すずきおときち

見切り発車はお手の物。音楽・映画や写真のことと、日々雑感。

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最近の記事

映画レビュー#018 『浅田家!』(2020年)

もう何年も前、ひと昔もふた昔も前のことだけど、社会人となり初任給でフィルムカメラを買ったのを思い出した。 母親が家族写真を撮るのが大好きで、子供の頃は本当に恥ずかしくて嫌だった。どこに行っても「はい、そこに立って」って言われて写真を撮られ、「もういいよぉ」って思っていたのを思い出した。 小学校低学年の頃まで、当時の家の近所にあった写真屋さんに行って、家族写真を撮ることがあった。七五三のようなイベントだけでなく、特にコレという理由がなくても年に1回ぐらい写真屋さんに行ってい

    • 今年の桜は誰と見たっけな。

      aikoの新曲「ハニーメモリー」の配信が始まった。楽しみにしてた。 前作の「青空」が一聴してすぐ「おぉ!これは大好き!」ってなったのに比べ、今作「ハニーメモリー」は繰り返し聴けば聴くほど、じわじわと好きになってくる感じ。 aiko。デビューぐらいからほぼリアルタイムで知っている。でも昔は本当に「知っている」だけで、熱心に聴いたりしていなかった。ずっと気になる存在ではあったけど。なんか常に視界の端にいるような感じで。 アルバムも『桜の木の下』や『夏服』などは買ったけど、それ以

      • 映画レビュー#017 『ミッドナイトスワン』(2020年)

        予告編を観てからずっと気になっていた映画。予告編の時点で草彅剛が草彅剛に見えなかったので。 これは観に行って良かった。ちょっとやられた。 広島の実家にはカミングアウトせず、新宿のショーパブで働くトランスジェンダー女性の凪沙(草彅剛)。その凪沙の従姉妹の娘・一果(服部樹咲)はネグレクトで保護され、凪沙の元へ短期間預けられることになり、共同生活が始まる。 新宿という大都会が舞台なのに、まるで世界の隅っこにひっそり暮らしているような2人。 あぁこれはまいったな。思い出しながら

        • 映画レビュー#016 『ブラック・クランズマン』(2018年)

          「この映画はマジでリアルな話がベースだ」 コロラドスプリングス警察署で初の黒人警察官として採用されたロン・ストールワース(ジョン・デヴィッド・ワシントン)。署内でも白人警官からの差別的な扱いを受けるなか、KKK(クー・クラックス・クラン)への潜入捜査に取り組む。 KKKのメンバー募集広告を見て自ら電話をかけ、あれよあれよというまに入会面接へ。さぁどうしよう。自分が行くわけにいかないよね?そこで先輩刑事フリップ・ジマーマン(アダム・ドライバー)が身代わりになって潜入することに

        映画レビュー#018 『浅田家!』(2020年)

          映画レビュー#015 『TENET テネット』(2020年)

          劇中の台詞にも「頭で考えるな、感じろ」とあったけど、まさにそれがメッセージで、それを見た瞬間にいろいろ考えるのやめた。 シートに深く腰掛け、目の前のスクリーンで起こることをそのまま受け止めた。Don't think,Feel.もう身も心も委ねるしかないし、それが楽しい。 150分もあった?あっという間だった。 「え?どういうこと?」って途中で考えると振り落とされそうなので、あまり考えすぎず、感じるままに。 もう1〜2回ぐらい観たい。 時間の進み方。順行と逆行。何が起きてい

          映画レビュー#015 『TENET テネット』(2020年)

          映画レビュー#014 『僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46』(2020年)

          「みんなで手を繋いで崖の上に立っている。一人が落ちたらみんな落ちちゃう。」 石森虹花が言ったこのコメントが全てだと思う。 脆く危うく儚い。私はそこに魅力を感じているのも事実。 『Documentary of 欅坂46』だけど『Documentary of 平手友梨奈』でもある。「僕たちの嘘と真実」の「僕」とは何なのか。各曲の主人公である「僕」なのか。スタッフ・運営側の大人たちを指す「僕」なのか。 2017年12月31日、NHK紅白歌合戦で「不協和音」をパフォーマンスする

