見出し画像

島らしいスローライフをもとめて。海士町で理由のない優しさに出会う

島根県の離島、隠岐島前地域で活動したみなさんが、お互いにインタビューして執筆する「島でnote書いてみた。」
今回執筆してくれたのは、2023年7‐9月の島体験生。
近い関係性だからこそ語れる、率直な思いをお届けします。


今回は、7月から島体験で海士町に来ているYさんにインタビューしました!

 取材当時22歳 
2023年度7月期大人の島体験生として来島

―では、自己紹介をお願いします!

Yさん:
7-9月期島体験生として来島しました。東京の大学の法学部政治学科で学んでいます。大学3年の夏にアルバイト先の後輩から島体験のことを知り、今は大学4年を休学をして島体験に来ています。

―なぜ島に来ましたか?


Yさん:
社会人になる前に、自分が今まで過ごしてきた東京から離れ、いろんな人と出会い、ゆったりとした生活をしてみたいな、と思ったからです。
出身も育ちも東京だったのですが、自分の拠点は持ちながらもそこから飛び出したいという気持ちがありました。
中学2年生の時に、一人でイギリスに行ったことがきっかけでそう思うようになりました。また、自分が知らない人と出会いたいという気持ちもありました。

東京の暮らしは好きで、人間関係も不満はなかったのですが、「せわしない」の一言に尽きる生活でした。大学では部活漬けの日々で、空いている時間でバイトをしたり、友達と遊んだり、という生活を送っていました。
自分としては追い込むことが好きで、その生活にも順応できていたのですが、一息ついて自分のことを考える時間が欲しかったのかもしれません。

―どこで仕事をしているのですか?


Yさん:
海士町のけいしょう保育園すみれ組さんの先生として働いています。すみれ組さんは0歳から2歳の園児が在籍しています。
こどもたちと遊んだり、おむつを替えたり、ご飯のお手伝い、お昼寝の寝かしつけ、掃除などを行っています。

―なぜけいしょう保育園を選んだのですか?

Yさん:
もともと、島体験を受け入れる事業所のページにけいしょう保育園は載っていませんでした。島でのスローライフを楽しみたい、人と出会える場所がいいなと思い、アドベンチャーキャンプなどにも取り組んでいる教育委員会を希望していたので、とくに教育委員会で成し遂げたいことがあるわけではなかったんです。
事業所を決める際に「人手が足りていない所で、人と出会えるところがいい」ということをお伝えしたところ、今人が足りていないけいしょう保育園を提案していただきました。
もともと小さい子が好きだったのもあって、そこに決めました。

―島の保育園で働いてみて、ギャップや、大変だったこと、気付きはありましたか?

Yさん:
想像はしていたのですが、大きなギャップがありました。
まず、子どもと遊ぶ時間は結構少ないということ。実際に遊ぶ時間は2時間もないように思います。
こんなにも大人は裏で働いているのか、と改めて気付きました。

そして、各家庭での教育方針と、保育園での生活の違いについて考えることがありました。
各家庭での生活と違い、保育園では集団生活のため一定基準の規律が必要になってきます。園児たちの中では、きれいにスプーンを使って食事をする子も、手づかみで食べる子もいます。子どもは悪いことをしている意識がないため、その考え方の違いとの折り合いのつけ方が難しかったです。

―何か、自分の生活につながる気付きになったことはありますか?


Yさん:
周りの大人への感謝の気持ちが強まりました。3人兄弟なのですが、育ててくれた家族への感謝、ありがたいなという気持ちが改めて強まりました。

―島体験が終わってからはどうしていきたい?


Yさん:
終わってからは、東京の大学に半年間戻ります。
島体験に来たことで、将来的に海士町のようなところでのんびり暮らすのも素敵だな、と考えるようになりました。

あとは、若者にやさしい大人になりたいと思っています。
島に来る前もいろんな人に助けていただいたけれど、その人は役目があるから助けてくれていたな、と思っています。
たとえば、先生とか、コーチとか。
でも、この島では地域の人が電球を変えてくれたり、BBQコンロを貸してくれたり、何も役割はないのにやってくれたことが心に残っています。
そんな、若者にやさしい人になりたいと思っています。

おわりに

Yさんは9月からは東京に戻り、就職をするそうです。
いつも明るくて、独特のワードセンスを持ってるYさん。しっかりしているYさんは、世界中どこでもやっていけそうだな、と感じていました。また会いたいね!!

作成:2023年7月期島体験生 S


この記事が参加している募集

仕事について話そう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?