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漢方入門書を読む前に読む記事⑥

Q:虚実表裏寒熱とは?
A:弁証論治(証)をたてる過程で一番最初に見極める体質
虚:弱っている。少ない。
実:強くなりすぎてる。多すぎる。
表:病邪や症状、原因が浅く、表面にある
裏:病邪や症状、原因が深く、体の裏側まで行っている
寒:寒さや冷えで悪化する。実際に冷えている
熱:熱さで悪化する。実際に熱くなっている

では実際に弁証論治(証)(以下弁証)を立てるにはどうすれば良いか。
順番としては
虚実表裏寒熱⇒気血津液⇒五臓六腑
の順番に弁証していく。
虚実表裏寒熱の場合は虚か実か、表か裏か、寒か熱か、で表現する。
例えば、その病状が虚で裏で寒であったら、裏虚寒証になる(お腹冷えて下痢しやすい体質改善したいとかが主訴の場合)。
臨床だと
虚:病状部位を触ると楽、揉んだ方が楽。足りないのも虚証。
実:病状部位が触ると痛い、もしくは触れない。詰まっているのも実証。
表:患っている期間が短い(1週間以内とかだろうか)
裏:病気や症状の期間が長い事が多い
寒熱:これは実際に症状や部位が冷えて悪化するか、熱して悪化するかの違い。
という感じだろうか。

余談だが所謂風邪は表証になる(事が多い)。
漢方で一番有名な葛根湯は表寒実証(寒さにやられて、風邪をひき、寒さが表面で詰まって汗が出ない状態の時)の薬で、体を温めて(麻黄、桂枝で)表面の寒さ(寒邪)を追い払い、汗を出させる作用がある。
汗を出させることで解熱させていく漢方なので、冷たくして飲んだり、汗が出ない状態では葛根湯が効かないのである。

葛根湯の正しい使い方として
1:葛根湯を飲んだ後、体を温める為に熱いおかゆやうどんを食べる。
2:または布団にくるまって汗を出させる
3:水分補給を塩分補給をしながらとにかく汗を出させる
4:ゆっくり休む
である。
昔から葛根湯は一発療法(風邪を引いたら葛根湯で汗を出させて「一発」で治せという意味、治らなくても予後は良くなるらしい)と言われてる。

個人的には風邪には参蘇飲がおススメである。弱った体にも使える風邪薬で、葛根湯や小柴胡湯に合わせて使う事が多く、便利である。

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