見出し画像

小さい子がいる料理好きがcafeをオープンさせて閉めると決めるまで#2

#1からどうぞ

クラウドファンディングでお金は集まったものの、入金は時間差です。
でも、入金を待たず
オープン日といいますか、家賃の支払いがスタートしました。

家賃を払ってるなら、もったいない。
先にオープン日とプレオープンのイベント日を決めたんです。

さぁ、大変!

お店なんてしたことない。
何をどうすればいいかわからない。
入ってきたお客さんになりきって「ここが足りない」を補強しました。
作り手になりきって「ここにこれが欲しい」と足していきました。

オープンまでに、やったことはたくさんあります

  • オーナーと大家さんに挨拶に行く

  • 棚などの個数を数えて足りない分を買いにくい

  • 食器は足りてないので買いに行く

  • オーブンもないので、買いに行く

  • 食洗機もないので買いに行く

  • 作業台もなくて、オンライン注文して組み立てる

  • 掃除用具もトイレのペーパーもそろえる

  • 看板を作る

  • チラシを印刷して配る

  • ネットでも告知していく

  • メニューを決める

  • 決めたら、メニュー表を作る

  • レジは?

  • 何時から何時でするの?

  • 保険の引き継ぎ

  • ガスや水道、電気の手続き、確認

  • 支払い口座を変更

  • 衛生許可証の期日と、その許可証で作れるものの確認

  • プレオープンの段取り

  • 公式LINEをつくったり、Instagramをつくった。


これを幼稚園児がいる状態で、
しかも2〜3週間でやりました。やりきりました。
春休みだったので、家に子供たち2人ともいたので、連れて歩きました。IKEAにも電気屋さんにも商工会議所にも、全てのところに連れていきました。

今振り返っても、よくできたわ! と思います。
でも、当時は必死!!

しかも、クレジットカードを、あんなに使った時期は初めてでした



駅から徒歩3分の物件。
駐車場も2台あり。



いい場所です。
趣味を仕事にする主婦が気軽に手を出す立地じゃないのです。
だからこそ、
水道光熱費や保険代を入れたら月13万円超えの固定費でした。


今だから言えますが、怖かったです。
本当に怖かった。


これ、払い続けられるの?
売上は?
目処はある?
見通しは?

営業時間は10:30〜14:00
営業日は週3

▶︎幼稚園のPTAもしてましたし、お迎えもあったからこそ、これ以上できない!と思ってこの日数でした。


えっ?
わたしは、稼ぐ気あるの?


毎日4時間で、
最低、家賃分だけでも
11000円の利益を上げないといけません。
売上じゃなくて、利益!!

でも、
クレジットカードで買ったものの分は、11000円には含まれずです。

1こ230円のスコーンをどれだけ売らなきゃいけないか💦

とはいえ、
借金は絶対にしないと決めてました。
家のお金にも絶対手をつけない、と。
娘のために始めたことでしたが、独り立ちした事業です。個人、とついてますが事業主です。
夫に泣きつくとか、家のお金を使い込む気は一切なく、ぎりぎりの貯金とクラウドファンディングですると、決めてました。
趣味を仕事にしたのだからこそ、
「これは仕事なの!」というプライドでした。


でも、
現実はおもしろいようになっていて、

4月は、オープンイベントの日以外、誰もきませんでした。
来る日も来る日も。
誰も来ない。


さて、どうしましょう!?


4月の利益は0です。赤ですよ、赤!

5月も終わり際、
家賃すら払えなくなって、
胃が痛むし顔は青くなっていく。
そんなところに、
クラウドファンディングの資金が振り込まれました。これでなんとか乗り切ったのです。
首の皮1枚でつながりました。



とはいえ、
お客さんはほぼ来ない。

うまくいかない。
何かが違う。

そもそも、分けて考えないで、もっと俯瞰してみたらどうだろう??



あっ!
家でやってたレッスンを
こっちでもしたらいいんだ!

