月に歌うクジラ (ちくま文庫)
動物に関するエッセイ集です。
著者のダイアン・アッカーマン氏が、本当に動物を好きなことが、伝わってきます(^^)
アッカーマン氏は、ただの動物好きではありません。詩人でもあります。
それだけに、言葉の使い方が美しいです。動物の魅力を、言葉によって、見事に伝えてくれています。
本書には、動物たちの生態が、緻密に描かれています。
とはいえ、難しいところはありません。魅惑的な文章に惹かれて、読み進んでしまいます。
本書に載る動物は、一般的に好かれているものばかりとは、限りません。
恐れられたり、忌み嫌われたりしやすい動物も、取り上げられています。コウモリや、ワニがそうですね。
アッカーマン氏の筆致からは、これらの動物にも、敬意を持っていることがうかがわれます。それは、クジラやペンギンに対するのと、同じ態度です。
多くの人が、ある動物を「かわいい」と思うかどうかは、アッカーマン氏には、関係ないのですね。実際、「かわいい」かどうかは、命の価値には、関係ありません。
どの動物にも、畏敬に値する命が宿っています。そのことを、思い起こさせてくれる本です。
動物好きの方にはもちろん、動物好きでない方にも、読んで欲しいです。
動物好きでなくとも、アッカーマン氏の文章には、人の心を動かすだけのものがあると思います。
以下に、本書の目次を書いておきますね。
序
INTRODUCTION
魅惑のコウモリ
IN PRAISE OF BATS
ワニは踊り、夢を見て
THE EYELIDS OF MORNING
月に歌うクジラ
THE MOON BY WHALE LIGHT
宇宙にいちばん近いペンギン
WHITE LANTERNS
訳者あとがき
解説 野生動物のいのちの深さ 大岡 玲
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