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宝石伝説 (ニュー・カルト・ブックス)


宝石伝説 (ニュー・カルト・ブックス)

 宝石にまつわる神話や伝説が、集められた本です。

 二〇一四年現在では、類書がたくさん出ていますね。パワーストーンなどのブームが起こったためでしょう。
 けれども、本書が出たのは、一九八九年です。当時、類書は、無きに等しい状態でした。本書は、宝石の伝承を集めた本として、貴重な資料でした。
 二〇一四年現在でも、宝石の伝承を調べるには、使えます(^^)

 本書では、ダイヤモンド、エメラルド、ルビー、サファイア、水晶、翡翠【ひすい】について、章が立てられて、解説されています。
 これら以外に、もっとマイナーな宝石についても、取り上げられています。第一章の「誕生石物語」の中で、まとめて紹介されています。

 以下に、本書にあるマイナーな宝石名を、挙げておきましょう。
 ブラッドストーン、サードオニックス、インカローズ、クリソプレース、マラカイト(孔雀石)、ローズクォーツ(紅水晶)、トパーズ、シトリン(黄水晶)、アゲート(瑪瑙【めのう】)、ムーンストーン(月長石)、アクアマリン、アンバー(琥珀【こはく】)、ターコイス(トルコ石)、ラピスラズリ(瑠璃【るり】)、アメシスト(紫水晶)、スギライト、オニックスなど。

 残念ながら、本書には、欠点が一つあります。
 「伝承」と、「事実」とが、はっきり区別して書かれていないことです。どこまでが「事実」で、どこからが「伝承」なのか、非常にわかりにくいです。

 このために、満点は付けられません。
 宝石に関する「歴史的事実」を知りたいなら、本書以外の本をあたって、確認しましょう。

 以下に、本書の目次を書いておきますね。

誕生石物語
 星座と守護石
 生まれ星座の守護石はバビロニアで始まった
 宝石には惑星のパワーが凝集している
 七つの惑星は十二の星座を守護する
 十二星座名はギリシャで命名された
 生まれ月の誕生石はユダヤの風習から始まった

ダイヤモンド伝説
 ダイヤモンドをめぐる国際的陰謀
 ダイヤモンドの価値を決める4つのC
 ダイヤモンドの歴史はインドで始まる
 かつてダイヤモンドは最高の毒薬だった
 古代インドのダイヤモンド獲得作戦
 千五百年前の日本に伝わった幻のダイヤモンド
 神に呪われたホープ・ダイヤモンド
 男嫌いのダイヤモンド、コーイヌール
 ナポレオンが愛したダイヤモンド、リージェント
 ロシア革命を招いた巨大ダイヤモンド、オルロフ
 史上最大のダイヤモンド、カリナン

エメラルド・ルビー・サファイア伝説
 エメラルドは「愛」のパワーを増強する
 ルビーは戦士に不死身のパワーを与える
 サファイアは神の叡智を授ける

水晶伝説
 呪術師たちは水晶を使ってマインド・トリップした
 水晶の薬が古代中国で服飾革命をおこした
 かつては日本も水晶王国だった
 水晶頭蓋骨の謎はいまだ解かれていない
 アメシストは恋人を呼ぶ宝石である
 クリスタル・ムーヴメントは古代のよみがえりである
 水晶の六面体は自然界の秩序の表われである
 クリスタル・トリップして静寂に出会う

ヒスイ伝説
 ヒスイ文化は緑の信仰とともに始まった
 ヒスイは縄文呪術の中核をなしていた
 ヒスイの原産地が日本列島にあった
 縄文人は竹でヒスイに穴をあけた!
 古代文化の華「勾玉」も始めはヒスイで作られた
 勾玉は出雲王国の神器だった
 勾玉文化は大和朝廷によって潰滅【かいめつ】させられた

あとがき



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