ということで、
カフェのクローズの日を使って、
大人レッスンも、し始めました。
子供レッスンもスタートして
インストラクターレッスンも始めました。

カフェの日
レッスンの日
家のレッスンの日に加えて
幼稚園と小学校の行事はわたしが行く。

懇談会も、それぞれ違う日だし、
参観日も、もちろん違う日です。
その都度、仕事を休んだりスケジュールをかえていきます。
子供の体調不良は、わたしが対応し、
習い事の送迎もわたし。
そして、家事が全てあります。

仕事の愚痴を滅多にこぼさない夫ですが、
当時は、日曜日しか休みのない人でした。
「趣味を仕事にして家にもいるんだから……」
という無言の圧力を感じてましたし
後ろめたさもありました。
部屋が汚いと「今日、汚いな」と呟いて、そのままおもちゃをまたぎ、椅子に座り、ご飯が出てくるのを待つような人でした。
あまりにもわたしがバタバタしてると、めんどくさそうにチンします。そんな人なのです。

ここで【協力体制】がないまま、
わたしが文句も言わずに(言う暇もなかった)
すべてできてしまったことが、 
のちのちの夫婦問題になるんですよね。
強くなりたくて強くなったわけじゃないけど、頼んでもしてくれないので、諦めて全部こなしたんです。


1番頼りたかった身近な人の助けはなかったけど、
友達が助けてくれました。
ママ友が子どもを見てくれたり、コーヒーを飲みに来てくれたり。

レッスンの生徒さんたちも助けてくれました。
口コミしてくれたり、投稿してくださったり。

通販のお客さんたちも助けてくれました。

遠くは岡山からレッスンに来てくれました。
交通費をバスにして抑えて、たくさんたくさん購入して帰ってくださったり。

北海道の友人も、わざわざ食べに来てくれました。

名古屋から、レッスンに来てくださった方もいらっしゃいます。

子どもたちも、カフェの掃除を手伝ってくれたり
長期休みは
カフェで宿題をしたり遊んだりしてました。


わたしは、
たくさんの人に支えられて、
このカフェを続けていました。


レシピ本の作成に至ったのも、
このカフェがあったおかげです。
クラウドファンディング達成したという実績のおかげで、作成することができたのです。

いまも、紙媒体もありますが、
今では、アメリカのKindleでも翻訳バージョンが販売されてます。気になる方はクリックしてみてください。



そして、12月末。


オーナーが、大阪に戻るかもしれない。
戻った時は、その場所は、また返してね。


と言う話が出たんです。

居抜き物件というか、
オーナーがいない間だからこそ、
安心して借りれましたし、
大家さんも貸してくれました。

オーナーの荷物も、若干置いてましたし、
「使っていいからねー」
と言われてたので、
借りていたものもありました。


「オーナー、いつ戻るんですか?」
「主人の転勤辞令次第だから、3月にわかるわよ」
「わかったらいつ戻るんですか?」
「3月末ね!」


3月に戻るとわかれば、
4月からオーナーに場所を戻さなきゃいけません。
レッスンは、通常2〜3ヶ月前に予約済み。
3月の場合、6月までのレッスン日程が埋まるのに、4月から場所が使えないリスクが突如として出てきたのです。


しかも、時は、年末。
1月には決めなきゃいけない。


ずっと考えながら、
近所の神社に初詣に行きました。

この神社は、土地神様だったので
毎月必ずお参りに行ってたところです。
だからこそ、初詣も行きました。

その帰り
参道に看板がありました。


参集殿改築のため
新しく神社カフェはじめます。

出店希望がありましたら
お気軽にお問合せください。

えっ!?
まさか、ここ!?

こんなことがあるの??と、
本気で思いました。


カフェを継続するのか閉めるのか?

それを
オーナーの旦那さんの辞令という、
ふわふわした他人の人生に委ねてる状態です。

そんなふわふわしたものに、人生左右されてたまるか! と反発する私もいました。

もう締めなさい、というお告げ? と不安になる私もいました。


そんな状況の初詣で、
レンタルスペースっぽい案内を見つけるって……。

運命としか思えませんでした。
参拝客でごった返す中、
宮司さんに別日で約束を取り、話を聞きに行ったのです。


聞きに行ったら一言目で、

「もう、月曜日しかあいてないのよ。
 それ以外の曜日は、もう出店者が決まってるのよねー」

とのこと。
金額も見て、駐車場も確認して、決めました。

「なら、月曜日にします!」

が、
娘が年長だったので、小学校入学を控えてました。

宮司さんに頼み込んで、
わたしのオープンを5月からにしてもらったんです。
「入学なのねー仕方ないわね。いいわよ!」と、気楽に言ってもらえました。


そして、オーナーに連絡して、
3月末で解約する旨を伝え、手続きをしました。

そして、3月に移転パーティーをして……




誰も予想をしていなかったコロナが来ました。


そう、ロックダウンになったんです。



3000文字となりましたので、また次回に。

サポートいただきありがとうございます。励みになりますし、記事が、何かお役に立てれば光栄です!