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遣唐使 (岩波新書 新赤版 1104)


遣唐使 (岩波新書 新赤版 1104)

 遣唐使について、全般的に、わかりやすく解説した本です。

 遣唐使について知りたいなら、まず、本書を読むことをお勧めします(^^)
 本書を読めば、遣唐使の輪郭を知ることができます。

 遣唐使の前段階に当たる遣隋使から、最後の遣唐使に至るまで、順番に取り上げています。計画だけで終わった遣唐使についても、解説されています。
 本書を読み通せば、おのずから、遣唐使の歴史をなぞることになり、その歴史的意義も見えてきます。

 類書は、ありそうで、ありません。遣唐使について、初心者にもわかりやすく解説した本は、とても少ないです。
 本書は、貴重な資料です(^^)

 遣唐使は、日本文化を形成するうえで、極めて重要な役割を果たしました。
 日本人なら、遣唐使について、知っておいたほうがいいと思います。本書は、そのために、とても良い手引きになります。

 以下に、本書の目次を書いておきますね。

はしがき

序章 遣唐留学生の墓誌
 日本人留学生の墓誌発見/墓誌を読む/井真成【せいしんせい】とは何者か/
 入唐【にっとう】の方法をめぐって/唐から見た井真成/望郷の念への共感/
 真成の死とその後

第一章 遣隋使から遣唐使へ
 正式な国交・交流の時代/最初の遣隋使/アメタリシヒコとは誰か/
 日出づる処の天子/敬意表現に変わる倭の国書/仏教文化を求める/
 憲法十七条と仏教/外交使節としての遣唐使を考える/
 など

第二章 長安・洛陽への旅
 旅程とコース/北路――新羅道の時代/南路――五島列島を経由する/
 「南島路」は存在しなかった/船の編成・使節の権限/陸路、洛陽・長安を目指す/
 天平四年使節の場合/遣唐使船と住吉の神/遣唐使船の停泊地/夏の出発/
 など

第三章 海を渡った人々
 遣唐使のメンバー/選び抜かれた人物たち――使節/公私の通訳たち/
 遣唐使船を操る船員たち/遣唐使を助ける各種の技手/
 さまざまな分野の技術研修生/空海は薬生【やくしょう】だった/
 など

第四章 往来した品々
 『延喜式』に見る朝貢品リスト/工芸品ではなく素材を朝貢/「出火水精」とは何か/
 現物貨幣としての輸出品/日本に伝わった唐の文物――「ブックロード」/
 膨大な漢籍と仏典が伝わる/留学者の選択による写本/
 など

終章 日本文化の形成と唐文化
 遣唐使の廃止をどうとらえるか/外来文化受容の画期/
 自らのフィルターで濾過して摂取する/派遣空白期の対中交流/
 文化の選択的受容とは/「開かれていた日本」なのか

あとがき

引用・参考文献
遣隋使・遣唐使年表

索引



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