          映画レビュー#014 『僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46』(2020年)

          映画レビュー#013 『オフィシャル・シークレット』(2018年)

          事実:実際に起こった、または在する事柄。 真実:うそや飾りのない、本当のこと。まこと。 (岩波国語辞典) イラクー大量破壊兵器があるはずだー戦争。 事実に基づく物語。ブッシュ(息子)大統領やブレア首相を見て、久しぶりに声を聞いて「うわー」ってなった。特にブッシュの声。 イラク戦争はもちろん知っているし、全てではないにせよ開戦までの流れは一応覚えているけど、イギリスでこんなことが起きていたのは知らなかった。 キャサリン・ガン事件。 イギリスの諜報機関GCHQに勤めるキャサリ

          映画レビュー#013 『オフィシャル・シークレット』(2018年)

          映画レビュー#012 『パンとバスと2度目のハツコイ』(2017年)

          「好き」という気持ちの置き場所探し。 『愛がなんだ』の今泉力哉監督作品。と書いているが、まだ『愛がなんだ』も観ていないので、今泉監督作品は初鑑賞。 深川麻衣がかわいいのは置いといて、これは好きな作品。 説明的な台詞・モノローグがほとんどない。だけど、動きは少ないが情報量の多い画と、ちょっとした仕草や目の動き、会話の間合いなどでほぼ全てが伝わる。観ているこちらが行間をちゃんと想像できる作り方がとても好き。 これは今泉力哉監督の特徴なのかな?『愛がなんだ』『アイネクライネナハ

          映画レビュー#012 『パンとバスと2度目のハツコイ』(2017年)

          映画レビュー#011 『ザ・ビートルズ EIGHT DAYS A WEEK‐The Touring Years』(2016年)

          ザ・ビートルズが好きか? これは私にとって「白米が好きか?」と同じような質問。好き・嫌いではない。 別にザ・ビートルズ至上主義ではないし、むしろ中学・高校生の頃は嫌いで敬遠してた(理由は私の父親にザ・ビートルズを勧められたからw)。 でも時が経ち様々なジャンルの音楽を聴くようになり、改めて聴いたりするとザ・ビートルズはやはりすごいなぁと。奇跡だな、と。 思わず自分の娘にも「ザ・ビートルズ聴きなよ」って言いそうになるが、そこはグッとこらえてる。まぁ好きでいてくれてるけど。

          映画レビュー#011 『ザ・ビートルズ EIGHT DAYS A WEEK‐The Touring Years』(2016年)

          映画レビュー#010 『グッバイ、リチャード!』(2018年)

          ステージ4の肺癌で余命180日と宣告された大学教授・リチャード(ジョニー・デップ)。さあ残りの人生をどう生きるか…。 ジョニー・デップの映画久しぶりに観た。しかも普通のジョニー・デップ。『ニック・オブ・タイム』ぐらいしか記憶にないぞ、普通のジョニー・デップ。しかも今回はおじさんジョニー・デップ。いいぞ。 91分しかなかった?もっと長く感じるぐらい(つまらないとかではなく)いろいろなテーマが盛り沢山。 不倫やLGBTQから友情とか、さらに大学の文系問題とかも。 ちなみに9

          映画レビュー#010 『グッバイ、リチャード!』(2018年)

          映画レビュー#009 『万引き家族』(2018年)

          万引きは犯罪です。 いちいちそんなことを言わなくてはいけないぐらい、「万引き」という言葉には変な作用がある。 窃盗であるのことは違いないのに、「ちょっと」悪いことみたいなニュアンスが生まれる。 あれ?何を書こうとしたんだっけ?? いままで一度も観たことがない是枝監督作品。観たこともないのに先入観やイメージだけでアレコレ言うのも良くないし、今作についても気にはなる存在だったので鑑賞。 途中、なんども諦めそうになったけど、なんとか最後まで観た。 万引きなどの犯罪行為が良い悪

