心踊る食材を使って、美味しくて最強のお菓子づくりを離島で
「大事に、大切に作られたものって美味しいじゃないですか。だから、それを使った美味しくて身体にちょっと優しいお菓子を作りたいって思ってます。」
そう話してくれたのは隠岐島前地域の中でも一番小さな島、知夫里島(ちぶりじま)にある”めにーでーる”というお菓子屋さんの店主、稲澤さん。
人口約620人の島でお菓子を作り、時には外に出てお菓子作りの材料を自ら収穫することもあるそう。そんな稲澤さんに、島でお菓子を作ることへの想いやリニューアルしたばかりのお店のこれからについて伺いました。
▼移住の決断から店をオープンするまで
自分の心が踊ったものを使って
現在、島の特産品として商品化に向けアイスクリームづくりを手掛けているという稲澤さん。このアイスクリームに使う予定の「ふくぎ(クロモジ)」は、島に来てからはじめてお茶として飲み、その香り高さに心が踊ったとのこと。
「ふくぎは、ハーブティーのような、紅茶のような味で。すごい!!美味しい!!ってなりました。今まで、ちぶり島には島の特産品として年中出せるものがなかったので、ふくぎを含めた2,3種類のフレーバーアイスを作って港や観光協会、ホテル等で販売をしようと思っています。また、島にたくさん植えてある”だいだい”も心が動いた食材でしたね。」
「”だいだい”をジャムにしてみたら苦みがあったけど、それが美味しくて。何か作りたい!!って。チーズのムースにだいだいのジャムを忍ばせ、土台はタルト、ムースの上はグラニュー糖を焦がしてカラメルにした”だいだいのシブースト”を作りました。」
「美味しい」にこだわって
めにーでーるの材料選び。
砂糖は精裂されていない国産きび砂糖、ラカント、黒糖、和三盆を使用。
可能な限り国産、天然、無添加で生産者の顔が見える材料を使用して。だから、めにーでーるのお菓子は少し茶色くて、少し体に優しいとのこと。
「仕入れる材料にもこだわりはあって。大事に作って下さっている商品って、フルーツにしてもそうだけど大事にされているから美味しい。だから、それを使って作った自分のお菓子も美味しくなる。」
「島という立地上、手に入らないものもあるから、そこはできる限り。無理に高いのを買って、商品が高くなったら元も子もない。だから、美味しいにこだわっているというか。美味しいが最強!!ですね」
本土のお菓子屋さんだと、必ず2,3種類の製菓業者さんが入ってくださるそうですが、島という立地上入ってこないそう。業務用でも一般向けの商品を買うことになるため、商品や材料自体は全体的にちょっと高く、苦しい部分もあるようです。
そんなハードルも感じる一方で、島でお菓子を作る中で新しい気づきもあったといいます。
「本土だったら普通なことでも、島だと喜んでもらえることがあって。例えば、最初に島でフレッシュクリームを使ったケーキを作った時に、食べてくれたおばあちゃんがものすごく感動してくれて。なんて軽いクリームなの!!って。」
「今まで、そんな喜ばれ方することってなかったから。もっとこんなんあるよ!!ってのを見せてあげたい、食べてもらいたいみたいな想いはあるかなと思います。」
こつこつ、丁寧に
そんな”めにーでーる”ですが、現在、一緒に働く仲間を探しているそう。
主な業務は、製菓製パンの製造、包装、軽作業。加えて、パン・スイーツ・島の特産品製造・新商品開発など。
経験の有無については、
「あればよし、なくても全然大丈夫!ちゃんと教えるので、ちゃんと覚えてくれたら大丈夫です。仕込みとかもやってもらいたい。カスタード炊いてもらったり、クッキー焼いてもらったり、できるなって思ったらどんどんやってもらいたいです。」とのこと。
ただ、結構力仕事も多くて体力の要る仕事ですね、と稲澤さん。
「資材も家庭サイズとは全然違って大きくて重い。ふくぎの収穫なんかも、山に入るので足場も悪くて大変ですね。基本的に立ちっぱなしの仕事なので体力は要る仕事だと思います。なので、健康な方で色々教えてほしい!!という方には合っているかもしれません。」
自然豊かな知夫里島(ちぶりじま)。
海と山、そして地域からたくさんの恵みを受ける”めにーでーる”。
これから一体、どんな「美味しくて最強」が生まれるのか、目が離せません…!!
めにーでーるのお菓子はインターネットでも販売中とのことですが、気になる方は、ぜひ知夫里島(ちぶりじま)の自然を体感しつつ、島でお召し上がりください🍰
(インタビュー・文/田中沙采)
▼島根県隠岐の知夫里島(ちぶりじま)とは?島のことも知りたい!
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