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コロナ禍だからこそ実現!1,400人を動員した大規模オンラインイベントの運営ノウハウ

リアルイベントの中止が相次ぐ昨今。
大規模な大会運営を実施してきた私たちもまた、
例年の活動を断念することを余儀なくされました。

そんな状況下で、オフライン→オンラインへの移行を目指し、1,400人を動員した対戦ゲームの大会が開催されるまでの過程と独自のノウハウを公開します。

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みなさんこんにちは。『逆転オセロニア』のアシスタントプロデューサーをしています、まなてぃといいます。オセロニアチームに入って2年半、コミュニティ施策(イベント等)を中心に、イベントやSNSの企画などを担当してきました。

『逆転オセロニア』では、リアルイベントの開催・運営に力を入れてきました。イベントを通して、「オセロニアン」と呼ばれるファンの方々とたくさん会うことができ、ゲームの発展にも寄与してきたと自負しています。

しかし皆さんご存知の通り「新型コロナウイルス」の影響によりリアルの場で多くの人が集まるイベントを実施することが、とてもではないですが出来ない世の中になってしまいました。『逆転オセロニア』でも当初予定していた2020年度の計画は全て白紙となりました。

そんな状況でも、どうにかして人と人との関わりを感じられるイベントを、お届けしたいと考え模索してきました。その試行錯誤のなか、2020年10月〜12月にかけて、「オセロニアンダブルス」という2対2のオンライン大会を実施することができました。

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そこで、大きな役割を果たしたのがオンライン会議システム「Zoomミーティング(以下Zoom)」です。実際にオセロニア運営でも日常的に会議などで利用しているほか、大学のオンライン授業やテレビ番組などでも利用されているのを目にしている方もおられると思います。

Zoomを駆使した「オセロニアンダブルス」は、オセロニア史上最大の参加数となる大規模オンライン大会となり、このコロナ禍の中で行えるイベントとして現時点でできる全てを出し切ったと思っています。

「オセロニアンダブルス」とは?
・全8回のオンライン予選 (全国決勝はスタジオからの配信にて実施)
・2人ペアで協力しながら対戦を進める2 on 2大会 (オンラインなので、ペアは全国の誰と組んでもOK)
・動員人数 述べ1,400人 (各回最大200人動員)

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オセロニアンダブルスの面白さは、「参加者同士の協力プレイ」。その体験を生み出すために、大きな役割を果たしたのがオンライン会議システム「Zoomミーティング(以下Zoom)」です。実際にオセロニア運営でも日常的に会議などで利用しているほか、大学のオンライン授業やテレビ番組などでも利用されているのを目にしている方もおられると思います。

今回のイベントでは、オンライン形式の大会の中で、ペアで協力しながら対戦を進めるという新しい体験を作り出すために、Zoomの通話や画面共有機能などを使用した形で実施しました。

オセロニアンダブルス説明パート(スライド).009

Zoomを駆使した「オセロニアンダブルス」は、オセロニア史上最大の参加数となる大規模オンライン大会となり、このコロナ禍の中で行えるイベントとして現時点でできる全てを出し切ったと思っています。

このnoteでは、その試行錯誤のプロセスを余すところなく紹介していきたいと思っています。「オンラインイベントってどうしたらいいんだろう…」という方にとって、このnoteが何か1つでもヒントになれば嬉しいです!

1. 「オフラインイベント」から「オンラインイベント」へ

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日本でのコロナの状況が刻一刻と変化する中、「オセロニアンの祭典 4th Anniversary」(周年イベント)で実施を発表したファンミーティング「オセロニアンの宴」や、その年のNo.1プレイヤーを決める公式大会「オセロニアンの戦」などの準備を進めていたものの、沢山の人が集まらざるを得ない「オフラインイベント」の実施は、3月の時点で難しいと判断しました。

しかし、普段オフラインのイベントをたくさん実施しているからこそ、オンラインになったせいで体験がスケールダウンしてしまうことは、容易に想像できます。そこで課題となったのが「オフラインイベントの体験を、オンラインで届けるにはどうすれば良いか」という事です。

幸いにも「けいじぇい杯」というオンライン大会の配信を毎週開催していたことで、オンラインで大会を開くことがオセロニアンの皆さんにも喜んでもらえる施策であることは知っていました。そこで発想の転換で、「オフラインイベントの体験を、オンラインで届けるにはどうすれば良いか」ではなく「オンラインだからこその体験ができる大会にしよう」という方針が決まりました。

その後決まったのが2人でコンビを組んで対戦する「オセロニアンダブルス」という大会形式です。その企画意図など詳細は、今回の施策を担当したみさきちの記事(以下リンク)にありますので是非、読んでみてください!

