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商店街を守るためにできること

またひとつ、商店街の灯が消える

近所の食堂で食べていたら、近所の商店街のおじちゃんが話をしていました。

「あそこの商店街のアーケード、なくなるんだってねえ」

私は今、自転車旅でいいなあと思っていた町に住んでいる。
その決め手となったのが、どこかレトロな面影のある商店街が近くにあったこと。そのアーケードがなくなり、商店街も返納するとのことだった。

おじさんの話を聞いて悲しくなると同時に、私は疑問に思った。
わりと都会で比較的大きな経済圏であるにもかかわらず、どうしてこのようなことが起こるのか?

商店街の現状と原因を探る<女性の社会進出とマンションの功罪>

そこの商店街は近所に中規模スーパーができ、駅前には大きなモールができて、ほとんど昼間も通る人が少なく、商店の人はどうやって生活をしているのだろうと思うレベルに寂れている。私は商店街にもたまに行くけれども、夜遅くなってしまって買い物が必要な時はやはり夜遅くまでやっているスーパーになってしまう。

原因を考えると、大きく分けて二つある。
ひとつ目が人口動態の変化で、まず働く女性を無理やり増やしたこと。
働いている女性が増えて昼間買い物に行けない人が増えたため、商店街で昼間ぶらつくことができる人は限られている。商店も夫婦や親子で経営しているところは、スーパーのような巨大人員オペレーションはできないので、遅くても夜7時には閉めてしまう。こんなのははっきりいって営業時間の暴力である。

二つ目が、不動産デベロッパーの功罪である。
近年の一番儲けている職種のひとつがこの不動産デベロッパーなのだが、私から言わせるとある意味一番不便な街づくりを推進しているのがこの人たちである。

不動産デベロッパーが近年生み出したものといえば、タワマン 、駅近住や駅一体型マンションなどであり、それがさもハイセンスなもののようにCMやブランディングを行っている。
こうしてタワマン や便利な通勤に便利な場所信仰が篤い若い夫婦などにショッピングモールへの無意識の信仰が根付いてしまい、駅前の立地と駅前の大型店舗こそ便利さと考えてしまう人が増えたのではないだろうか?

とあるスーパーチェーンは新規マンションの開発に帯同する形で新規出店を進めているというが、そこに商店街があった場合は悪夢でしかないだろう。こうした安易な不動産商法が商店街との共存生活を破壊したともいえる。

どうすれば商店街は共存できるのか?<集約型経済の終了>

不動産デベロッパーはとにかく駅前にとにかく高いタワマン や駅近のマンションを用意する。そして、その近くに集客を見込んだ大型店舗の出店を考える資本力のあるスーパーが押し寄せてくる。これで、大概の商店街は息絶えてしまう。

ものを買うだけなら確かにスーパーの方が便利だが、そうして集約された駅前の便利なスーパーはもはやレジの待ち時間だけでTDLのアトラクション並みという不便な状況になっているのを、作る側のデベロッパーはあまり考えたことはないのだろう。タワマンの聖地といわれる武蔵小杉駅の朝は入れないほどの混雑と移動時間が良い例である。
商店街でも八百屋が生き残っていると、野菜を買うだけなら安く買えてしかも並ぶ時もせいぜい2、3人である。

そして、もうひとつが大型店舗は探すのが面倒なことに尽きる。
広い分だけ中で歩く無駄な移動が多く、近所に八百屋があればじゃがいもだけ買えばいい時でも、駐車から余計なコストがかかって広い売り場を歩いて探すタイパまで損してしまう。また、巨大なオペレーションが働く分、働く人の制限も大きい。

商店街の共存は、人口分散型社会として必要な時代に必要な分だけ買うという意味でも、SDGsの観点からとても良いものだといえるだろう。

原因と対策<商店街の共存方法>

おじさんたちがいうには、商店街が復活するには
1 有名なお店がひとつでもあれば活性化する
2 商店を畳んだ後貸し出せば商店街を存続できる

という。
これに加えて、私は
3マンションデベロッパーに開発規制をかけること
が混雑緩和と自由競争を盾にした、個人商店へのいじめをなくす鍵になると思う。

私の仕事先がある町の商店街では大型店舗と商店街がなんとか共存してるが、1のように好調な個人店がたしかに街を活気づけていると感じる。
それでも食材店などスーパーと区別化がはかりにくいお店は難しい面もあるようだが、モールと共同してイベントを開催したり、共存の道をはかっている。
2については、商店街の共存をする意味で、商店の出店が継続されることが鍵となる。
商店を閉じた後に家主が戸建てやアパートを建ててしまうと一気に商業がなくなるので、商店街が死んでしまう要因となる。
商店街がなくなると個性がない本気でつまらない住宅街になり、かつ商業地へ出るために交通利用することになるので、SDGsの観点からも徒歩・自転車圏内に行けるお店があることは乗り物混雑や渋滞緩和につながるので良いと思う。
マンションデベロッパーの功罪については、現在の地方衰退の根本原因に近い。さまざまな悪影響があるため、今後は厳しい規制が必要となるだろう。

これからの商店街に必要なこと <規制と展望>

駅前一等地へとにかく権力を集中させるように開発するやり方が人口過密を増やしたと思います。また、商店街を一切守ることのない、大型店舗出店規制緩和をした無法地帯の法律がこのような自体を招いたともいえます。
電車混雑や人口過密になるのもマンションデベロッパーに規制をかけないせいで過密になり、雨の日に遅延して遅れます。
商店街のペースで生きられた社会が死んで、集約しすぎた社会で生活する人が不便になったら、本末転倒です

商店街のかつての店主たちも不動産で儲けるのではなく、不動産賃料をあくまで副収入として店を続けるべきではないでしょうか?(もしくは他人へ貸し出すか、売却しやすくするべき)
塩漬けにして自分の住む家だけ建てるのも町全体を考えた時に一気に住宅地化が進んでしまうので、町をきちんと作っていける人に売却譲渡する方がいいと思います。
商店街と大型商業施設の競争を公平にできることが、資本主義下での健全な経済活動といえると思います。

旅人のおすし(はたーちゃ)


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