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漢方入門書を読む前に読む記事⑤

Q:四診とは
A:望、聞、問、切診の事で弁証論治や証を出す漢方の診断方法の事

西洋医学で診断を出す際は検査データーや問診票や実際に問診をして医師が診断結果を出す。
では漢方の診断結果である弁証論治(証)をどう出すかというと、四診で弁証論治(証)を出していくのである。
望診:視覚情報。体つきや歩き方、顔色、舌の様子とかも望診に含まれる。漢方は大体の場合において舌診をする。
聞診:聴覚、臭覚情報等。声の様子や匂い等。
問診:診断する側の質問。
切診:触覚情報。脈診とか腹診はここ。
これを組み合わせて弁証論治や証を導き出す。
この組み合わせるというのが大事で、望診だけ、切診だけ等で弁証を出すのは難しい。
脈診をした時に遅い脈(体の冷えが強いと良く出る)にも関わらず、舌を見たらかなり赤い(体の熱が強いと良く出る)とかもありえる。
そういった場合問診や別の望診(顔色などなど)で何で脈と舌が一致しないのか等を探っていく。
弁証論治でも証でも(何なら西洋医学的診断でも)そうなのだが、基本的に消去法で考える。
漢方は治療する症状に関して、気血津液、五臓のどこからでも説明出来てしまうのである。

例として冷えを考える。
肝:肝の疏泄(巡らせる機能)が悪くなり、血に乗って気が足の方まで行かないので冷える(気滞で冷えるパターン)。
心:心の気が不足し、ポンプ機能の低下により血の巡りが悪くなり冷える(瘀血も絡んでるパターン)。
脾:気血を作る力が低下して、体の気血が少なくなり冷える(気血両虚してるパターン)。
肺:肺の気が不足して水分代謝が上手くいかなくなり、体に溜まった余分な水が冷やされて冷える(痰湿も絡んでるパターン)
腎:腎の力が落ちることで新陳代謝が低下して冷える(腎虚とくに腎陽虚のパターン)

と五臓でも気血津液でも説明が出来てしまうので、何が本当の原因なのかを絞っていくという意味で消去法が大事なのだ。

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