つらつらかくこと2

婆ちゃんが死んだ

婆ちゃんが死んだ


これは、嘘の様な本当の話、
今でも命日を覚えられない。

婆ちゃんが亡くなる前日
母から「サオリは死に目に立ち会わせたくない」と言われた。
理由は「連れて行かれるから」というもの。

正直な話、連れていってもらってもよかった。


まぁ、当然連れて行かれる訳もなく
私は心の拠り所を無くしただけに過ぎなかった。


その後、友人のご主人の紹介で知り合った人と恐ろしいスピード婚をした。
結納の日に妊娠していたことがわかったので、厳密には「出来てました婚」。

やっと私にも味方が出来たきがした。
何者にもなれていなかった私が
人の妻になり、母になるという確固たるポジションを得た気になった。

しかしその結婚生活も恐ろしい速さで終わりを迎えた。

ただし、私の腕の中には娘がいた。
こんなに小さいのに、大きな力になった。


離婚を決めた日
私の人生で初めての覚悟ができた日でもあった。


さぁ、どうする?
生後9ヶ月の娘を連れてシングルマザー生活のスタート。


保育園を決め
仕事も増やし(当時は別の自営業をしていた)
絶対に娘は私が守るという力みを抱えたまま、両親や姉弟の協力もありスムーズにいっていたかと思っていた。

でも、やはり無理していたのだろう。
ある日パタっと倒れてしまった。


まるで電池がきれたみたいに。


入院。
初めて娘と別々の日々を送ることになった。


つづく

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