帯広の0円宿に泊まる【本当に無料だった】
列車に差し込む朝日で目が覚める。AM7:00、ピチピチと鳥の声が聞こえて気持ちのいい朝だ。
▼前回までのあらすじ
さあ行くんだ、その顔を上げて
顔を洗って、旧富内駅の周りや廃線沿いを散歩する。少し歩くと、空に向かって伸びる線路を見つけた。これはなんだろう。
この線路には諸説あるようだが、どうやら富内線が廃線になった際に作ったオブジェだそうで、当時の村長が「銀河鉄道が宇宙とつながる線路」として発案したらしい。なんちゅーロマン。センスありすぎ。
今日は日勝峠を走って帯広方面に向かうことにした。9月の北海道の峠はちゃんと寒くて、ロンTの上にウルトラライトダウン、その上にワークマンのレインコートを着てちょうど良い気温だ。
朝から何も食べていなかったので、日勝峠の途中にあるレストランに立ち寄った。
ここで食べた牛とろフレーク丼がまぁ~おいしい。牛肉の旨みと香りがギュッと詰まってる。これはまた食べたい。
この惑星は生物同士の戦争だ。
お腹を満たして、また峠を下ってゆく。カブを運転していると、いろんなことを考える。バイクに限らず運転している時間って自分の思考と向き合う時間だと思う。
私はヒグマの存在に怯えていた。急に飛び出してきてカブにアタックしてきたらどうしよう、と。ヒグマという存在がなければもっとのびのび運転できるのに……。もうヒグマなんて全部駆除してくれたらいいのになんて思ったけど、ヒグマも生きるのに必死で、だからこそ人を襲うこともある。人も熊も虫も、生き残りたいんだ。この惑星は生物同士の戦争なんだ。ウイルスも含めて、生き残りをかけた戦いなんだ。
そんなことを考えていたら道路脇から鹿がにゅっと顔を出してきて絶叫。それに驚いて鹿も逃げていった。
帯広に着いたので、そのまま十勝牧場まで走る。白樺並木、キレー!と感動したのも束の間、砂利道にハンドルを取られて転びそうになった。
帯広の0円宿「大正カニの家」へ
日も傾いてきたので宿へ向かう。今日の宿は、帯広市大正にある『大正カニの家』だ。この宿、なんとなんと宿泊無料。無料ってどういうことやねん。どうやら徒歩&二輪の旅人のために帯広市が運営しているらしい。ありがて~。
「カニの家」というのは、昔は旅人のことを"カニ族"と呼んでいたことに由来しているんだとか。大きなリュックを背負って歩く姿がカニのようだからカニ族らしいんだけど、カニというよりヤドカリじゃん?
無料なのでほぼ外みたいな施設を覚悟していたが、なんとも立派なログハウス。しかも女性専用部屋があって、この日は貸し切り。キッチンやシャワーも自由に使っていいみたい。これが無料でいいんですか……?
ただ、昔トラブルがあったので建物の中は飲酒禁止。窓から外を見ると、ライダーさんたちが外のベンチで酒盛りをしていた。
宿泊者名簿をチラッと見ると、けっこう年齢層が高い。今日は10人弱泊まっているけど、平均年齢は60歳を超えているような……。そしてみんなライダー。何歳まで運転するんだろう。かっこいいぜ。
せっかくだし酒盛りに入れてもらおうと思ったけど、なんだか人と話す気分じゃなかったしお酒も持っていなかったのでおとなしく寝た。そういう日もあるよね。
・・・next・・・
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