団田芳子

大阪生まれ。フリーライター。関西の食マガジン『あまから手帖』を中心に食や旅をテーマに執…

団田芳子

大阪生まれ。フリーライター。関西の食マガジン『あまから手帖』を中心に食や旅をテーマに執筆。関西テレビ『よ~いドン!』の「本日のオススメ3」、ラジオ関西『羽川英樹のハッスル』第4木曜出演中。著書に『私がホレた旨し店 大阪』(西日本出版社)、『新版・大阪名物』(創元社・共著)など。

最近の記事

上野修三さんの新著『おいしい野菜図鑑』 カラフルなイラストにほっこり

へぇ!ほぉ!野菜トリビア満載 おやっさんの一行レシピが使える!  著者・上野修三さんは、法善寺横丁の名店『浪速割烹 喜川』の創業者だ。まあるいおつむり、笑顔を絶やさないニコニコ顔、人を逸らさぬ話術は、カウンター割烹で長年、客を楽しませてきたお方ならでは。  料理人としての腕はもちろん、博覧強記の知識もハンパなし。その上、絵もお上手だなんて! 天は何物も与えるのね―と、思わず、ハンカチを嚙みそうになってしまった。  今回の新著は、野菜がテーマ。「日本野菜の話を通じて、長年

    • 広島・宮浜温泉『庭園の宿 石亭』 宮島を対岸から眺める 黒が似合う艶やかな宿

      お宿御用達・銀つば 名物・穴子をお取り寄せ  夜更けの海に宮島が、横たわる観音様のように艶めかしく見える。穴子に牡蠣に、ご馳走をたんまりいただき、回遊と言う言葉がピッタリハマるほど広々として楽しい大浴場で温泉を堪能し、母屋2階の「連舞」の部屋で、湯上がりのビールを飲みながら―の眺めだ。 宮島対岸にある『庭園の宿 石亭』は、私にはベスト3に入るお気に入りだ。と言うと、我も吾もと同意見の人がぞろぞろと手を挙げてくれるだろう。僅か12室の小宿なのに、周囲に『石亭』ファンの多い

      • 愛知・渥美半島『和味の宿 角上楼』。 レトロでモダン? 魚介の宝庫の大人気宿

        お宿謹製・3種の珍味登場! 三河湾の幸をお家で  渥美半島ってドコやっけ?という方も、日本地図の真ん中あたり、太平洋に向かって両腕を伸ばす蟹の左腕といえば思い出せるだろうか。  巨大ガニがその両腕で抱く三河湾は魚介の宝庫。その海の幸を存分に味わえるのが、こちら。私の大好きなお宿『角上楼』だ。  昭和元年創業。廃業寸前だったのを三代目・上村純士さんが、奮起してテコ入れして大人気宿に!  千坪もの広い敷地に客室は10室のみ。昭和レトロな渋い数寄屋の本館と、とびきりモダンなメ

        • 長屋のリストランテ。 大阪・空堀『イル・チェントリーノ』

          テイクアウトに加え、 宅配イタリアン通販スタート!  『わたホレ』vol2.を書くならエントリー決定の、最近お気に入りのイタリアン。空堀商店街から小径に入った下町に残る、木造2階建ての長屋をカッチョ良くリノベートして2018年誕生。  オーナーシェフの北口智久さんは、イタリア・ピエモンテやヴェネトで体得した本場の郷土料理をベースに、いつも独創的な料理で驚かせてくれる。たとえば、昨夏いただいた真っ黒な四角いワカメみたいなのがペロンと一枚。食べたらイカスミの風味が炸裂するラ

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          大阪・宗右衛門町 『日本料理 希粋』。 ザ・職人の「酒肴 折詰」

          高級料亭に遜色ない折詰めが 驚異の5000円‼︎  築何年になるのか、道頓堀川を見下ろすビルの4階。扉を開けると誰もが一瞬息を吞む。何と凛とした和の風情。畳に掘りごたつ式のカウンターは、「京都みたい!」とお連れした人が皆、喜ぶ。  店主は『高麗橋 吉兆』で9年修業した羽様 久さん。ザ・職人と呼びたい人だ。今が旬のこれも食べて欲しい、良いものが手に入ったからこれも是非と、肉も魚も鳥も野菜もと、おまかせコースに余すところなく盛り込むサービス精神。フレンチや割烹で学んだことども

