心に余裕のある生活を、自分に優しくなれた島暮らしとは。
島に行くことを選択し、3年働いた会社を退職。
環境を変えて暮らしたい大きな理由が、彼女にはありました。
R5年度大人の島留学として西ノ島町に来島。
教育委員会に所属し、西ノ島町立中央公民館で勤務する亀井李佳さんのインタビューをお送りします。
来島から4ヶ月が経過し、島での生活がもたらした気持ちの変化とは…。
強い意志から大きな決断へ
━なぜ島に来ようと思ったんですか?
亀井さん:
友達の知り合いが大人の島留学に参画していたことがあって、友達に「これあってるんじゃない?」と勧められたことがきっかけでした。
島に行こうと決めた1番の理由は、「自分を愛せるようになりたい」と思ったから。
人のために、家族のために時間を使ってしまって、なかなか自分の時間を作ることができなくて…。
それで友達に悲しい思いをさせてしまった時がありました。
亀井さん:
「これ以上、周りの大切な人を心配させたくない」と思い、家族と離れた暮らしを選ぶことにしました。
居場所になる空間と交流の場づくり
━島に行くことを決め、3年続けた会社を退職したという亀井さん。西ノ島町ではどんなお仕事をしていますか?
亀井さん:
西ノ島では教育委員会に所属しています。
企画をしたり、イベントの運営をやりたくて、西ノ島町立中央公民館の配属になりました。
放課後子ども教室(以下、しまっこ広場)という子どもたちと遊ぶイベントの企画・運営と高校時代に英語を専攻していたこともあって、中学生に向けた学習塾で週2回、英語を教えています。
亀井さん:
しまっこ広場では季節のイベントや地域の方を講師とした事業を行ったり、私自身が、計画を一から考えてイベントを開催しています。
最近だと、「ペットボトルのキャップでキーホルダーを作ろう」といった企画を考えました。
亀井さん:
ペットボトルキャップを使ったイベントでは17人も参加してくれて、
キラキラした目でキーホルダーを作って、喜んで帰る子どもたちの姿が、なによりうれしかったです。
亀井さん:
注意点など細かい部分まで考えないといけないことは大変ですが、そういった事前準備を心がけることで、臨機応変に対応することができています。
学習塾もしまっこ広場も、人との交流を楽しんでほしい。
自分の居場所がここにあると感じてもらえる場所にしたいです。
焦らなくていい、穏やかな暮らしへ
━3島から西ノ島町を選択。島での暮らしはどうですか?
亀井さん:
西ノ島は摩天崖、国賀海岸、焼火山と海と山が近くて、自然豊かなところがいいなと思って。
それと、いつか子どもたちに絵本の読み聞かせもしたくて、いかあ屋(図書館)のある西ノ島を選びました。
雰囲気はいい意味で穏やかです。時間も穏やかだし、人も穏やか。
ここにいると焦らなくていい感覚になります。
今は自分の時間もちゃんと作れるようになりました。
通勤も自転車で、ずっと海沿いを走れるのがしあわせです。
━シェアハウスの暮らしには慣れましたか?
亀井さん:
シェアハウスでの暮らしは楽しくて、毎日充実しています。
みんなで晩御飯を作っていて、「今日はスープを作ります!」、「主菜を作ります!」と担当を割り振って、一緒に食べています。
休日も星空を眺めたり、海で泳いだり。カヌーをする約束もしました!
亀井さん:
地元の人からは、野菜をもらったり、食事に誘ってもらうこともありました。料理はもともと好きで、最近は梅シロップをみんなで作りました。
自分と向き合い、心に余裕を
━島での暮らしも4カ月が経ちましたが、心境に変化はありましたか?
亀井さん:
自己対話をめちゃくちゃするようになって。
今までの生き方は、仕事やプライベートに対して、力んでしまうことも多かったですが、西ノ島に来て「そんなに頑張らなくてもいいや」って、自分のペースで暮らせるようになりました。
亀井さん:
なにより「自分を好きになった。」以前だったら許せないことやイライラしていたことも、「こういうときもあるよね。」と思えるようになって。
頑張っている自分を評価したり、この日は1日休もうと思ったり、心に余裕が生まれて、自分に優しくなりました。
最近では「表情も明るくなったね!」、「声が変わったね!」と言われるようになって。そんなに暗い顔していたんだな…と思います(笑)
━「やりたいことをリスト化していて…(笑)」と恥ずかしながらも今後の展望を教えてくれた亀井さん。
亀井さん:
もともと文章を書いたり、発信することが大好きなので、SNSとかメディアを使って、島前の魅力を発信していきたいです。
自分の活動を通して、隠岐に来たいと思う人が増えたら嬉しいな。
あと、大学時代にフラメンコをやっていたので、島前地域のみなさんにフラメンコを見てもらう機会を作りたくて…。
異文化交流も島でしたいです。
━最後に、これから島に来ようと考えている人に伝えたいことはありますか?
亀井さん:
移住や仕事もそうだけど、「やってみたい!」、「チャレンジしたい!」と思ったらまず、周りの人にその意思を伝えてみる。
そうすると、現実になることが増えた気がします。
色んな夢が叶うと思うし、島での暮らしも充実するはずです。
西ノ島町の島留学生によるInstagram📷
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あとがき
今回の取材中も、笑顔が絶えなかった亀井さん。
素直な気持ちを伝えることで、
力を貸してくれる人がこの島にはたくさんいる気がします。
(R5年度 大人の島留学生:渋谷)