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大人の島留学生が出張に行って得た気づき

大人の島留学生として働き始めて9か月。同時に社会人になってから9か月が経ちました。みなさんは、社会人になったなぁと実感した瞬間はありますか。

バイトや学生では経験できない「出張」。大人の階段の7段目(?)に当たる、人生初出張に行かせていただきました。

父が出張に行くときには目を輝かせながら「お土産!」といっていた私も、出張に行く年齢になったと思うと時の流れをダイレクトに感じますね。私もお土産をねだられる日がきました。

それでは今回は、その出張の様子をお届けします。


教育魅力化の理論と実践
地域と協働した学校経営

出張の舞台は、島根県松江市にある島根大学で行われた「教育魅力化の理論と実践。地域と協働した学校経営」の集中講義でした。島前教育魅力化推進協議会のみなさんと、私たち隠岐島前高校卒業生の計8人が講義のゲストスピーカーとして参加しました。

私のミッションは、「教育魅力化」が行われている隠岐島前高校の卒業生として、在学中の思いを語ること。教育魅力化が隠岐島前高校の生徒にとってどのような存在だったのか、お話しました。

集中講義を開いている島根大学の先生は元隠岐島前高校の先生で、当時は世界史を教えいただいていました。世界史の成績がすこぶる悪かった思い出から、大人になった今でも先生の顔を直視できなかったのですが、また新たな関わりを持ててうれしいです。


ビジョンを描く


当日は、13:00~18:30に行われた3コマの集中講義で、島根大学の生徒のみなさんに加え、島根大学と広島大学の先生方など、約20名が参加されていました。

1コマ目は、価値創造型のビジョンを描くというテーマで、島前教育魅力化の初期から携わってきた方々でパネルディスカッションが行われました。

当時、隠岐島前高校をどのような学校に、そして、どのような教育を実現させたいと思ったのかを話されていました。

▼もっと知りたい方はこちら



ビジョンの実現


2コマ目は、描いたビジョンを実現させるというテーマで、ビジョンの実現に向けて携わってきた校長先生や、島前地域で暮らす方からのトークセッションがありました。

地域と学校が協働する意義はあるのか、教育魅力化のために島前地域のみなさんがどのように協働していったのか、など地域と学校についての内容が多かったです。


生徒からの質疑応答では、「教育魅力化のビジョンは本島の進学校でも実現可能であるのか」という問いに対し、

「正直、仕事量の多い先生方で実現することは厳しく、コーディネーターは必要になると思いますが、必ずしも、隠岐島前高校のように地域と協働する必要はないと思っています。

その土地にある企業と協働するなどのように、高校の特色を生かせるものを取り入れるように考えることもできると思っています。」と教育魅力化推進協議会の大野さんが話していました。

通う生徒の雰囲気も学校によっては異なるので、無理に軸を合わせる必要はないんだと感じました。また、教育という観点からでなくても、進路に活かせる考え方だと学びになりました。



教員、卒業生、地域から見た魅力化


3コマ目では、実際に隠岐島前高校に通っていた私を含む4人の卒業生による発表でした。

はじめの自己紹介では、隠岐島前高校に入学してよかったこと・後悔したこと、高校時代に夢中になったことについて話をしました。

私は、学校と地域が協働されているおかげで、大人への礼儀や関わり方を一段と学ぶことができ、一歩先に社会に出ているような、たくさんの学びがありました。隠岐島前高校では、社会に出る前の経験数を高める取り組みが多かったように感じています。

卒業生の4人にはそれぞれ年齢差があるため、学年によって隠岐島前高校のシステムが変わっていることに、教育魅力化の歴史の流れを感じました。隠岐島前高校では来年度から新たに地域共創科が作られるようになり、日々高校に変化が訪れていることを実感します。

▼新学科である地域共創科について



マグネットカフェ


最後に参加者全員で議論したいテーマを持ち寄り、対話をするマグネットカフェが行われました。「人を巻き込む力をつけるには」というテーマや「魅力化とは」など、様々なテーマがでていました。

私は4人グループになり、「大人の島留学」というテーマで、隠岐島前高校の島留学から大人の島留学へと発展した経緯、私が参加した理由などを話しました。

私は、高校生のころの島の過ごし方と、大人の島留学として過ごす日々に大きな違いがあると感じています。地区にある家で暮らすことで、地域の方との距離が近くなり、寮ではないリアルな島の暮らし方を知ることができました。

離島で暮らしてみて、不便すぎることもなく、ご近所づきあいや島のイベントに参加する平穏な日々が島にたくさんあることを知りました。

地区の運動会の様子

大人の島留学を島根大学のみなさんにお伝えすることができてよかったです。また、自分と同世代の学生のみなさんや、教育関係のみなさんと議論をする機会はなかなか持てないので、自分の意見と比較できる環境をこれからも大切にしていきたいと思いました。


おわりに


発表する側として集中講義に参加してみて、気づいたことが2つあります。

1つ目は、本音で話すこと。

本音ってすごくパワーがありますよね。普段の会話ではともかく、私は人前で本音で話すことには少し抵抗がありました。相手に求められている話がしたいからです。

でもこの会場では、たぶん求められていることは本当の気持ちなんだろうなと感じました。本音で語っていない話は、なんならフィクションみたいなものですね。聞いてくださったみなさんがどう感じていただけたのかはわかりませんが、できるだけ自分の気持ちに素直に話すことを心がけました。

2つ目は、自分の経験を話す機会を大切にすること。

当時高校生だった自分がどんな気持ちだったのか、今の自分と比べるきっかけになりました。

例えば「高校を卒業してから、大人の島留学という制度を使って島に帰ってきた理由は?」という問いをいただき、改めて自分が島に帰ってきてしたかったことを考えられ、ハッさせられました。

話す側として集中講義に参加しましたが、自分の選択した行動に疑問を持ち質問を投げかけてくれる機会は特別なことだと感じました。

また、大学を休学して大人の島留学に参画している私にとって、同世代のみなさんと話ができる貴重な時間でもありました。

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講義に参加されたみなさん、機会があればぜひ海士町に遊びにきてくださいね!


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