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適応障害になっても仕事を続けることはできるのか?【部署異動や時短勤務の相談を!】

本日もお疲れ様です。

こぺです。

職場で強いストレスを感じ続けた時、適応障害と診断されてしまった時、あなたはどのように考えますか?

恐らく多くの人が

・我慢して働き続ける
・転職を考え始める
・退職してしまおうと思い出す

といったような考えに至るのではないでしょうか。

事実僕も、新卒で入社した証券会社ではストレスを覚えながらも、「もっと頑張らなきゃ」と思っていました。

適応障害を発症した際は、一刻も早く辞めて転職することばかり頭に浮かびました。

これらが間違いであるとは一切思いません。

ただし、同じストレス下で働き続けるのは心身に大きな負担をかけますし、後先考えない転職や退職は後悔してしまうケースも多いでしょう。

そして意を決して転職や退職しても、根本的な解決には繋がらないこともあり、新たなストレス下で僕のように適応障害を再発させてしまうリスクがあります。

もし今いる会社でストレスを軽減したり避けたりすることができ、仕事を続けられるのであれば、それも選択肢の一つには入れておくべきです。

この記事が「現職を今すぐにでも辞めてやろう」と考えているあなたの参考になったり、改めて「今の職場は離れよう」と思うきっかけになったりすれば幸いです。

適応障害になったのに同じ会社で仕事を続けるメリットはあるのか?

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冒頭をお読みいただき、「どうしてわざわざ適応障害を発症した会社で仕事を続ける必要があるの?」と頭を悩ませている方も多いでしょう。

しかし、実際に同じ会社で仕事を続けることができれば、そこには下記のような大きなメリットがあります。

◆焦って転職活動を考える必要が無くなる
◆自分の意外な適性が見つかるかも
◆仕事を続けられたという大きな自信になる

それぞれ一緒に見てまいりましょう。

◆焦って転職活動を考える必要が無くなる

適応障害が明確な外部要因によって引き起こされており、一般的にはそのストレス要因から離れると症状が和らぐと言われています。これについては知っている方も多いのではないでしょうか。

そのため適応障害になると、とにかく環境を変えるために転職活動を急ぐ方が多い印象を受けます。(僕自身も転職することしか考えなかったです)

確かに転職は環境を一新できます。

しかし、どれだけ情報収集をしても転職先にどんなストレスが待ち受けているかは、実際に働いてみないと分かりません。

そのため、転職が根本的な解決に繋がらない場合も大いにあります。

まずは同じ会社内でストレスを軽減し、仕事を続けることが可能かどうか検討するといいでしょう。

もし部署異動や仕事量の見直しなどで症状が改善され、続けられるのであれば、焦って良くない状態での転職活動が必要なくなります。

加えて、転職先でも再発といった事態も避けられるため、まずは同じ会社内で解消する方法がないかどうか、上長や産業医、人事担当者を通じて検討しましょう。

◆自分の意外な適性が見つかるかも

適応障害というのは、現在の環境に適応できず、ストレス過多な状態となって引き起こされてます。そのため同じ会社で仕事を続けるには、少なからず環境の調整が必要になってきます。

その代表的なものとして、部署異動があります。

こういった環境の変化があなたの適性にフィットした場合、ストレスを軽減させるだけでなく、今まで発揮できなかった能力が大きく開花するかもしれません!

未経験職種で他社に転職する難易度の高さを考えると、社内での部署異動は積極的に考えてもいいのではないでしょうか?

◆仕事を続けられたという大きな自信になる

適応障害を患ってしまった方は、その環境が合わなかっただけだと、頭では理解していても、「自分が甘えているだけでは?」とか「能力が足りていないのでは?」と不安になり、ご自身をネガティブに捉えてしまいがちです。

しかし、周囲の協力を得ながらでも、同じ会社で仕事を続けることができれば、それは必ず自信になります。

小さな成功体験を積み重ねることで、自分にもできるというポジティブな感情を手に入れられれば、きっとその先も適応障害とも向き合いながら仕事を続けていくことができます。

適応障害の人が同じ環境で無理に仕事を続けるリスク

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上記で同じ会社で仕事を続けることのメリットをお伝えしました。

ただ一点、注意して欲しいのは「同じ会社=同じ環境」ではありません。同じ環境下でストレスに晒されながら仕事を続けることには当然リスクが伴います。

うつ病など他の精神疾患と大きく違う点として、適応障害には明確な外部要因があります。そのため、原因となったストレス要因からできるだけ早く離れることで症状を緩和させることが必要です。

