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上野修三さんの新著『おいしい野菜図鑑』 カラフルなイラストにほっこり

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へぇ!ほぉ!野菜トリビア満載
おやっさんの一行レシピが使える!

 著者・上野修三さんは、法善寺横丁の名店『浪速割烹 喜川』の創業者だ。まあるいおつむり、笑顔を絶やさないニコニコ顔、人を逸らさぬ話術は、カウンター割烹で長年、客を楽しませてきたお方ならでは。
 料理人としての腕はもちろん、博覧強記の知識もハンパなし。その上、絵もお上手だなんて! 天は何物も与えるのね―と、思わず、ハンカチを嚙みそうになってしまった。
 今回の新著は、野菜がテーマ。「日本野菜の話を通じて、長年料理人をやってきて得た知識や思いを、料理好きのみなさんに伝えたい」とのことで、上野さんがコツコツと畑を回って見つけ出し、応援してきたなにわの伝統野菜のみならず、広く日本の野菜の話が50数種繰り広げられる。
 じゃがいもなんてあまりにも身近過ぎて、その名の由来に想いを馳せたこともなかったけど、慶長3年に、オランダ人がインドネシアのジャカルタから長崎へ持ち込んで、ジャガタライモと呼ばれたのが始まり―!? ジャカルタのジャガ?! 男爵芋は川田男爵にちなんでる!? そんな、誰かに喋りたくなるトリビアも満載。
 しかもしかも、ひとつ一つ、上野さんの手になるイラスト付き! これが生き生きとして、とってもキレイ。子供の頃から絵が好きで、野の花の写生に始まり、料理人になってからは、野菜や魚介など食材をスケッチするのを趣味としてこられたのだそう。優しいシャベリ口調の文章も読みやすく、すべての野菜に3つ4つの一行レシピが付いてくるのもお得感アリ!
 田辺大根の項には、皮の金平のレシピ。「胡麻油で炒め、醬油・砂糖で煎り付け、煎り胡麻・一味唐辛子を加える」。この一行だけで、香ばしい甘辛味にピリリと辛みが効いた、コリコリの大根皮の味わいが想像できて…。あ、ビール欲しい!
 いやはや、御年85歳にして、文も絵も、素晴らしい新著をものされたもの。頭が下がります。
 そうそう、此度は、秋と冬のバージョン。来春には春・夏の続編が出るのかな。楽しみだ。

http://www.jimotonohon.com/annai/a1497_yasaizukan_akifuyu.html

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