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漢方入門書を読む前に読む記事⑩

Q:瘀血のときの漢方は何を使うのか
A:何の瘀血かで使う漢方を変えていく

瘀血の場合は○○瘀血(○○血瘀)という弁証になることが多いので、○○に対応し、血を巡らせる薬をチョイスしていく。虚証の薬と組み合わせて使うこともよくある。

寒凝血瘀:冷えて瘀血になっている状態。温経湯
血瘀内熱:熱くなって瘀血になっている状態。桃核承気湯
気滞血瘀:気滞と一緒になっている状態。通導散や血府逐瘀湯
痰濁血瘀:痰湿と一緒になっている状態。桂枝茯苓丸
気虚瘀血:気虚を一緒になっている状態。補陽還五湯
血虚瘀血:血虚と一緒になっている状態。桃紅四物湯

一応の目安としてこの様な薬がある。これ以外にも色々薬はある。
⑨の記事と今回の記事で出来るだけ薬味が少ない処方を選んでいるつもりだが、一部薬味が多い処方を選んでいる。
挙げた処方の中には、日本ではメジャーではない処方も含まれているのをご勘弁を。

日本では瘀血と言えば桂枝茯苓丸(加薏苡仁)と言われている。
桂枝茯苓丸で治らない瘀血もあり、気虚瘀血と血虚瘀血は桂枝茯苓丸ではイマイチ効果が薄い(処方構成的に治らないわけではない。芍薬は補血の効果はあるし、茯苓は補気の効果がある)。

何で瘀血になっているのか、何と一緒の瘀血なのかで薬を選んだほうが効果は出易い。

因みに瘀血の疾患はかなり多岐にわたり、肩こり腰痛から、アトピー性皮膚炎やリウマチ等の免疫疾患。ガンも瘀血と捉えている流派もある。
あと有名なのは瘀血は下して(下痢させて)治せというのもあったりする。
実際の臨床で使うには大分勇気がいる治療法でそうそう使うことは無いが、参考になると思うので一応記載はしておく。

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