しかし、そのストレス要因を取り除けないまま仕事を続けることで症状は慢性化します。回復にも更に多くの時間を要することになるでしょう。

また適応障害と診断されても、5年後には40%以上の人がうつ病などの診断名に変更されているというデータもあり、適応障害は決して軽視していい病気ではありません。
参考:厚生労働省 知ることからはじめよう みんなのメンタルヘルス

そのため、症状が悪化している状態で無理に仕事を続けることは避けてください。心身の回復を第一に考え、休職という形で休養期間をしっかりとって、再び仕事ができる土台を作ることが最優先です。

企業側も、部署異動などの環境調整を即座に行うのは難しいと思いますので、休職制度を利用するのも前向きな手段であると認識していただけると幸いです。

現在のご自身の状態を主治医の先生としっかりと話し合い、決めていきましょう。

以上で同じ会社で仕事を続けることと、同じ環境で仕事を続けることの違いは理解していただけたでしょうか?

つまり、同じ会社で仕事を続けるために必要になってくることとは、「環境調整」です。

ここからはその環境調整にはどのような方法があるのか、そしてどうやって実現すればいいのかをお伝えしていきます。

異動などの環境調整で適応障害でも仕事を続けることはできる!

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同じ会社で仕事を続けるための環境調整には様々な方法があります。その中から、あなたのストレスを軽減できる可能性のあるものを4つご紹介させていただきます。

①部署異動
②時短勤務
③業務量及び業務内容の見直し
④直属の上司の変更

それぞれ一緒に見ていきましょう。

①部署異動

同じ会社内で転職と同様の効果が望める環境調整です。企業の規模が大きければ大きいほど、部署ごとに全くカラーが異なり、別会社で働いているような気持ちになるでしょう。

例)営業現場からバックオフィス(人事・総務)など

このような部署異動は、業務内容だけではなくあなたを取り巻く人間関係まで一新できます。これまでの業務内容、人間関係のどちらもストレス要因だった場合、最も効果的と言えます。

②時短勤務

 勤務時間を短縮することで、ストレスに晒される時間を自然と減らすことで、ストレス軽減の効果を期待します。恐らく、下記の③にあるような業務量の負担は、時短勤務になることで見直されるはずです。

ただし、人間関係に起因するストレスの場合は時間が短くなってもストレスは大きいままでしょう。

そのため、業務の量や労働時間そのものが大きなストレス要因となっている場合に効果的だと言えます。

問題点としては、これまで責任感の強さから長時間労働や大量の業務を抱えてきた方にとっては、大きな罪悪感や自責の念といったものが新たなストレスとなる可能性も否定できません。

周囲の理解と協力はもちろん、そして時短勤務をするご自身が、今後のための前向きな施策であることを十分に理解する必要があるでしょう。

③業務量及び内容の見直し

これまであなたが当たり前だと思っていた業務量も、ご自身の負担になっているのではないか、再度考えてみましょう。

業務量の多さが、残業や小さなミスを引き起こす原因となっていれば、それは大きなストレスになり得ます。

あなたにとって処理が可能な量、適切な難易度のものかどうか検討し、そうでなければ業務量やその内容を見直してもらうよう、上長に相談しましょう。

いきなり処理可能な範囲を超えての業務はストレスになるだけです。できることから段階を踏んでレベルアップしていきましょう。

④直属の上司の変更

人間関係のストレスとして、最も近くで指導してくださる上司との関係というのは多く挙げられるでしょう。週5日ある仕事の中の大半をその方の指導のもと行う場合、その関係性は非常に重要です。

僕自身、前職現職ともに直属の上司が合わずに萎縮してしまい、日々顔を合わせることや、メールのやりとりだけでも大きなストレスを感じていました。

そういった場合は、さらに上の役職の方に相談してみましょう。

人間関係に相性があるのは当然なので、相談してみると意外とすんなり受け入れられるケースが多いです。

ただし、部署異動ほどの大きな変更ではないので、その上司と全く関わらなくなるといったことはあまり期待できません。その辺りは、個人の感じ方の差もあるので、ご自身の状態に合わせて相談するといいでしょう。

以上①~④を環境調整の代表的なものとしてご紹介させていただきました。

③、④のような比較的容易に行える調整であれば、上長への相談だけで済む場合もあるでしょう。ただ①、②のような大掛かりな調整に関しては、主治医の先生からの診断書を要する場合があります。

もし、提出を求められたら、主治医の先生にその旨を伝え診断書を発行してもらいましょう。

【注意】
ただし、これらはあくまでも外部環境を調整する手段にすぎません。適応障害は、外部要因と内部要因が複雑に絡み合い、そのバランスには必ず個人差があります。そのため、環境を調整したからといって、全員が100%適応できるというわけではありません。

そういった場合は、カウンセリングなど認知行動療法を通じてご自身の思考に柔軟性を持たせたり、同様のストレスを受け流せるような訓練を積む必要があるでしょう。

部署異動や時短勤務を実現するには勇気を出して相談しよう!