          大阪・宗右衛門町 『日本料理 希粋』。 ザ・職人の「酒肴 折詰」

          燗酒の殿堂 大阪・堺筋本町『蔵朱』

          米の違いが分かるかな? 飲み比べセット(アテ付)登場  格闘技が大好きだからCRASH。酒が大好きだから『蔵朱』。ちなみに落語好きだからBGMは落語。店主の大西正哉さんは、“日本酒卍固め”の立役者で、日本酒好きなら知らぬものはない。  殊に燗酒に関しては、“お燗マイスター”の称号を冠したいほどの手練れだ。イカツイ見た目と違って、それはそれは繊細な男で、仕入れた酒は、5度ずつ温度を上げては利き、酒の個性が最も生きる温度帯を探す。そして、好き者には、温度違いを楽しませてくれ

          燗酒の殿堂 大阪・堺筋本町『蔵朱』

          番外編「私がホレた素麺」。 奈良・桜井『三輪山勝製麺』の一筋縄

          激旨、新登場。 金麦縄・平そうめん‼︎  急に陽射しが強くなり、昼間など汗ばむほど。となると、恋しくなるのが、茹でてキュッと氷水でしめたお素麺。ウチでは素麺といえばコレ! 山勝さんの“一筋縄”さえあれば、温暖化著しい亜熱帯のような大阪の夏も乗り切れるってもんだ。  かつて、井上理津子さんとの共著で上梓した『関西名物』奈良の項でもご紹介している『三輪山勝製麺』の“一筋縄”。ここの素麺師・山下勝山さんとのお付き合いは、もう30年近くなろうか。お人柄に加えて、素麺の美味しさも

          番外編「私がホレた素麺」。 奈良・桜井『三輪山勝製麺』の一筋縄

          酒呑みのパラダイス 大阪・今里『大阪まんぷく堂』

          家呑みを贅沢に。 酒肴弁当登場!  格子窓に板壁の風情ある一軒家。靴を脱いで板の間に上がると、「さぁ吞むぞ!」とワクワクする。月替わりのおまかせコースは6500円で、酒を呼ぶアテが10品次々に。10品と言っても、酒肴八寸は、セロリの醬油漬けや卵黄の醬油漬けなど、定番入れて8品盛り込まれてくるから、このひと品だけで酒を2合は呑めるほど大ボリューム。しかも、旬のものを盛り込んだ10品全部がメチャクチャ手間暇掛かった逸品ぞろいだ。  禿頭の亭主・芦田テツヲさんは、中国料理の経験

          酒呑みのパラダイス 大阪・今里『大阪まんぷく堂』

          鶏愛が止まらない 大阪・北新地 『活地鶏料理ひないや』

          養鶏場を応援せねば! 比内地鶏の生肉販売  鶏が好き過ぎて、建築業を辞め、鶏料理屋になった児玉敏彦さんが、愛を込めて焼くのは、比内地鶏。2016年に、地元の香里園から移転した北新地の店は、元建築屋の腕の見せ所とばかり、無垢の木や一枚板のカウンター、森林浴が出来そうなほど材木がふんだんに使われた、粋な和モダンの風情だ。 そんな中、普段は、和歌山の炭焼き職人から特注で仕入れる炭で、串一本ごとに、塩の種類や量まで変えて焼く、渾身の焼き鳥や、秋田の郷土料理・きりたんぽ鍋などを、

          鶏愛が止まらない 大阪・北新地 『活地鶏料理ひないや』

          賑々しい下町もつ鍋屋 大阪・緑橋『ど鍋や』

          どアホな旨さの 『ど鍋や』のモツ鍋  泉州生まれの元大工にして、歌手ブッキー・ランキンこと南 大介さん。トンテンカンと自分らで作ったバラック風の店も12周年を過ぎて、趣きが出てきたみたい。とはいえ、芸能人の知り合いが多いブッキーさんだから、店内は有名人のサインだらけで賑々しい。  自慢の味は、あっさり「もつ鍋」。キャベツ、ニラ、モヤシもてんこ盛り。もつは予め炊いてあり、クセなく驚くほどきれいな甘さ。店で取った鶏の清湯(チンタン)スープと醤油ベースのだしがまた、あっさりな

          賑々しい下町もつ鍋屋 大阪・緑橋『ど鍋や』

          駅前の楽しい和食処  大阪・茨木 『季ごころ廣』

           茨木市のハレの日を彩って20数年。元鮮魚店を営んでいたお家で、魚の質や鮮度は折り紙付き。そこへ10数年前、『喜川 淺井』さんで15年修業した本元悟さんが板長に就任。『喜川』系列ならではの自由闊達な料理が加わり、鬼に金棒。やがて、そこの娘さんと結ばれて…。いまや、本元さんと、元気印の女将・アケミさんの快活なサービスの両輪がピタリとハマって、ほんにエエ感じ。さらに、昨春、バリバリカッコイイ和モダンなお店にリニューアル!  地元の名産・三島独活を教えてくださったのもこの女将。