いきなり大型のオンラインイベントを実施するのは、リスクが高いと感じ、5月〜9月はトライアルとして中規模の大会を、テーマを持ってひたすら実施していきました。

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2.「ゲームアプリ × Zoom」で実現!大会進行とプレイヤーとのコミュニケーション

オンラインで大会を実施すると決めた当初、様々なゲーム専用の大会ツールや配信ツールを試したり、他のゲームタイトルや他エンタメの事例を見たり、ゲーム内の機能など、既存のものを駆使する方法を色々考えていました。でも、どれもしっくりこず……。

結果、オセロニア運営でも日々の業務で使っているオンライン会議システム「Zoom」と「ゲームアプリ」の組み合わせで実施するのがいいのではというアイデアが出ました。

「Zoom」をコミュニケーション手段として利用すると決定した大きな理由は、以下の3点です。

・オンライン会議のように、オセロニアンの皆さんと運営スタッフとのコミュニケーションが言葉で行えること。
・仕事や業務で利用されているツールであり、オンライン授業などでの利用の実績もあり学生さんを含む幅広い人にも馴染みがあること。
・自分のスマートフォンの画面を他者に共有しながらずっと会議にオンライン状態でいられる「画面共有」の機能や、ブレイクアウトルーム(※後述)など、大会で使える機能や設定が多くあること。

ここから怒涛の「ゲームアプリ × Zoom」のトライアル & エラーがスタートしていきます。実は、5月〜9月に実施した施策は、大型オンライン大会へのスケールを見据えた上で、設計・実施しています。その中で課題を見つけ、次の施策では改善策をとった上で検証し、ブラッシュアップしていきます。

実際に検証していった具体例を紹介します。

・そもそも参加者の方にZoomに集まってもらい、スタッフの説明と共に対戦を進めることはできるのか?
・ブレイクアウトルーム内で対戦をうまく進行させることはできるのか?
・大会の配信のために画面共有を収録することができるのか?
・カメラONにして、自宅から生配信で参加いただくことは可能なのか?
                         などなど……

検証をしてわかったことはいろいろありました。

・Zoomに入室さえしてもらえれば、参加者とコミュニケーションをとりながら大会を進められる(逆に全選手とすぐに話せるようにしておきたい)
・ブレイクアウトルームをうまく使うと、クローズドの場としてコミュニケーションを取ることができる
・画面共有を録画し編集することで、配信するための動画を作ることができる
・インタビューや、カメラを繋いでの動画出演なども、機材を準備すれば実施ができる

もちろんトラブルも発生します。実際に発生した事例です。

・そもそもZoomの入室方法がわからない
・入室してもZoomの操作方法がよくわからない
・音声でのコミュニケーションが取れると思っていたが、マイクなしの端末を使用している方もいる
・参加者の使用しているスマートフォンの関係で画面共有するとアプリもZoomも落ちてしまう場合がある

トラブルは改善の糧!トライアルとしてオンライン施策を繰り返していく中で、最初は不安で仕方なかったZoomでのコミュニケーションや機能、大会実施形式、Zoomだけでは足りない部分などを具体的に考慮することができ、やがて「これはいけるな」という形が見えてきました。

3. オンラインイベントをスケールさせる

様々な施策を実施した結果「オセロニアンダブルス」の運営スキームが決定しました。この最大の特徴は、「ゲームアプリ × Zoom」で担保できない機能を補う「大会システム」です。

note_座組み

もともとオセロニアの大会では、大会運営のための独自のシステムがありました。対戦の組み合わせをスイスドロー方式でマッチングさせるものです。これを改良し、「ゲームアプリ × Zoom × 大会システム」の3つのツールをプレイヤーが使いながら、予選を進行してもらうことになりました。

