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二人のためのレシピ|9.若鶏のフリカッセ

12月の食卓によく似合う、家で手軽に作れるフランス料理「若鶏のフリカッセ」。フリカッセとは生クリームを使った白いソースでお肉を煮込む料理のことで、材料の数も手数も少なめでシンプルなのに、しっかり込み入った味わいのする素敵な一皿です。

小麦粉とバターのホワイトソースとはひと味違う生クリームのリッチなコクは、それだけでもうご馳走感がたっぷり。
料理に少し使った白ワインを次はグラスに注ぎ、温かな一皿と共に静かな時間を愉しみましょう。

今、心にいるその人とご一緒に、ぜひどうぞ。

若鶏のフリカッセ【材料】 2人分

・鶏もも肉…1.5枚(450g)
・玉ねぎ…1個(200g)
・マッシュルーム…5個(100g)
・オリーブオイル…10g(大さじ1弱)
・白ワイン…50cc
・水…50cc
・生クリーム…100cc
・塩、こしょう…適量

フライパン一つで作れる手軽さが嬉しいフリカッセですが、コクのあるその味わいは立派にフランス料理の味がします。煮込み料理にはまずブイヨンが必要、白いソースだから焼き色をつけてはいけない、といった定説を時に一度忘れることもおいしさのためには重要です。


若鶏のフリカッセの作り方

1.玉ねぎは繊維に沿って5mmの薄切り、マッシュルームは石づきを取り6〜7mmの薄切りにします。
鶏もも肉は4〜5cm角に切り、両面に軽く塩、こしょうを振ります。煮込むとやや小さくなりますので、鶏肉は少し大きいかなと思うくらいに切っておくのがコツです。

フライパンにオリーブオイルを中火で温め、鶏肉の皮を下にして並べます。
一度入れたらあまりいじらずに2〜3分そのまま焼き、皮目においしそうな焼き色が付いたら裏返して、裏面も色が変わる程度にさっと焼いて一度取り出します。

フリカッセは「白いソースの煮込み」なので、材料にあまり焼き色を付けないようにするのが基本ですが、お肉の焼き色から生まれる香ばしさは最高の調味料にもなります。ここでしっかりお肉に焼き色をつけ、それを煮汁に溶け込ませて旨味として生かしましょう。

2.同じフライパンに、玉ねぎとマッシュルームを入れて炒めます。しんなりしてきたら少し火を弱め、玉ねぎが透き通り甘い香りがしてくるまで、3〜5分ゆっくり炒めます。

きのこは、しめじやエリンギなど他の種類でも構いませんが、マッシュルーム特有の香りと見た目はそれだけで西洋料理の雰囲気にしてくれる頼りになる食材です。

3.鶏肉をフライパンに戻し、中火にして白ワインを加え煮立てます。しみ出した鶏のエキスも全て加えてください。
水、生クリームを加え混ぜ合わせたら蓋をして、フツフツと静かに沸き続ける火加減で15分程煮込んでいきます。

このお料理で重要なことは、くれぐれも水を使い過ぎないこと。

「煮込み」と聞くと、たっぷりの出汁やスープが必要と考えがちですが、柔らかい鶏もも肉なら短時間で煮上がりますから、特にこのフリカッセでは少なめの水分で煮ることがおいしさの秘訣。生クリームのコクが薄まることなく、素材の持ち味だけで十分に濃厚で特別感のある煮込みに仕上がってくれます。

煮込んでいる間、盛り付けるお皿も温かい場所に置いて温めておくと、煮込み立ての熱々をそのままに食べられますよ。

4.煮込み時間が経ったら、味見をして塩2つまみ程度で味を整えて完成です。
煮汁がまだサラサラしていたら、蓋をせずにとろみがつくまで少し煮詰めてください。

白ワインとパンと一緒に、また、バターライスやピラフを添えればもちろん食事としても愉しめます。
バターライスは、温かいごはんに少量のバターを混ぜ込んだ簡易なものでも、おいしさは十分です。彩りにパセリがあれば、もう言うこと無し。

生クリームのなめらかなコクは贅沢ながらも、白ワインの酸味がきいて重さがなく、優しい味わい。油分のあるお料理は冷めにくく、ゆっくりとした時間を愉しむのにぴったりです。カロリーのことは、また明日考えましょう。

それでは今日はこのへんで。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

お読み頂きありがとうございます。 これからもおいしいお料理とおいしいお酒をたくさんお届けします。