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無形商材を売る難しさ・ニーズを深堀する大切さ。

無形商材とは、文字通り形のない商品・サービスのことである。金融商品や保険、サービス、教育、スマホアプリなどが無形商材の例だ。私がこれまでに関わってきたホームページ制作やSEO対策も無形商材に入る。

Web業界に入って数年が経ったが、無形商材を売ることは有形商材を売ることよりも難しいと思う。

有形商材の場合、すでに商品が実態として存在するので、客はどのような商品なのか簡単に確認できる。なんなら実際に試すこともできる。
そのうえで、買うか買わないか判断できるため、よっぽどのことがない限りは大きなクレームにつながりにくいと思う。

しかし、無形商材は商品・サービスの実態がない。客は「こんな商品・サービスがほしい」というニーズはあっても、どのような商品・サービスを利用できるのかは形を持って実感することができない。

ここに、無形商材を売る難しさが潜んでいると思う。

商品・サービスの実態がないということは、客はどのような商品・サービスが出てくるのか想像し放題ということである。「こんな商品・サービスがほしい」というニーズを自覚しているのなら、なおさら無形商材の提案内容に期待値が高まる。つまり、売る側のハードルが知らないうちに高くなる。

そこで、想像とかけ離れた商品・サービスが提案されたらどうなるか。
客は大きく落胆する。「違う、こんなものがほしいわけではない」と。

その商品・サービスを使うことによるメリットを謳って営業しているのであれば、期待する効果が出なかった場合に「聞いていた話と違う」と客は思うだろう。

そうした理想と現実のギャップを埋めるためには、ニーズの深堀が何よりも欠かせないと思う。客がどのような商品・サービスを求めているのか、抽象的な要望を具現化するのだ。

たとえば、「ホームページを作ってほしい」といっても、ホームページには多種多様なタイプやデザインがある。通常のコーポレートサイトでよいのか、それともECサイトがよいのか、はたまたサービスサイトを作りたいのか。スマホ対応は必要なのか。女性向け、あるいはスタイリッシュなデザインがよいのか…………などなど、深堀すればキリがない。

しかし、客が抱く抽象的な概念を具体化することが、無形商材を売る側の仕事であり責務である。曖昧模糊としたままでは、客が納得・満足するものを生み出すことは絶対に不可能なのだ。

いわゆるクリエイティブな仕事に携わっていると、とかく「自分がよいと思うもの」を作りがちだが、「自分がよいと思うもの=客がほしいもの」であるとは限らない。
むしろ、自分がよくても客にとってはよくないことが大半だ。

デザインや成果を考えるとそうするほうがよかったとしても、客が望んでいないのであれば、自分の希望を強行突破したところで客は満足しない。「自分がほしい形に仕上がらなかった」という不満が残るだけだ。

それなりのお金を支払ってもらっているのであれば、「せっかくお金をかけたのに」という思いも抱かせかねない。また、「せっかくお金を支払ったんだから(自分が)納得できるものにしたい」と客が思うことは当然である。

だからこそ、客が何を求めているのか詳細に聞き出し、自分たちの技術や知識でもって体現する必要がある。

無形商材を売るということは、客のイメージしている商品・サービスを、自分たちの専門的なスキルを持って作り上げることにほかならない。

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