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知りたいアジアの仏像と法具


知りたいアジアの仏像と法具

 『知りたい!!アジアの仏像と法具』という題名ですが、アジア全般について載っているわけではありません。
 事実上、チベットとネパールについての本です。編集が「ネパール手工芸協会」だからでしょう。

 チベットも、ネパールも、仏教が盛んな地域ですね。これらの地域の文化を知ろうとするなら、仏教を避けて通れません。チベットやネパールの文化入門としても、使える本です。

 内容は、図が多く、読みやすいです。人によっては、「解説が簡単すぎる」と思うかも知れません。でも、初心者向けとしては、このくらいの量でいいと思います。

 少しだけ、気になるのは、解説の一部に、「間違いでは?」と思える箇所があることです。このために、評価の星を付けるなら、満点とは行きませんね。
 けれども、これは、私の勘違いかも知れません。そもそも、宗教の説には、異説が多いです。どれが正しくてどれが間違いとは、はっきり言えないことが多いです。

 似た題名の本として、『アジアの仏像と法具がわかる本』というのが出ています。編集も、出版社も、『知りたい!!アジアの仏像と法具』と同じです。
 二冊を読み比べてみました。内容は、まったく同じと言っていいです。

 『~わかる本』のほうは、『知りたい~』の新装版のようです。内容はほぼ同じですから、入手しやすいほうを選べばいいと思います。

 以下に、『知りたい!!アジアの仏像と法具』の目次を書いておきますね。
 一部に環境依存文字があります。字化けして見える方もいるかと思いますが、御容赦下さい。

一、仏教とヒンドゥー教
 仏教
  小乗仏教(上座部仏教)
  大乗仏教
  金剛乗仏教
 ヒンドゥー教

二、儀式の法具
 アグニ(火)
 アンクシャ(鈎)
 アクシャマーラ(数珠)

 など、四十七の法具の紹介

三、姿勢と台座
 座法
  アルダパルヤンカーサナ 丁字立【ちょうじだ】ち
  ヴァジュラーサナ 金剛座【こんごうざ】

  など、七つの座法を紹介

 ムドゥラー
  アバヤダーナ ムドゥラー 施無畏印【せむいいん】
  ブーミスパルシャ ムドゥラー 触地印【しょくじいん】

  など、七つのムドゥラーを紹介

四、仏教とヒンドゥー教の男神と女神たち
 アーディブッダ(本初仏)
  ダルマカーヤ・サマンタ・バドゥラ 法身普賢【ほっしんふげん】
  ヴァジュラ・ダラ 持金剛【じこんごう】

  など、四仏を紹介

 ブッダ(仏陀)
  シャーキャムニ 釈迦牟尼仏【しゃかむにぶつ】
  ニルヴァーナ・ブッダ 涅槃像【ねはんぞう】

  など、四仏を紹介

 パンチャ・ブッダ(金剛界五仏)
  マハーヴァイローチャナ 大日如来【だいにちにょらい】
  アクショービャ 阿閦如来【あしゅくにょらい】

  など、五仏を紹介

 菩薩
  アミターユス 無量寿菩薩【むりょうじゅぼさつ】
  アヴァローキテーシュヴァラ 観音菩薩【かんのんぼさつ】

 など、二十の菩薩を紹介

 守護尊【しゅごそん】(イダム)
  カーラ・チャクラ 時輪仏【じりんぶつ】
  グヒャサマージャ 阿閦金剛【あしゅくこんごう】

  など、五尊を紹介

 男性忿怒尊
  ヴァジュラ・パーニ 金剛手【こんごうしゅ】
  チャンダ・マハーローシャナ 不動明王【ふどうみょうおう】

  など、六尊の男性忿怒尊を紹介

 女性忿怒尊
  ナイラートゥミャー 無我女【むがにょ】
  ヴァジュラ・ヴァーラヒー 金剛猪女【こんごうちょにょ】

  など、七尊の女性忿怒尊を紹介

 デーヴァ(天/神様)
  ブラフマー 梵天【ぼんてん】
  インドゥラ  帝釈天【たいしゃくてん】

  など、八柱の神々を紹介

 デーヴィー(女天/女神様)
  ラクシュミー 吉祥天【きっしょうてん】
  サラスヴァティー 弁財天【べんざいてん】

  など、五柱の神々を紹介

 人
  マハーシッダ 大成就者【だいじょうじゅしゃ】
  パドゥマ・サムバヴァ 蓮華生【れんげしょう】
  ミラレパ
  ツォンカパ

 その他
  シヴァ
  ナタラージャ(ダンシング・シヴァ)

  など、十一から十八の神格を紹介

五、護符
 オーム マニ ペ メ フーム 観音六字咒真言【かんのんろくじじゅしんごん】
 アシュタマンガラ 八吉祥【はちきっしょう】
 ナムチュワンデン

付録
 瞑想法
 法具の使い方



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