小学校で得た気づき【わたし、島で働く。】
こんにちは!企画連載「わたし、島で働く。」をお届けします。
今回は10月-12月に島体験生として、海士小学校で働かれていた保下瑠己於さんにお話を伺いました!
「役場で働きませんか」の言葉に導かれて
将来、役場職員や教員になりたいと考えていた保下さん。インターネットで「役場」をキーワードに調べていたところ、「役場で働きませんか」と書かれた海士町のサイトにたどり着きました。
もともと高校2年生までは看護師を志し、理系大学への進学を考えていましたが、アメリカ留学をきっかけに英語の楽しさに気づき、英語教育への関心が高まっていたそうです。
関心のある英語教育に携わりたい。アメリカ留学を通して感じた「新しいことを知る楽しさ」や「さまざまな価値観があるということ」を、子どもたちと関わる中で伝えたい。その思いから保下さんは海士小学校で働いていました。
仕事内容
海士小学校では、5・6年生の3教科(算数・国語・英語)と3・4年生の英語の授業を中心に生徒のサポートを行っていました。時には、音楽や書道のサポートを行う日もあったそうです。
また、保下さんは7年間取り組んだ和太鼓の経験を活かし、神楽クラブの活動にも精力的に取り組んでいました。11月に行われた産業文化祭での発表に向けて、楽譜を書きおこしたり、放課後には児童一人一人と練習を行っていたそうです。
授業サポートを通した気づき
小学校で勤務するにあたって、「そのまま答えを教えたくはなかった。生徒たちが協力し合って、気づいてほしかった」と話す保下さん。
自分がつきっきりで一人の生徒に答えを教えるのではなく、答えが分かった生徒が分からない生徒に教えてあげられるような働きかけをしていたそうです。子どもたち同士で理解を深められるようなサポートを目指していたと保下さんは話していました。
ミスから生まれるコミュニケーション
保下さんに、この3か月を通して変化したことをお聞きしたところ、「ミスをしやすくなった」と話します。
一見ネガティブに聞こえる言葉ですが、「ミスをしやすくなった」ことは保下さんにとってポジティブな意味をもっています。
ある算数の授業で、黒板に台形と平行四辺形を間違えて書いてしまったという保下さん。子供たちがその間違いを指摘し、それ以降子供たちは「先生がミスをしてないかな~」と注意深く黒板を見るようになったそうです。自分のミスに対して指摘をする生徒の様子を見て、保下さんはミスからでもコミュニケーションが生まれることに気づいたそうです。
「先生である自分がミスをすることで、生徒たちの挑戦へのハードルを下げることができるのではないかと思いました。自分がミスをしたとしても、それ自体がこの子たちの学びに繋がる。ミスしてもいいんだということに気づきました」(保下さん)
小学校で感じた多様性
保下さんは小学校で働く中で、海士町はとても多様性に富んだ町であるように感じたと話します。
「この島には色々な人がいて、小学校に勤務する先生方の出身地が多様であることに驚きました。自分が小学生の時は、県外から来た先生はほとんどいなかったので、出身地が多様だからこそ、文化的な違いを感じるのが楽しかったです。」(保下さん)
3か月間、海士小学校で働いた保下さん。小学校という環境に身を置けたことがとても貴重だったと話していました。
おわりに
今回は、海士小学校で働かれていた保下瑠己於さんにお話を伺いました。
小学校での勤務を通して、保下さん自身も多くの発見があったと思います。特にミスを恐れなくなったことは学校だけではなく、これから社会に出たときにどこでも活かせることができるのではないかと思います。同時に、保下さんの働きかけによって、子どもたちも多くの気づきを得られたのではないでしょうか。
また保下さんは現在、3ヶ月の島体験を修了し次のステップに進んでいます。島体験での経験を活かしながらこれからも頑張ってほしいです。
保下さん、今回は貴重なお時間とお話をありがとうございました!
また、撮影にご協力いただいた海士小学校の皆様、この場を借りてになりますがご協力いただきありがとうございました。
(インタビュー:清瀬 文:石川)
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