、ハンブルク、ゲンゼマルクト劇場(若きヘンデルがその第一歩を踏み出した.

9月17日、ヴォーン・ウィリアムズのアニヴァーサリー、改めてその瑞々しさに魅了される。

ヴォーン・ウィリアムズ、生誕150年!マーク・エルダー率いるハレ管の、ヴォーン・ウィリアムズ交響曲全集の最後を飾る、7番(南極交響曲)と9番、「揚げひばり」にノーフォーク狂詩曲も取り上げる2枚組。 ロバート・スコットの南極探検を描く、チャールズ・フレンド監督による映画『南極のスコット』(1948)の音楽を担当したヴォーン・ウィリアムズ... これを元に交響曲化したものが、7番、"南極交響曲"(1949-52)。いや、映画音楽から発展した交響曲の興味深さ!てか、交響詩っぽい?

9月16日、英国流の瑞々しさ、存分に味わう、アイアランドのオーケストラ作品の数々...

絶好調なコンビ、ジョン・ウィルソン率いるシンフォニア・オブ・ロンドンの演奏で、イギリス、20世紀前半を彩った作曲家、アイアランドのオーケストラ作品集。 ジョン・アイアランド(1879-1962)。 マンチェスター近郊、バウデンの生まれ... ヴォーン・ウィリアムズ(1872-1958)、ホルスト(1874-1934)と同世代で、ホルストとは同じ年にロンドンの王立音楽大学に入学(1893)。ピアノとオルガンを、後に、アイルランド出身の作曲家、スタンフォードから作曲も学ぶ。卒業

9月15日、17世紀、マスク、仮面劇、それはイリュージョン...

スイスの古楽アンサンブル、コンチェルト・シロッコが、イギリス・ルネサンスを彩ったマスク、仮面劇にスポットを当てる、"Music for the Eyes"。 調べてもあまりよくわからないジョン・ヒルトン(1575-1628)とジョン・アドソン(1587-1640)に、イギリス出身、デンマークやドイツ各地の宮廷で活躍したウィリアム・ブレイド(1560-1630)の3人の作品を軸に、マスクで用いられた舞曲やファンタジアを取り上げる、"Music for the Eyes(視線の