大会システムが持っている機能は、大まかに以下となります。

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・次の対戦相手が誰なのかわかる機能
・対戦相手が試合の準備がととのったのかわかる機能
 (相手に準備完了を伝える機能)
・対戦相手のユーザーIDをコピーする機能
 (アプリで特定の相手と対戦するにはそのIDを入力する必要があります)
対戦の勝敗を自動的に取得し表示する機能
・自分の現在の順位を表示する機能
・スタッフにヘルプを求める機能

これらの機能を利用することで、参加者自らが対戦の開始から終了までを行えるようになっています。運営スタッフが、参加者の全ての対戦につきっきりにならずに済むというわけです。

予選1日の参加可能人数は100組200人と決めました。これ以上の人数になるとヘルプやサポートを行うスタッフが対応しきれなくなり、ホスピタリティが担保できないと判断したからです。その代わり予選は8回実施し、多くの方に参加していただけるようにしました。

それでは、ここからは予選実施の際の具体的な設定などの紹介をさせていただきます。

①Zoomの設定

まずは、Zoomのセッティングを細かく調整する必要があります。
とにかく大事なことは

「参加者がアクションを起こさなければならない事を
可能な限り減らすこと。」

ボタンを押す回数や操作を1つでも少なくすることを意識して、Zoomの設定を構築していきました。

■事前設定

・待機室の設定が必要
(誰が会議に参加しようとしているのか確認し個別にメインセッションへの入出を許可することができます)
・入室直後の基本設定をカメラオフ、マイクオフにしておく
・参加者全員が画面共有をできるようにしておく
(メインセッションでは運営が先に画面共有をしているので他の人が画面共有をすることはできないので安心です)

ZoomにログインするためのURLは、上記の設定を済ませて大会に最適な状態にした上で発行します。

Zoom設定には様々な機能があり、また定期的に変更が入ります。(我々もイベント直前の新しい機能追加に慌てたりもしました…) なので、設定ページを定期的に確認し、上から全ての設定を定期的に確認することで、「あ、この機能使えるかも」という発見があったり「これちゃんと設定しないと!」と気付けたりするので、おすすめです。

以下、例)

▼待機室
直接Zoomにスムーズに入室して欲しい場合はOFF、入室タイミングなどをコントロールしたい場合はONにすることで、ホスト・共同ホストの許可が入室に必要になる

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▼ホワイトボード
ONにしておくと、参加者の方が自由に画面上にお絵かきが出来てしまうので、OFFがおすすめ。

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▼プライベートチャット
個別対応が必要なければ、OFFでも良い。

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また、当日は参加者が入場するまでに、ブレイクアウトセッションの準備も必要です。

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<ブレイクアウトルームの設定>
・参加者分の部屋を準備(今回のイベントでは、オペレーション観点でブレイクアウトセッションの名前を選手番号と合わせました)
・選手が部屋を移動できるようにするか(今回の場合は移動NG)
・ブレイクアウトルームを開いたら、強制的に移動するようにするか(今回はいどうできるようにする)

■当日のオペレーション

オセロニアンダブルスの予選は、最大100組(200名)の選手が参加します。チーム毎にブレイクアウトルームを制作するのですが、最大で50部屋までしか作成することができないので、今回のイベントではZoomのホストを2本同時に運用する形で実施しました。

Zoom内の権限には3段階あり、それぞれできることが異なります。そこで、役割に応じて権限を振り分けます。

<Zoom内権限の役割>
▼ホスト全ての権限を持ちます。共同ホスト権限の付与や参加者のコントロール。ブレイクアウトルームの設定もホストで行い、大会の進行に合わせて特定のブレイクアウトルームに参加者を送り込んだり、ルームからメインセッションに移動させたりします。

▼共同ホストホスト以外の運営スタッフが、この権限を付与されます。自由にブレイクアウトルームが移動できるようになるため、参加者からのスタッフ呼び出しに対応することができます。

