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ラーニングピラミッドに照らした外出自粛中の家庭学習について

1.ラーニングピラミッドとは

「ラーニングピラミッド」とは、学習方法ごとの学習定着率を示したもので、ここ10年ほどで日本の教育業界でも頻繁に取り上げられるようになりました。 ピラミッドの下層にある能動的な学習(アクティブラーニング)ほど学習定着率が高まるという考え方で、これをもとにした教材作りが学校教育現場では非常に「流行って」いるようです。

筆者もかつてアクティブラーニング型授業を取り入れていました。学習内容が記憶に残りやすい、集中力が増す(授業中に眠くなりにくい)などのプラスの面はたくさんあるのですが、授業進度とのバランスが難しかったり、ただ話し合っただけで肝心の要点がぼやけてしまうことがあったりと、課題も多いと感じました。

2.コロナ禍での家庭学習にあてはめると

今回の新型コロナウイルス感染拡大にともなう外出自粛中の家庭学習について、このラーニングピラミッドと照らし合わせて考えてみました。もちろん、ペースメーカーとしてや他者との関わりの存在という点で、学校があるに越したことはないのですが、意外と家庭でも効果的な学習が行えるのではないかと思いました。

例えば、図中の「読書」、「視聴覚」、「自ら体験する」は家でも充分にできる学習方法です(体験内容は少し限定されますが)。

3.親は子供から勉強を教えてもらう

さらに注目すべきなのは、最も学習定着率の高い「他の人に教える」も、家族内で実施可能であるという点です。
親が子供に勉強を教えるという作業は、手軽なようで実は大小さまざまなストレスへと繋がりがちですが、子供が学習したことを親が「教えてもらう」ほうが、親子の関係性としても学習定着率としても収穫が大きいのではないでしょうか。

(わざわざ「教えてもらう」という体でなくても、日頃から自然に、子供が親に勉強したことを報告してくる場面は多く、理にかなっている行為であると言えます。)

4.再休校措置に備えて

これから学校が段階的に再開していっても、世の中の状況によっては再休校措置という事態も考えられます。

教育者の間で議論されることの多い「ラーニングピラミッド」の考え方を、今後の家庭学習のヒントとして捉えてみることで、新たな勉強のスタイルを発見できるかもしれません。

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