オオタテンサク先生

東京都大田区在住。元高校教員(理科)。5才、4才、2才の三姉妹の母。夫婦でご近所のお子…

オオタテンサク先生

東京都大田区在住。元高校教員(理科)。5才、4才、2才の三姉妹の母。夫婦でご近所のお子様の家庭学習支援ボランティアをしています。教育、子育てについての記事を時々書いています。

最近の記事

子育て世代の住まい選び 〜ストレスフリーの家事育児を目指して〜

 子育て中の住み替えは大きなイベントとなります。結婚当初と比べるとはるかに荷物が増えているし、そう何度も引っ越しができるわけではありません。子供の通園・通学についても考慮しなければなりません。  賃貸か持ち家か、マンションか戸建てか。間取りは?立地は?通勤時間は?考える要素が多くありすぎて、すべてを理想通りに叶えることは不可能なので、各家庭事情に合わせて優先順位を付けていくことになります。  子育て中の住まい選びでは、家に長くいる人たち、つまり子供とその主たる保育者が安全

    • 学校行事にまつわる子供たちの事情と大人の役割とは

      1.新型コロナウイルスによる学校行事への影響 2020年の初春より感染拡大している新型コロナウイルスの影響により、同年3月~5月末頃まで約3か月間、全国の多くの学校で休校措置となりました。6月からは段階的に学校が再開しており、学校現場では感染予防に努めながら、休校期間中の学習の遅れを取り戻そうと教育活動が進められています。このような状況下では、学習の遅れの問題、感染対策上の問題から、学校行事が縮小または中止となっている学校が多いようです。 2.学校行事の位置付け 学校行事と

      • 親子の絵本時間

        我が家に長女が誕生してから今までの約4年半の間に、絵本をいただいたり購入したりしているうちに、家の中の絵本はおよそ100冊にものぼる冊数になりました。毎晩、その日の親子のコンディションにより、1~3冊の絵本を読んで寝るというのがお決まりのパターンとなっています。 絵本の読み聞かせを続けていると、子供の言葉や物事への関心、想像力が高まっていくのを実感します。教育研究分野においても、絵本がもたらす教育的効果について実証されているのかもしれません。 私自身はあまり教育目的を意識し

        • 家でできるカンタン理科実験のすすめ ~親子で重ねる「共通体験」~

          多様なモノや情報があふれる現代において、大人が子供に対して教育機会や教材、遊び、玩具を「与え」、「褒める(評価する)」ことは、家庭や学校などの場においてごく日常的に見られる光景です。しかしこれらは「大人→子供」という方向性が明確な行為であるため、子供にとっては時に押しつけがましいものになり得ます。もっとも、大人は子供に対してある程度のしつけや指導を行い、行動規範やマナーを示さなければならないという前提が存在することも事実です。 1.親子がフラットに繋がる「共通体験」の時間を

        子育て世代の住まい選び 〜ストレスフリーの家事育児を目指して〜

          withコロナ時代の地域社会の教育力とは

          0.はじめに新型コロナウイルスの収束が困難な状況において、子供たちの学びをどのように保障していくのかが喫緊の課題となっています。 5月末から、全国の学校で段階的に登校を再開していますが、7月に入ってからは再び感染者数が増加しており、特に教員・児童生徒の感染報告も相次いでいます。 オンライン授業の一斉導入が進まない中、不安な気持ちを抱えたまま登校を続けているご家庭も多いと思います。 そこで本稿では、学校教育を支える「地域社会」が、withコロナ時代にどのような役割を担って

          withコロナ時代の地域社会の教育力とは

          ラーニングピラミッドに照らした外出自粛中の家庭学習について

          1.ラーニングピラミッドとは「ラーニングピラミッド」とは、学習方法ごとの学習定着率を示したもので、ここ10年ほどで日本の教育業界でも頻繁に取り上げられるようになりました。 ピラミッドの下層にある能動的な学習(アクティブラーニング)ほど学習定着率が高まるという考え方で、これをもとにした教材作りが学校教育現場では非常に「流行って」いるようです。 筆者もかつてアクティブラーニング型授業を取り入れていました。学習内容が記憶に残りやすい、集中力が増す(授業中に眠くなりにくい)などの

          ラーニングピラミッドに照らした外出自粛中の家庭学習について

          コロナ禍における子供たちと家庭学習

          新型コロナウイルスの収束が見えない状況の中、子供たちの学びを微力ながらサポートできたらと、教材提供と添削指導を行うボランティア活動をしています。 きっかけはご近所に住む方とのやり取りからでした。 その時に感じたことが、小中学生くらいの子供は、自分が勉強して作り上げた学習成果物(アウトプット)に対して、他者からの適切な評価や助言(レスポンス)がないと、学習意欲が保てないのではないかということでした。つまり、どんなに情報や学習ツールが豊富に与えられたとしても、自学自習のみに終始

          コロナ禍における子供たちと家庭学習

          子に伝えたい「自然学習」のあり方

          今年も近所の公園で、カルガモの親子の姿を目にする季節になりました。 毎年、ゴールデンウィーク頃になると、「カメラマン」ならぬ「カモラマン」の方々が多く集まり、この微笑ましい光景を写真に収めておられます。 写真のヒナたちは、撮影二日前に孵化したばかりで、小さい体で必死に親鳥を追いかけていました。親鳥に追従するこのような行動は、「刷り込み(インプリンティング)」と呼ばれる学習にもとづいており、孵化後の一定期間内に目にした動くものを親と認識するようになるというものです。 さて

          子に伝えたい「自然学習」のあり方