▼ゲスト大会の参加者です。特別な権限がないまさにゲストです。

イベントがはじまるまでに、権限を整えて準備をします。

Zoomホストが操作することで大会進行のコントロールを行うことが出来ます。
・選手の待機室からの入室許可
・ブレイクアウトルームへの割り振り
・ブレイクアウトセッションのオープン/クローズ
(参加者の移動)
等が主な仕事となります。

ホストの作業を担当する人には、Zoomホストのオペレーションのみに集中してもらいます。誤ってブレイクアウトセッションを閉じる等してしまうと、対戦中にも関わらず全ての選手が合流してしまったり、大事故になりかねないので、必ず専任者をつけることが大切です。

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②LIVE動画の流し方

全参加者があつまるメインセッションでは、画面共有でLIVE形式の映像が流るようにしています。そのLIVEでは、ZoomのチャットをYouTubeのコメント欄のように使用し、参加者が出演者とコミュニケーションをとれるような形にしました。

メインセッションでの音声のやり取りは、全参加者に解禁すると大会進行に滞りがでますし、メチャクチャなことになってしまいますので禁止事項としていました。とはいえ、一方的にイベントを進めるのでは、大会参加の楽しさを体験してもらえないので、チャットをうまく使って選手のコメントなどもキャッチしながら、相互感を強められるような形をとりました。

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細かい点ですが、今回はゲームアプリの入っている端末でZoomに参加してもらうので、映像や説明スライドは全てスマートフォン画面に合わせて、縦長で準備させていただきました。参加層に合わせて、画角を変更いただくのはおすすめです。

メインセッションに流す動画は、選手サポートのスタッフがいる場所とは別スタジオにて実施していました。

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前述の通りメインセッションで流す映像は、Zoomの画面共有を使用しました。「出演者の画面を見失っちゃった…」ということにならないよう、誰の端末でも強制的に表示される画面共有が最適です。

ここでちょっとしたTipsなのですが、Zoomの画面共有をする際、下部の設定に「ビデオクリップに対して画面共有を最適化」という設定があります。

<ビデオクリップに対して画面共有を最適化>
▼最適化する
いい点:映像がなめらかになる。
悪い点:若干画質が落ちる

▼最適化しない
いい点:高画質で画面共有ができる
悪い点:映像がカクカクしてしまう。

と、試行錯誤するなかでメリット・デメリットがあることがわかりました。

イベントの中で流す映像の中には、出演者のトークシーンと、大会ルールなどを紹介するスライドのシーンがあります。この異なるシーンに応じて、イベント内の配信では「ビデオクリップに対して画面共有を最適化する/しない」の設定をスイッチングして投影しました。(制作チーム本当にありがとうございます……) これにより、画面共有のままでも、映像・スライド共に見やすい状態で、画面共有にて配信をお届けすることができました。

③参加者にしていただくこと

大会参加者には、事前にメールにて、当日の「ZoomのURL」と「選手番号」をお送りしています。まず参加者は、Zoomに入室した後に名前の頭に選手番号をつけるというルールを設けました。これが参加者の当日受付となります。

・事前にお送りしたZoomに入室
・Zoomの名前を選手番号に設定

入室するとZoomホストが名前の変更を確認し、次のオペレーションを行います。

・チーム2名の選手が揃ったことを確認し、チーム専用のブレイクアウトルームに割り振り、移動させます。
・運営スタッフがチーム専用のブレイクアウトルームに入室して、部屋番号と選手番号のついた名前が合っているかの確認と、デッキチェック等の大会を開始する前に必要な確認作業を行います。

つまり、参加者はZoomに入室して、Zoomの名前の頭に選手番号をつけるだけで、受付、部屋の移動が自動で完了し、そこに運営スタッフがやってきて確認作業まで済ませることができるのです。参加者の部屋の移動は大会の進行にあわせて、Zoomホストがコントロールするので、参加者にはZoomを起動しっぱなしにしておいてもらえれば、問題は発生しません。

全参加者の受付が終了すれば、Zoomホストが全てのブレイクアウトルームを閉じます。そうすると自動的に参加者が同じメインセッションに戻り、MCの案内でイベントを開始することができます!

