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中国国務院がSDGs目標1『貧困をなくそう』がメインテーマの白書を公開

中国の国務院新聞弁公室(≒広報)《全面建成小康社会:中国人权事业发展的光辉篇章》(日本語訳:全面的な小康社会(≒安定した社会)の全面建設:中国人権事業発展の輝かしい一章)というタイトルの白書を公開しました。

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こちらの白書には、SDGsの各目標に関連することが散りばめられているので、紹介していきたいと思います。

まずはSDGs目標1『貧困をなくそう』関連の情報です。

〇中国の基準では2,300元以下の年間所得を「極貧」と規定しているが、2012年11月に開催された十八大(中国共産党第十八回全国代表大会)時点では、同極貧と定義される人々は農村部を中心に9,899万人いたが、2020年末時点ではゼロになった。

〇 中国全土的な農村部の可処分所得も2013年の6,079元から2020年には12,588元まで上昇した。

〇貧困対象地域の1人当たり年間平均食料消費量は474.4キロとなり、これは国際基準の400キロを上回った。また、貧困対象地域にある小中学校13.2万校を対象に、栄養改善計画を行い、3,800万人超の児童に食料品補助をしてきたそうです。
※ここはSDGs目標2の『飢餓をゼロに』にも関連してきそうです。

〇貧困地域の飲料水の安全性にも取り組み、第13次5か年計画中(2016~2020年)に、2,889万人分の飲料水問題を解決してきたそうです。
※ここはSDGs目標6の『安全な水とトイレをみんなに』にも関連してきそうです。

〇特別困難地区に指定されている地域の小中学校8万校を対象に、127万人の教師に資金保障を実施し、19万人の教師を同困難地区に派遣し、義務教育期間の登校率を94.8%にまでしたそうです。また、高等学校への進学率も2000年には42.8%であったそうですが、2020年には91.8%まで上昇させたそうです。
※ここはSDGs目標4の『質の高い教育をみんなに』にも関連してきそうです。

〇貧困地域の医療問題にも取り組み、同地域において最低限、公立病院と2級以上の病院を1つずつ配置したそうです。また、基本医療の保険の加入率も全体で99.9%に達したそうです。

また、対象は全体になりますが、中国の平均寿命は1981年当時67.8歳だったそうですが、2019年には77.3歳にまで上昇したそうです。

そして、改革開放初期(1978年ごろ)には37.6%であった乳幼児死亡率が2020年には5.4%まで下がり、妊産婦死亡率は2002年が43.2人/10万人の割合だったのが、16.9人/10万人まで減少したとのことです。
※ここはSDGs目標3の『すべての人に健康と福祉を』に関連してきそうです。

〇住宅問題として、依然として古い泥を使ったり、藁ぶきの家に住んでいた人々を安全な建物に住み替えさせるため、中央政府は2842.5億元(≒4兆8,092.4億円)を投入し、2762.2万世帯、8000万人以上がその恩恵を受けたとのことです。
※これはこじつけかもしれませんが、SDGs目標11の『住み続けられるまちづくりを』に関連してきそうです。

その他のSDGs目標も混ざってはいましたが、このSDGs目標1の貧困をなくそう、というのは中国政府やそれに準ずる機関が関連レポートを出す際には、必ずと言ってよいほど掲載されるほど力を入れている事項で、同白書でも一章丸々貧困対策でした。

その他、SDGsに関連しそうな項目としては環境面の報告もありました。

〇2020年のCO2排出量は2005年比で48.9%減となった。当面の目標は40~45%の削減目標だったので、目標達成と言える
※SDGs目標13『気候変動に具体的な対策を』に関連。

〇天然ガス、水力発電、風力発電などのクリーンエネルギーの消費比率が2016年の19.1%から2020年には24.3%まで上昇した。
※SDGs目標7『エネルギーをみんなに そしてクリーンに』に関連。

〇 森林面積が世界的には減少傾向にあるが、中国はここ10年で約249.5万ヘクタール増加した。
※SDGs目標15『陸の豊かさを守ろう』に関連。

こうして改めてみてみると、中国もSDGsには様々取り組んでいることが分かりますし、先日紹介した水素エネルギーや太陽光、風力、水力などのクリーンエネルギー(再生可能エネルギー)にも力を入れてもいます。

サステナビリティレポートなどで企業の取り組みを紹介してきましたが、今後も政府側の政策や報告なども随時紹介していきたいと思います。

※中国を中心としたアジアのサイバーセキュリティ事情、業界動向について綴っている姉妹ブログの方もぜひ!

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