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上記のような環境調整をしていただくためには、どうしても一つだけ、あなたが勇気を振り絞ってしなくてはならないことがあります。

それがこれまで何度も出てきた、「相談」です。

なんだそんなことかとお思いの方も多いかと思います。しかし、適応障害を患ってしまう方はこの「相談」ができずにストレスを抱え込んでいるケースが多いです。

僕も前職の証券会社では、会社へ足を運べなくなり、ようやく相談することができました。

ただ、それでは遅すぎました。

あなたも「自分のやらなきゃいけない仕事だから」とか「みんなも同じくらい大変だから」と考え、中々自分が苦しんでいることを職場の人に相談できていないのではないでしょうか?

適応障害の診断を受けていることすら伝えられずに、苦しいまま大量の業務を抱え込んでいませんでしょうか?

そのまま続けてパンクしてしまえば、あなたの回復が困難なものになるのはもちろん、会社側にだって迷惑をかけます。

責任感の強さや罪悪感から相談ができないという方には、あなたが抱え込むことのリスクの大きさを認識していただき、ぜひ上長や産業医、人事担当の方に相談するという一歩を踏み出していただきたいと思います。

適応障害でも異動させてくれない、時短勤務ができない場合は?

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勇気を相談すれば、100%あなたの希望の働き方は実現されるのでしょうか。残念ながらそうとは言い切れません。

会社側もあなた一人のために組織構造を動かせない場合があったり、わざわざ平易な業務を生み出すことはなかったりします。

また規模が小さな会社であれば、どれだけ工夫してもストレス要因と離れるのが難しい場合があると思います。

適切な対応がされない(できない)など、あなたの労働環境が変わることがなさそうな場合には、無理してその会社で働き続ける必要はありません。

転職や、退職することも頭に入れておきましょう。

あなたが適応障害を患ったこと(休職をしたこと)は、紛れもない事実として残ります。しかし、それを乗り越えようとしたことも、あなたが残した功績として立派に残ります。

どうにか環境を変えようとしたことは、転職活動の際に評価されるでしょうし、「それでもダメだったから転職する」というのは、前向きな理由にもなります。

重大な決断をする前に、適応障害でも仕事を続ける方法があると知ろう

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ここまで述べてきたように、適応障害でも様々な方法で環境を調整すれば、仕事を続けられる可能性があります。

部署異動や時短勤務など、あなたがストレスと感じるものから距離を取る方法は沢山あります。

強い抑うつ状態では、人は判断力が鈍ります。適応障害になった勢いそのままに転職や退職をしてしまうのは、後悔する可能性も大いにあります。

また、あなたが今いる環境は合わなくても、会社の全てが悪いかどうかは分かりませんよね。

「相談する」

あなたに必要なのはこの一歩の勇気だけです。それを踏み出せれば、環境が劇的に変わるかもしれません。仕事を続けることができるかもしれません。

大きな一歩ではありますが、ダメだったら転職なり退職すると思えば、微々たるものです。まずは今の環境であなたにできることをやりましょう。

適応障害でも仕事を続けるにはその土台があることが大前提

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最後になりますが、仕事を続けるには、その土台となる心身の健康状態が整っていることが大前提です。

適応障害の症状(抑うつ感、睡眠障害、不安、動悸など)が酷ければ、絶対に無理せずに休養をとりましょう。服薬で症状を抑えながら無理をし続けても、その反動は全て自分に返ってきます。

ちょうど上のジェンガが一気に崩れるようなイメージです。

そうなった後に会社は守ってくれません。あなたが本当に壊れてしまう前に、自らアクションを起こし、利用できる制度はしっかりと使いましょう。

この記事では、「同じ会社で仕事を続ける」というテーマで書いていきましたが、これが「転職する」であっても「フリーランスになる」であっても考え方は変わりません。

最終的にあなたを守れるのはあなたのみです。

あくまでも周囲ができることは援助までなので、その認識を持って、一番に守るべきご自身のことを最優先に考えましょう。

最後に説教じみた物言いで不快にさせてしまったら大変申し訳ございません。ただ、僕は心からあなたが輝ける環境を見つけられること、そしてストレスフリーな日々を過ごせることを祈っています。

どうかご自愛ください。
お読みいただき本当にありがとうございました。

では、また(^^)/

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