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定型詩

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短歌、俳句、川柳、都々逸など
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どんなかたち

どんなかたち

両の手で夏をぎゅうっと捕まえたようなものだよ恋する気持ち

◇◇◇

捕まえた夏は指の隙間からするするとこぼれ落ちていく。すべては幻想だったと。ひと夏の恋なんてそんなもの。

夢を見させてくれてありがとう
夢から覚めさせてくれてありがとう

ぬくもり

ぬくもり

明け方に十月十日を共にした命そのものこわごわと抱く

◇◇◇

今日は娘の誕生日でした😊
初めて娘に触れた時のぬくもりを
今でもはっきり覚えています。

私の世界を押し広げてくれた存在。

早く自立した君と語り合いたい。
それまではただ見守るだけ。
親が子どもにできることなんて、
それくらいなんだよな。

風にのって

風にのって

惜しまれて夏の宴を締めくくる線香花火がぽとりと落ちる

◇◇◇

お盆ということで帰省していました!
BBQにそうめん流し、プールに花火などなど、夏を詰め込んだような日々でした🌻

線香花火が落ちた瞬間に広がる
あの寂しさって何だろうね。
他にないよね。
好きだなあ。

◇◇◇

胸に広がる寂しさの波紋
夜に染み込んでいく
それはそれは美しい
小さな火花

おとしもの

おとしもの

雨粒が光る庭木の葉を見れば撃ち落とされた昨日の星空

◇◇◇

今朝、お庭に星が落っこちてました。
星の正体は雨粒と朝日でした。
ちゃんちゃん。

あなたの強さは
そんなもんじゃないでしょう

ぷかぷか

ぷかぷか

水面に背中をあずけ仰ぐ空 ぷかりと浮かぶ雲になりたし

◇◇◇

プールに浮かびながら空を見上げて、
まるで気分は流れる雲。

去年より日焼けしちゃったけど、まあいっか😚

知恵と工夫でどこまでもいけるよ。

音の記憶

音の記憶

イヤフォンを片耳ずつで聴いていた歌の名前はGReeeeNのキセキ

◇◇◇

部活帰りに友達と、デートの時にあの人と、
イヤホンを片耳ずつ分け合った思い出。
あの距離感、好きやったなあ。

キセキ、軌跡、奇跡の青春。

ただ笑って手を振ろう
さようなら、君

かき氷

かき氷

かき氷を染める色は何色か何にも染まらぬあなたはスイね

◇◇◇

かき氷にかける透明な蜜を「スイ」と呼ぶらしいです。私には「みぞれ」呼びの方が馴染み深いですが☺️

お久しぶりのシロクマ文芸部。
よろしくお願いします🐻‍❄️

何色にも染まらない意志を持った人が好き。
頑固や融通が効かないという意味ではなくて。

甘酸っぱい

甘酸っぱい

背伸びして口をつけたレモネードにファーストキスの味を夢見る

◇◇◇

まだ知らぬ味に興味津々だった幼い頃の思い出をひとつ詠んでみました🍋

レモネードの響きが美味しそうで買って貰ったけど、口に合わずそのまま母親にあげたことがあります。この事をいまだに母親からチクチク言われます。笑

今は好きだよ、レモネード。

購入した本を一冊ずつ手に取りながら
本棚に仕舞っていく作業が好き。
わたしだけの空

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ドンっと

ドンっと

和太鼓の心臓にまで響く声この暑ささえ楽しんでいけ

◇◇◇

今年はこの暑さも楽しむことにしました!
去年までは逃げてばっかりいたけどね!

さてさて夏休みがはじまりました。
初日から娘とクッタクタになるまで歩きまわりました。

笑ったわ。笑かされたわ。高校時代をひとり思い出したわ。これこそ私と娘の理想的な関係だわ。今の私たち。

共通の正解はないのだから、
自分の正解を突き詰めたい。

まあるい瞳

まあるい瞳

知らぬ間に舞い込んでくる幸福のように頭にヤモリがポトリ

◇◇◇

昨日、お風呂場の窓を開けると、
上からヤモリが降ってきました。
(この窓はこの時期、ヤモリの餌場になっています。)

湯船に落ちなかったヤモリと
家の守り神に触れ合えた私。

「幸運だったね、お互いに。」
そう心の中でつぶやきながら、
外へ逃がしてあげました。

手の中でパタパタ体を動かすヤモリ。
つぶらな瞳で可愛かったな🦎

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それは光って

それは光って

突然に羽化を始めた熊蝉を一番星のごとく見上げる

◇◇◇

昨日、お出かけから帰って来ると
網戸にクマゼミの幼虫が留まってました。

夕飯の支度をしながらチラチラ見てると
結構なスピードで羽化が進んでいたので
そこからは家族みんなで見守り隊👪

みんなで網戸を見上げる様子が
星を見上げてるみたいで笑っちゃった。

いいもの見させてもらったな。

7日後、空にひとつ星が増える。
どうしようもなく光

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強かに

強かに

暴風もそよ風みたく受け流すムクゲが笑うタフに生きろと

◇◇◇

横殴りの雨の中、ムクゲが悠然と笑っているように見えたので詠んでみました🐈

雷や暴風雨の時にいつも、家があって良かったなとしみじみ思う。濡れないし寒くもないし安全だから。そして窓ガラス1枚隔てた庭の木々達を見て、畏敬の念を抱かずにはいられないのです。

あの時、私の心に残った想いや景色は、
日々の私を支えている。
きっと今見ている

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ふふふん

ふふふん

ひとつだけ顔が違った君と会う朝の日差しの力強さよ

◇◇◇

ピンク色と紫色だらけの中に
一輪だけ青紫色の朝顔を見つけました。

潔さと力強さと可愛らしさのコンボ。
ふふふ☺️

結局、願い事を叶えるのは自分だ。
神様でも他人でもない。
どんな願い事もね。

飛んでいけ

飛んでいけ

巣立つことの喜びそして解放と静かに残る誰もいない巣

◇◇◇

駅のツバメが巣立ってました!
巣だけがぽつり。
実家にまだ残されている私の部屋みたい。
そんなことを思いながら詠みました😌

いつか娘も巣立っていく。
どんな大人になるんやろう。

彼女がどんな選択をしたとしても、
それが一番良い結果になる。
そう信じるだけ。
というか人生はそうなっていると思う。
私も、みんなも。