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漢方入門書を読む前に読む記事⑧

Q:臓腑弁証とは
A:五臓六腑の気血津液の過不足を絞っていく弁証

虚実表裏寒熱、気血津液まで絞れたら臓腑弁証に移る。
五臓でどこの気が不足しているか、血が不足しているか、もしくは過剰なのかを絞っていく(肝の血が足りないとか、脾の気が足りない。肝の気が多いけど腎の気が足りないとか)。
五臓六腑それぞれに気血津液が存在するが、気に影響を受けやすい臓腑、血に影響を受けやすい臓腑がある。今回は五臓(ちょっと六腑も含めて)で話をしていく。

瘀血は次回以降に話をするので割愛。
(臓腑の瘀血という話になると、肝臓に血栓が出来ているとか、子宮に筋腫が出来ているとかになる)

肝:肝血虚、肝気滞(肝気うっ滞)、肝気虚等がある。
肝血虚で気と血の巡りが悪くなる。
気滞でイライラ、落ち込み、寝付き悪い、胸の張り、PMS等。
血虚で爪がもろい、めまい、立ちくらみ、こむらがえり、眼の疲れ等。
気虚で覇気がないや朝起きた時だるい等がある。

心:心気虚、心血虚、心火上炎、痰火擾心等がある。
気虚で動悸、息切れ、汗が多い、顔色が淡白、元気がない等。
血虚で多夢、睡眠が浅い、めまい、健忘、顔色につやがない等。
心火上炎(心の気滞とかで熱になった状態)で顔面紅潮、口内炎、不眠、焦燥感等。
痰火擾心(心の痰湿で熱になった状態)で喘鳴、いらいら、粘々黄色の痰、顔が赤い等。

脾:脾気虚、脾陰虚がある。
脾気虚で元気がない、疲れやすい、食欲不振、下痢、立ちくらみ、反復する出血等。
脾陰虚で便秘、口が渇く、食べるとお腹が張る等

肺:肺気虚と肺陰虚、痰濁阻肺等がある。
肺気虚は無力な咳、動くと悪くなる、元気がない、声に力がない等。
肺陰虚は乾いた咳、ねばねばな痰、声枯れ、喉の渇き、声枯れ等。
痰濁阻肺(痰湿が肺で起こった状態)は粘々白色の痰、胸苦しい、喘鳴等
いわゆる風邪は肺との関係が深い。

腎:腎陽虚、腎陰虚等がある。
腎陽虚は四肢の冷え、内臓が冷たい、むくみ等。
腎陰虚は寝汗が多い、ほてり、のぼせ等。
腎陽虚、腎陰虚共に腰や膝がだるい、耳鳴り、元気がない、老化現象等が出る。

正直臨床で見る時は虚証が多い。
実証でも虚証が原因で発生している事も多い。
虚証が原因で発症している実証だとどうしても治療期間が長くなる傾向にある。
やはり普段の養生が大事になって来るのである。

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