          駅前の楽しい和食処  大阪・茨木 『季ごころ廣』

          熟成肉の魔術師 大阪・枚方『鉄板焼HISUI201』

          熟成牛スジカレーや 熟成タン赤ワイン煮込みなど  「ヒスイカズラの花がきれいだなと思って」店名に。「201? 両親の結婚記念日。ちょっとエエ話でしょ」と、何とも憎めないキャラの店主・遠山悟司さん。  枚方市駅の近くで、熟成肉とこだわり野菜に特化した、レアな鉄板焼屋だ。  熟成肉のナッティな匂いに魅せられて、その可能性を追求中。ただ鉄板で焼くのみならず、固定概念を取っ払って、面白い料理を仕立てる。  たとえば、25日熟成のタン先を低温調理してユッケ風に仕立てたヤツ。旨かっ

          熟成肉の魔術師 大阪・枚方『鉄板焼HISUI201』

          大阪・中崎町『焼肉たまき』 日本一の安旨! ステーキ焼肉

          ビックリ!テイクアウト シャトーブリアン弁当!  A5ランクの最上級黒毛和牛が、近所の肉屋で買うより安く出すイッチャッテルとしか思えない店だ。精肉屋に「儲けあるんか?」と心配されるほどだ。焼肉が好きすぎる店主の岩代康弘さんは、「やるなら日本一に!」との心意気で頑張ってる。天五中崎通商店街、愛称「おいでやす通り」にある、予約困難な人気店だ。  テイクアウトも思い切った内容。 A5佐賀牛.宮崎牛シャトーブリアン弁当(200g)やA5佐賀牛.宮崎牛はみでそうな極上ロース弁当(

          大阪・中崎町『焼肉たまき』 日本一の安旨! ステーキ焼肉

          大阪・島之内『酒菜屋 なないろ』  繁華街の下町居酒屋

          あのポテサラやチヂミを お持ち帰りで  今里のガード横の下町ほっこり居酒屋時代からの馴染みだ。島之内に移転したときは、淋しくもあり、原田兄弟の成長発展が嬉しくもあり、複雑な気持ちだったが。いまや、すっかりミナミで人気店に大出世。だけど驕ることなく、実直なままの原田兄弟のサポーターはどんどん増えている。  そんな『酒菜屋 なないろ』では、前日までの予約で20時閉店で営業&予約制でお持ち帰りをスタート。大好きな“貝柱のポテトサラダ”(私も家でポテサラ作るとき、真似して必ず貝

          大阪・島之内『酒菜屋 なないろ』  繁華街の下町居酒屋

          大阪・緑橋『旨い料理・旨い酒 じょうじ』 底抜けに陽気な上等居酒屋

          元気を配達 地域応援弁当・オードブル  じょうじ自筆のチラシ。店にベタベタと貼られた自筆の品書きを眺めて、さぁ、何から食べよかとワクワクするあの高揚感を思い出させる、迫力満点のじょうじの字が躍っている。 よく見れば、いつも外せない「大阪一のトビキリネタ」が揃う、お造り盛り合わせに、ズワイガニの身とミソがこれでもかとばかりに放り込まれたカニクリームコロッケや…。あれもこれも最高に旨いお馴染みのヤツが、弁当にも盛り込まれている。 じょうじの身上「惜しみなく」がここでもバリバ

          大阪・緑橋『旨い料理・旨い酒 じょうじ』 底抜けに陽気な上等居酒屋

          大阪・和泉『焼肉くろちゃん』  関西初の米沢牛専門って凄すぎ!

          驚天動地のグラチャン盛り お持ち帰りで!  びっくりするほどヘンピな場所で、驚異的な肉を出す驚天動地な焼肉屋だ。  ほぼ東京へ行ってしまう米沢牛の専門店というだけでも凄いのに、「この川沿いの小さい農家さんの」と厳選する。のみならず、超プレミアムなチャンピオン牛、さらに超超プレミアムなグランドチャンピオン牛を競り落としたりしちゃうんだから、ぶっ飛んでいる。  A5の肉なんて、しゃぶしゃぶ用薄切り1枚でもうお腹一杯…って、思ってたのに、グラチャン肉400g超え、ひとりで食っ

          大阪・和泉『焼肉くろちゃん』  関西初の米沢牛専門って凄すぎ!