以降はイベントの進行に合わせて、

▼メインセッション
 イベントメインステージ。出演者のトークや説明を実施する場所

▼ブレイクアウトセッション
 一緒に出場している選手と2人のみで、コミュニケーションを取れるプライベートな部屋

に選手を自動的に移動させていく形で実施しました。

note_ブレイクアウトセッション操作

ブレイクアウトルームは、参加者の入室前に50部屋全てを事前に設定をしておくと、手間をかけずに移動してもらうことができるので、おすすめです!

イベントの最初に「大会システム」へのログインを行っていただくようアナウンスをします。「ゲームアプリ × Zoom」で担保できない機能を補うあの「大会システム」です。繰り返しになりますが機能は以下のとおりです。

・次の対戦相手が誰なのかわかる機能
・対戦相手が試合の準備がととのったのかわかる機能
 (相手に準備完了を伝える機能)
・対戦相手のユーザーIDをコピーする機能
 (アプリで特定の相手と対戦するにはそのIDを入力する必要があります)
対戦の勝敗を自動的に取得し表示する機能
・自分の現在の順位を表示する機能
・スタッフにヘルプを求める機能

大会のトーナメントやスイスドローシステムも、すでに流通している様々なツールがあり、それらもたくさんテストしたのですが、対戦結果の自動集計や、対戦を成立させるなど、できる限り選手のみなさんの手元で進行いただくための要件を満たすものはなく、リアルイベントで使っていた大会イベントのシステムを改修することになりました。このシステムによって、参加者自らが対戦の開始から終了までを行えるようになっています。

④ヘルプ対応 - 運営スタッフの動き方

円滑な大会進行の要となったのが、参加者のヘルプ対応。普段のリアルイベントであれば、手を挙げてもらったり、声をかけていただければすぐ対応できますが、Zoomの中(さらにブレイクアウトルームの中)の場合は勝手が違います。
・どのようにヘルプを呼んでもらうか
・どのようにヘルプを管理するか
 (対応漏れが無いようにしなければいけない)
を事前に決めておく必要があります。

現場ではこんな感じで、たくさんのスタッフと共に対応していました。

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現場の状況は……ばたばたですね(笑) 普段の大会でも、スタッフが巡回しながら適宜フォローさせていただいているのですが、今回は大会システムがあるとはいえ、複雑なこともあり、選手からのヘルプ要請が多く発生しました。
・対戦の中のトラブル
・対戦の進め方の質問
・一緒に参加している相方がZoomから落ちてしまった

など、問題は様々でした。

なにか困ったことがある時にすぐにスタッフを呼んでもらえるよう、大会システムの中に「スタッフを呼ぶ」というボタンを設置しました。

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このボタンを押すと、選手情報を管理しているページに通知が飛びます。その番号を元に、運営スタッフがブレイクアウトルームへ入室し、ご質問内容の確認等を進める流れで実施しました。居酒屋さんの店員を呼ぶボタンみたいなものですね。

大会システムからのヘルプを準備していましたが、Googleフォームも併用していました。参加者のみなさんに緊急連絡用のGoogleフォームのURLもお伝えしており、問い合わせ内容を記載いただくと、その内容を踏まえた上でブレイクアウトルームに運営スタッフが伺い、お問い合わせ対応をしておりました。

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また、このようにGoogleフォームとSlackのbot機能をリンクさせて、問い合わせが来たことに素早く気付くこともできます!

