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羽生さんとの対談でわかった、強さのわけ

先日、棋士の羽生善治さんと対談してきました。

羽生さんから伺った、将棋という世界で勝ち続けるポイントが本当に自分に刺さったので、改めてご共有したいなと思います。

同じルール、全く違ったゲーム

そもそも将棋は、同じルールでずっと取り組まれているために、ずっと同じような戦いの中でジリジリと最適解のようなものが探索されているのかと思っていました。

しかしそうではなく、同じルールの中で、ずっと常に変わり続けているものなのだそうです。

今の将棋会の戦いの中で、少しずつ違う戦い方が発見されて、将棋会で共有されていくのだとか。

羽生さんのメンタリティ

普通、棋士の方は新たな戦法が出来上がったら、出し惜しみをされるそうです。ここぞという時の大会や対戦に当てるとのこと。

しかしそこが羽生さんが違うところでした。

思いついたらすぐ試す。

羽生:たくさんの人が情熱をもってやっていたら、誰かが何かを生み出しますよね。棋士としての経験則では、自分がいいアイデアを思いついたときは、他の誰かもすでに思いついていることが多い。そのときアイデアを共有できるかどうかで、進歩の速度は変わります。共有できると、もう一歩先へ行ける。

大澤:AI系の論文は、投稿して査読していると遅くなるので、査読中の論文を公開するプラットホームがあります。こうした流れはここ数年のものですが、おっしゃる通り、どんどん共有して回転させて、というサイクルにしないといけない。

羽生:そういう世界には優秀な人が参入してきます。新しい人が入ってきて活躍できるようなエコシステムが完成しているかどうかも重要な要素です。

大澤:羽生さんの将棋のスタイルは、それに近いのかなって思ったことがあります。新たなアイデアを取っておく棋士もいますが、羽生さんは出し惜しみせず、直近の試せる機会に使いますよね。

羽生:別々に持っているのと、共有して進むのとでは、進歩のスピードが桁違いなんですよ。倍どころか、もっと違う。経験則として知っているので、そちらの方向でやっていこうというのはあります。

自分が勝ったり、タイトルを取るためであれば、せっかく考えた戦法はここぞという時に使いたいはず。

自分の勝利よりも将棋会の発展を優先するそのメンタリティに、羽生さんの強さが秘められていると感じました。

自分もそうやって、社会に貢献しながら強くありたいです。


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