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ハンガリー民話集


ハンガリー民話集

 ハンガリーの民話を集めた本です。ハンガリー民話の中でも、よりすぐりが集められているそうです。
 読んでみて、それは、本当だと思いました。ハンガリー民話、面白いです!

 民話には、だいたい、パターンがあります。
 「見るな」と言われたものを必ず見てしまうとか、お姫さまを救った勇者が、お姫さまと結婚するとか、そういうパターン、たいていの方は、覚えがありますよね?

 ハンガリーの民話も、他のヨーロッパ民話と、共通するパターンを踏まえています。
 が、それだけではありません。パターンを外したものも、出てきます。そこが、面白いんですね(^^)

 これは、ハンガリー人が、現在のハンガリーの地に落ち着くまで、長い旅をしてきたからだと考えられています。
 ハンガリー人は、自称では、マジャール人といいます。マジャールの民は、もともと、モンゴロイドです。遠い東のアジアからやってきた、フン族が、マジャール人の先祖です。

 今でも、マジャールのルーツに関わる要素が、民話の中に残っています。アジア的要素があるのですね。
 それに加えて、周囲のヨーロッパ人から得た要素もあります。スラヴ民族系の要素が見られます。
 おかげで、ハンガリーの民話は、豊かな要素を抱えて、一定のパターンに収まらない面白さを持つようになりました(^^)

 巻末の解説に、このあたりの事情が、書かれています。
 とはいえ、最初は、解説を読まなくてもいいでしょう。少々、難しいからです。
 民話を読んで、ハンガリーについて、詳しく知りたくなったら、ぼちぼち、読めばいいと思います。

 以下に、本書の目次を書いておきますね。

凡例

I
 1 底なしの泉
 2 靴をはきつぶす王女たち
 3 怪物王女
 4 ブルゴーは悪魔
 5 森の葉かげで生まれた子ども
 6 ラドカーン
 7 伯爵と従僕のヤーノシュ
 8 死の婚約者
 9 ベチャーロシュ
 10 小馬
 11 ナジ・ヤーノシュの物語
 12 天までとどく木
 13 地獄のかま焚き
 14 花髪の男
 15 明けの明星
 16 グリフィン
 17 力持ちのヤーノシュ
 18 二人の金髪の若者
 19 夢見る若者

II
 20 マーチャーシュが王になる
 21 老人は人生をどのように分けたか
 22 マーチャーシュ王と星占い
 23 マーチャーシュ王と若者
 24 マーチャーシュ王はどんな贈り物をしたか
 25 金を払わないと葬式をしてくれない坊さんとマーチャーシュ王
 26 アラニュ・ジャーダ
 27 美男ヤーノシュ
 28 燭台猫のマターン

III 
 29 井戸掘り
 30 セーケイのかみさんと悪魔
 31 ものぐさな嫁
 32 勘定は誰が払う?
 33 親父より利巧な息子
 34 呪われた修道士
 35 ふざけ小僧
 36 ジプシーの弁護士
 37 王さまになったジプシー
 38 靴屋
 39 犬と狼の会話
 40 狼と少女
 41 九羽の雌鶏と一羽の雄鶏
 42 ミソサザイと熊
 43 黄色い鳥

原注
ハンガリーの民話  オルトゥタイ・ジュラ
訳注

オルトゥタイについて
『ハンガリー民話集』関連地図
『ハンガリー民話集』関連地名対照表
あとがき



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