愛はさだめ、さだめは死
SF小説の短編集です。
SFらしい、凝った設定や、奇妙な味わいの話ばかりです。
SF初心者には、ちょっと難しいかも知れません。
あと、わかりやすいハッピーエンドを期待する方には、不向きです。後味が苦い作品が多いです。
けれども、SF好きの方には、とてもお勧めです(^^)
どの作品も、SFらしいSFです。素晴らしい発想が、はじけています。
「接続された女」なんて、これが一九七〇年代に書かれたとは、到底、思えません。元祖サイバーパンクといわれる所以【ゆえん】が、わかります。
本書の中の作品では、私は、「接続された女」、「男たちの知らない女」、「断層」が好きですね(^^)
表題作の「愛はさだめ、さだめは死」は、読みにくいです(^^;
ヒトではない生き物の話なのですが、その生き物が、具体的にどのような姿をしているのか、想像しにくいからです。外見について、あまり詳しく描写されていません。
でも、生き物の生態に詳しい方ならば、逆に楽しめると思います。未知の生物の生態が、興味深いからです。
他に、「アンバージャック」や「乙女に映しておぼろげに」は、読んだ後に、「???」となるかも知れません。意味が取りにくいからです。
どの作品も、題名の訳し方のセンスが、抜群ですね(^^)
本書の題名が、「愛はさだめ、さだめは死」でなかったら、日本(のSF界)で、こんなに有名な本にはならなかったでしょう。
短編集なので、すべてを順番に読む必要はありません。気になる作品だけ、拾い読みでも、充分です。
気に入った作品が、一つでもあれば、入手して読む価値はあるでしょう。傑作ぞろいなのは、間違いありません(^^)
以下に、本書の目次を書いておきますね。
ティプトリーとはだれ、はたまた何者? ロバート・シルヴァーバーグ
すべての種類のイエス
楽園の乳
そしてわたしは失われた道をたどり、この場所を見いだした
エイン博士の最後の飛行
アンバージャック
乙女に映しておぼろげに
接続された女
恐竜の鼻は夜ひらく
男たちの知らない女
断層
愛はさだめ、さだめは死
最後の午後に
解説/大野万紀
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