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Zoom内にもヘルプボタンがあるのですが、この機能ではログを貯めることができないので、「同時に複数のヘルプが発生した時に、ヘルプに正しく対応できたか?」の管理が難しくなっています。なので、大会システムのようにオリジナルのヘルプ機能や、GoogleフォームやSNSなど、Zoom以外でのコミュニケーションを取れるようにしておくのが良いと思います。

4. 実は他にもあるイベント成功の「鍵」

オンラインイベント実施で、実はもっと大切なことがあります。

そのひとつ目は、「事前の体験」です。

「Zoom」にしろ「大会システム」にしろ、大会当日にいきなり使ってくださいといわれても到底それは無理なことです。一度触ってみたり、説明を受ければ、思ったよりも簡単なのですが……。

そこで参加者の「事前の体験」のための準備を、徹底的に行いました。

まずは、Zoomや大会システムの使い方動画を制作して公開。予選の流れを実演するのは、プロデューサーのけいじぇいさん。自分で操作せずとも実際の動きを確認できます。

そして、かなり入念に時間をかけて行ったのが「事前説明会」です。

オセロニアンダブルスに参加された方は、この事前説明会のことはご存知かと思います。できる限り、予選に参加してもらう前に説明会をうけていただきたいということで、参加しやすいタイミングを見つけられるように、土日や平日、昼夜など時間を分けて、全9回実施しました!(予選よりも多い回数です……)

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事前説明会を実施することで、

Zoomのアプリを大会前に使う機会が発生する
 (「Zoomに入室する」「声を聞けるようにする」など、最低限の挙動はここで体験できる)
・音声トラブル等のイベント当日だとバタバタしていて対応しきれないようなことも丁寧にフォローできる
・イベントのルールや準備事項等の説明を改めて聴いていただける機会となるため、当日の進行がスムーズになる

などなど、当日の大会で右往左往することなく、想像以上にスムーズに進行することができました。

事前に体験をしておくことの大切さは、参加者だけではありません。大会のシミュレーションとして社内大会を実施したときのこと。大会システムの運用テストとしての目的もあったのですが、

「こういう無音の待ち時間って不安になるな…」
「このタイミング指示がないと何していいかわからないな…」
「このタイミングは話しかけないで欲しいな…」

など、当日の参加者の気持ちをシミュレートすることができ、運営スタッフにとっても事前の体験は重要であると気付かされました。


そして2つ目の大切なことは、「運営スタッフもオセロニアンであること」。

今回、運営スタッフとして参加者とコミュニケーションをとっていたのは、全員が日頃からオセロニアを作っているメンバーです。開発・ゲーム内イベント企画・分析・宣伝・広報などなど……多岐にわたるセクションのメンバーが、運営スタッフに名乗り出てくれました。普段オセロニアを運営しているからこそ、キャラクターの名前や対戦の進め方などを熟知しているメンバーが対応しています。

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Zoomで顔を出した状態(ご時世的にマスクをしてたりはしますが)で参加者のみなさんとコミュニケーションを取らせていただくことで、オンラインのイベントでも、みなさんに安心して楽しんでいただけるようにできたのではないか?と考えています。

ここだけはツールなどに頼らず、最大限優先したいと考えていた部分でした。

5. 最も大切なことは

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オフラインのイベントを中心に実施してきた私たちですが、オンライン大会の難易度は当初に予想していたもの以上でした。普段のイベントであれば簡単にコントロールできる部分でも、オンラインになった途端、普段の感覚とは異なる部分がたくさん出てきます。

とにかく大切なことは、

・最後の最後まで、当日をイメージしてオペレーションを突き詰める
・何かトラブルが会った時に対応可能な体制を整えておく
・出来るものだ、と過信しない

オンラインだからこそ、今までイベントに参加したことがない方にも参加いただけたり、新しい出会いが生まれたりします。まだまだみんなで集まって楽しめる日は先になりますが、オンラインで新たなエンタメを届けていけるよう、引き続き模索していきます。

そんなこんなで、参加者の皆さんにご迷惑をおかけする場面も多々ありましたが、なんとかオンラインでの大会が開催できました。

述べ1,400名の方にご参加いただき、みなさんに記載しただいたアンケートでも満足度が97%(5段階で4以上と答えた方の率)という評価もいただけました!コロナ禍でなければ、実施も実現もされなかったであろう「完全オンラインの大規模イベント」の満足度の高さは、自慢してもいいのかな!なんて思ってしまったり……。

この満足度は何より、大会を盛り上げてくださった全選手の皆さんのおかげです。ご協力いただき、本当にありがとうございました!

アシスタントプロデューサー まなてぃ
〈次回の配信予定日:2020年12月15日(火)〉

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