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魔法少女の系譜、その95~『タイムボカン』、主に訂正~


 今回も、前回に続き、『タイムボカン』を取り上げます。
 前回の『タイムボカン』の話で、訂正すべき所がありました(^^; 申し訳ありません。

 『タイムボカン』の二人の主役、丹平と淳子との関係についてと、この二人が、戦闘少年/少女であるかどうかについてです。

 まずは、丹平と淳子との関係について。

 物語の設定では、丹平が十三歳の中学一年生、淳子が十歳の小学五年生となっています。このくらいの年頃ですと、三歳差、しかも、中学生と小学生とでは、身体的にも精神的にも、ずいぶん差があるはずです。
 けれども、実際にアニメを見てみると、この二人に、そんな年齢差があるようには見えません。同い年くらいに見えます。
 淳子が大人っぽくて、丹平が子供っぽいんですね(笑) 子供っぽく暴走しそうになる丹平を、淳子がたしなめることも、多いです。

 結果として、丹平と淳子とには、立場の上下がなく、対等になっています。

 丹平は、タイムマシンを作るほどの天才科学者、木江田博士の助手です。中学一年生にして、そんなことができるのですから、彼も、天才少年です。
 でも、彼には、わかりやすい弱点もあります。「美少女に弱い」のです。淳子も美少女なので、淳子の言うことは聞きますが、他の美少女にも、なびいてしまいます。そのために、何回も、危機に陥ります(笑)

 もちろん、「お兄さん」らしく、丹平のほうが、淳子を慰めたりすることもあります。消えたお祖父ちゃん(木江田博士)がなかなか見つからず、気弱になっている淳子を、丹平が励ます場面などがあります。なぜか、この場面が、私の印象に残っていて、記憶の中で、丹平の「お兄さんらしさ」が、強調されてしまっていました(^^;

 丹平と淳子とは、友情以上、恋愛未満の関係です。お互いに、明らかに相手のことが好きですが、恋愛の一歩手前くらいの感じです。色っぽい場面は、ありません。十三歳と十歳ですから、妥当なところですね(^^)

 次に、丹平と淳子とが、戦闘少年/少女であるかどうかについて。
 前回、丹平と淳子とが、戦わずに、マージョ、グロッキー、ワルサーの三人組から逃げ回っているだけだと書きました。あれは、間違いです。

 丹平と淳子とが乗るタイムマシン「タイムボカン」は、タイムマシンでありながら、戦闘機能も持ちます。マージョたちのほうも、タイム・ガイコッツというタイムマシンを持っており、こちらも、戦闘機能を持ちます。
 ほぼ毎回、タイムボカンとタイム・ガイコッツとで、戦闘になります。そして、毎回、マージョたちのほうが負けます(笑)

 こうして書くと、「なんだ、普通のロボットアニメじゃないか」と思う方がいるでしょう。確かに、『タイムボカン』は、ロボットアニメから、多大な影響を受けています。ロボットアニメの一種に分類されることもあります。

 しかし、多くの場合、『タイムボカン』は、『タイムボカンシリーズ』という、独自のジャンルに分類されます。その大きな理由は、ロボットが、ヒト型をしていないからです。『マジンガーZ』に始まる、二足歩行のヒト型巨大ロボットではありません。

 丹平と淳子とが乗る「タイムボカン」は、正確には、タイム・メカブトンという名が付いています。名のとおり、カブトムシ型をしています。
 タイム・メカブトンは、テントウキという小さな偵察機と、ヤゴマリンという小型潜水艇とを乗せています。テントウキは、テントウムシ型、ヤゴマリンは、ヤゴ(トンボの幼虫)型をしています。

 物語の後半になると、新たに、タイムマシン2号機のタイム・ドタバッタンと、タイムマシン3号機のタイム・クワガッタンが登場します。タイム・ドタバッタンはバッタ型で、タイム・クワガッタンは、クワガタムシ型です。
 タイム・ドタバッタンには、シャクトリン(シャクトリムシ型)とヘリボタル(ホタル型)の、二つの艦載機があります。タイム・クワガッタンには、ダンゴロリン(ダンゴムシ型)と、ビーチクリン(ハチ型)の、二つの艦載機があります。

 このように、多彩な形のロボット、といいますか、メカニックが登場するのが、『タイムボカン』の特徴です。ダンゴロリンだけは、昆虫でない節足動物ダンゴムシがモデルですが、あとは、全部、昆虫がモデルですね。

 マージョたち悪玉トリオも、丹平と淳子の向こうを張って、毎回、タイム・ガイコッツを改造してきます。こちらは、ウシ、カエル、コブラなど、昆虫以外の動物がモチーフになったメカです。

 これらの多才なメカの活躍が、毎回、楽しいのですよ(^^) この点こそが、『タイムボカン』がヒットした、大きな理由だと思います。

 丹平と淳子とは、自身は、何の超常能力ももたない、普通の人間です。特に喧嘩が強いわけでもありません。それが、これらの「超常的メカ」に乗ることによって、超常的な力を発揮し、マージョたちと戦います。
 広い意味では、戦闘少年/少女と言えますね。

 今回は、ここまでとします。
 次回も、『タイムボカン』を取り上げます。




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