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西洋中世奇譚集成皇帝の閑暇 (講談社学術文庫 1884)


西洋中世奇譚集成皇帝の閑暇 (講談社学術文庫 1884)

 中世のヨーロッパで流布されていた、奇譚【きたん】=不思議な話を集めた本です。

 中世ヨーロッパで、どんなことが語られ、信じられていたのか、本書を読めば、わかります(^^)
 中世ヨーロッパに興味がある方ならば、必読でしょう。日本語で読める類書は、ほとんどありません。

 現代日本人が読めば、違和感がある話が、少なくありません。キリスト教的教訓が、鼻につくこともあるでしょう。何しろ、中世ヨーロッパの話ですからね。
 でも、だからこそ、中世ヨーロッパという異世界に、目を開かれることもあります(^^)

 全部で、百二十九の話が集められています。
 これらの話の中には、現代では、科学的に説明が付けられるものもあります。逆に、現代では、まったくあり得ない―ほら話に過ぎない―とわかっているものもあります。
 一見、ほら話のように見えても、じつは、説明がつく話もあります。

 「この話は、どこまで本当なのかしら? 説明するとしたら、どんな説明が付けられるかしら?」と、考えながら読めば、いっそう楽しめると思います(^^)

 以下に、本書の目次を書いておきますね。



第一章 磁石
第二章 アグリジェントの塩
第三章 雪花石膏【せっかせっこう】
第四章 エジプトの無花果【いちじく】の樹
第五章 生長して灰に帰するペンタポリスの果物
第六章 月の満ち欠けにしたがう石
第七章 三つの賜物【たまもの】
第八章 フルクトゥアールムの墓地
第九章 カミッサの窓
第一〇章 ル・ピュイの家々
第一一章 派と果実を同時にふんだんにつける胡桃【くるみ】の樹
第一二章 肉市場の腐らない肉
第一三章 ヴェルギリウスの庭と青銅の喇叭【らっぱ】
第一四章 さかさ空豆とその効用
第一五章 ポッツォリの浴場
第一六章 奸計を許さない穴あき岩
第一七章 司教ヨハネスと死者の魂
第一八章 地獄の門の幻視
第一九章 アウェルヌス湖
第二〇章 夜警を拒む塔
 (中略)
第一〇九章 「貞潔羊」と呼ばれる樹
第一一〇章 エジプトの牧草地
第一一一章 モーセの器用さとかれが作った彫刻
第一一二章 ヨセフの遺骨とかれの仔羊
第一一三章 ケルビム(智天使)とかれらの姿
第一一四章 胸牌【きょうはい】の石
第一一五章 角の生えたモーセの顔
第一一六章 火の蛇
第一一七章 ヘブロンの野と十字架の部分
第一一八章 パンフィリアの海
第一一九章 モーセと聖カテリーナそして福音書記者ヨハネの墓
第一二〇章 狼になった男たち
第一二一章 キマイラとシビュラ
第一二二章 レントゥスクラ谷
第一二三章 樹から生まれる鳥
第一二四章 どんな動物にも食べられない葡萄【ぶどう】
第一二五章 牧場の草が刈られる時期に現れる泉
第一二六章 甲状腺腫【こうじょうせんしゅ】患者を癒す水
第一二七章 忽然と消えふたたび姿を現す泉
第一二八章 二つの泉
第一二九章 汚れたものを一切許さない泉

訳註
訳者解説
参考文献



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