          映画レビュー#009 『万引き家族』(2018年)

          映画レビュー#008 『ニュー・シネマ・パラダイス』(1989年)

          「もう20年もキスシーンを見てないぞ」 見逃してる名作シリーズ。 いちばんの「大衆娯楽」として映画が存在していた時代。 手を叩き足を踏み鳴らし声を上げる。今じゃ考えられないけど。 じゃあ観てないのかっていうとそんなことはなく、きっと今の自分よりもっとちゃんと映画を観てるんだろう。 シネコンじゃなくて映画館っていいな。 子供の頃、母親に連れられて行った映画館を思い出す。 学生時代、映画好きを気取って古い単館映画館に行ってたのを思い出す。気取ってって言っても、映画好きだった

          映画レビュー#008 『ニュー・シネマ・パラダイス』(1989年)

          映画レビュー#007 『13th 憲法修正第13条』(2016年)

          アメリカの人口は世界の人口の5%だが、受刑者数は世界の25%を占める。 人種差別反対という声をあげるだけでなく、「なんでこんなことになった?」と考え、原因やきっかけとか、その一歩先を知ること、少しでも深掘りすることで、さらなる理解が深まると思う。 アフリカ系アメリカ人の大量投獄、黒人が犯罪者として逮捕されやすいということに関するNetflixオリジナルのドキュメンタリー映画。 あ、あと刑務所ビジネスなどについてか。 一生涯のうち投獄される可能性。 白人男性の場合17人に

          映画レビュー#007 『13th 憲法修正第13条』(2016年)

          映画レビュー#006 『千と千尋の神隠し』(2001年)

          「一度あったことは忘れないものさ。思い出せないだけで。」 『千と千尋の神隠し』 『風の谷のナウシカ』 『もののけ姫』 『ゲド戦記』 この4本がリバイバル上映されているということで、どれを観るか娘と相談し、『千と千尋の神隠し』を劇場で鑑賞してきた。 2001年の公開時も劇場で観たし、その後もテレビなどで観たのを含めて今回で4回目(劇場では2回目)。 娘はテレビでしか観たことないけど3回目。ただし劇場では初。 前週に劇場で観た『ベイビー・ドライバー』と同じように、劇場で観る

          映画レビュー#006 『千と千尋の神隠し』(2001年)

          映画レビュー#005 『思い、思われ、ふり、ふられ』(2020年)

          口にしてしまうと終わってしまうこともあれば、口にしないと始まらないこともある。 劇場で予告編を見るたびに浜辺美波を目で追ってしまっていたから。 それと、こういうタイプの映画って劇場で観たことがないから。 そんな言い訳しながら観てきた。 もっとこうキラキラしていて、あぁ青春だなオイ!っていう映画かと思っていたのだが、そういう感じでもなかった。 恋愛模様も一つの要素といった具合で、夢や希望、なりたい自分、自分で選ぶことができない親のせいによる不条理とか。 確かにキュンとする

          映画レビュー#005 『思い、思われ、ふり、ふられ』(2020年)

          映画レビュー#004 『キャロル』(2015年)

          ケイト・ブランシェットの美しさと、ルーニー・マーラの可愛らしさにため息をつきながら見とれているうちに終わってしまった118分。 1950年代のニューヨーク。まだまだ同性愛など性的マイノリティへの理解もない時代。デパート販売員のテレーズ(ルーニー・マーラ)と人妻キャロル(ケイト・ブランシェット)はクリスマスプレゼントの販売や手袋の忘れ物などきっかけに急接近するのだが…。 ただ偶然にも出会った二人が女性同士だった、っていうだけ。本当にそれだけのこと、って言いたくなるぐらいに自

          映画レビュー#004 『キャロル』(2015年)