小料理暮らし|5.そら豆としらすのご飯
春先から段々と売り場に並ぶ野菜の色が更新され、いかにも柔らかそうな若緑色のそら豆を手に取ると、新しい季節の到来を実感します。
くせになるほっくりとした香りと柔らかい食感が持ち味のそら豆にしらすを組み合わせたごはんは、味付けは最小限に、そら豆の色を鮮やかに残して仕上げるのが私好みのおいしさです。
そら豆としらすのごはんの材料(2合分)
⒈ごはんを炊きます。
お米を白米と同じように水加減して、日本酒、塩を加えて炊飯します。
⒉そら豆を茹でます。
そら豆はさやから出して、薄皮に切り込みを入れます。
フライパンまたは小鍋に、少なめの水(1カップ目安)と塩(小さじ1/3程度)を入れて中火にかけ、沸いたらそら豆を入れて蓋をして2〜3分蒸し茹でにします。ザルに上げて、冷めたら薄皮をむきます。
⒊具材をのせて蒸らします。
ごはんが炊き上がったら、すぐに米の上にそら豆としらすをのせて、10分ほど蒸らします。
⒋できあがりです。
ごはんが蒸れたら具材を混ぜ込み、できあがりです。
notes
✓そら豆は、茹でる前に薄皮に切り込みを入れておくと、火が通りやすく、茹でた後に皮がむきやすくなります。「お歯黒」と呼ばれるへこんだ部分を狙うと、中の豆が傷つきにくくきれいに皮がむけます。
✓そら豆は、ごはんと一緒に炊き込まずに、別に茹でておいて後でごはんと合わせると色鮮やかで美しい仕上がりになります。蒸らした時に丁度良くなるように、やや硬めに茹でておくのがコツです。
炊き上がりに加えてごはんと一緒に蒸らせば、ほくほくとしたやさしい香りが十分に行き渡ります。
しらすの塩気を生かして、味付けは風味付けの酒とごく少量の塩のみ。
一口頬張ると、そら豆らしい甘い香りとしらすの海の香りが合わさって鼻に抜け、噛めばほくほくとした豆のおいしさを、しらすの旨みと塩気が引き立てます。具材は炊き込んでいないので、そら豆もしらすもしっとりふっくら。
そのおいしさに、艶やかなそら豆を愛でる間もなくするするとお腹におさまってしまうのですが、それでも初夏の若々しい緑色はご馳走の一部。短い季節の「出会いもの」、見て香って味わって、余すところなく愉しんでください。(出会いもの/同じ頃に旬を迎える山と海のものを組み合わせた料理の呼び方です。)
それでは今日はこのへんで。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
お読み頂きありがとうございます。 これからもおいしいお料理とおいしいお酒をたくさんお届けします。