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小料理暮らし|7.とうもろこしの醤油揚げ

果物のような甘さとジューシーさにいつも驚く夏のとうもろこし。
一粒ずつ一列ずつ外しながら自分のペースで食べるのはとうもろこしならでは醍醐味ですが、ひと技加え包丁で板状に切り出して揚げてみると、気の利いた小料理の雰囲気へと変わります。

醤油風味の衣にくぐらせ揚げ始めると、高温で加熱された醤油の香ばしさと甘い香りが辺りに漂い、作る過程にもおいしさを感じる期待が膨らむ一品です。

とうもろこしの醤油揚げの材料(2人前)

・とうもろこし…1本
・片栗粉…適量
・サラダ油(揚げ油)…適量

〈醤油衣〉
・薄力粉…30g
・マヨネーズ…10g
・冷水…40g 
・醤油…5g

・お好みでバター

⒈とうもろこしを加熱し、冷やします。
とうもろこしをラップで包み、電子レンジ600Wで5分を目安に加熱します。そのまま冷まし、粗熱が取れたら冷蔵庫でよく冷やします。

⒉とうもろこしを板状に切ります。
冷えたとうもろこしの長さを3〜4等分に切り、縦に置いて、芯と実の間に包丁を入れて実を板状に切ります。片栗粉をバットに広げてとうもろこしの粒を上に並べ、全体にまぶします。

⒊衣を作ります。
フライパンの底から2cm高さ程度の揚げ油を中火で温めます。〈醤油衣〉のマヨネーズ、冷水、醤油をボウルでよく混ぜ合わせてから、薄力粉を加え軽く混ぜます。

⒋できあがりです。
打ち粉をしたとうもろこしを〈醤油衣〉にくぐらせ、断面を下に油に入れます。30秒ほど揚げて下側の衣が固まったら裏返し、合計1分ほど揚げ、衣に硬さが出たらできあがりです。

こちらも甘味のあるスナップエンドウを同じ衣で揚げて合わせました。バターのコクを添えると味わいに奥行きが加わります。


notes

このお料理は3つのポイントがあります。1つ目は、とうもろこしを加熱後一度完全に冷やすこと。包丁で板状に切り出すときにバラバラになりにくくなります。その上で、芯が四角く残るように、とうもろこしの板が4枚ずつできるよう丁寧に切ってみてください。

2つ目は、衣の前に打ち粉(片栗粉)をしっかり付けることです。断面には厚めにしっかり粉を付け、表の面は余分な粉をハケなどで払って薄付きにすると、粒が浮き立って、とうもろこしらしい揚げ上がりになります。揚げている途中でバラバラになったり、粒の破裂を防ぐため、打ち粉はぜひ念入りに行ってください。

3つ目は、揚げ油の量と温度。油はとうもろこしを入れた時に表面から出ない深さを用意し、やや高めの温度(中温目安、衣を落とすと途中まで沈んで浮き上がってくる位の温度)で揚げることによって衣が早く固まり、形を保ったままきれいに揚げることができます。


揚げ立てを一口かじると、甘い甘い豊かな汁が口いっぱいに広がります。衣に加えた醤油とマヨネーズのほのかな塩気に持ち味の甘味が一層際立ち、一口目の濃厚な甘さにきっと驚かれると思います。

衣のおいしさをまとった揚げとうもろこしは、炒めて作るコーンバターとはまた一味違う、ビールによく合う一品に。水分が多い夏の素材の揚げ物は、熱々のうちに揚げたそばからぜひ召し上がってください。

それでは今日はこのへんで。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。


お読み頂きありがとうございます。 これからもおいしいお料理とおいしいお酒をたくさんお届けします。