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カレの思い出 #11

連載です!



家に帰るも、シャワーを浴びて、着替えて出る毎日。
カレに囲われてた?ように思う。
友達も会うこともなく、
(そもそも全員、他府県に飛んで、学生生活を謳歌してる)

カレと塾と、カレで
わたしの生活は成り立っていた。
それが心地よかった。


そんな中、とうとう来てしまったのだ。
自然消滅?の、遠距離の彼氏と会う日。

だいぶ前に取ったチケット。
その方が安いから。
貧乏学生にはピッタリな案件。

遠距離の彼氏に、きちんと別れを告げに、東京まで行った。
自然消滅って、片側だけが思っていたら、厄介だ。もう2ヶ月ちかく連絡してないのに、付き合ってることになってそうだもの。

「SとLどっちがいい?」
と、前日に謎なメールが来てた。

「えっ、L??」

「わかったー。泊まるところどうするの?」
「先輩が泊めてくれるよ」

種明かしは、こうだ。
Lはね、ディズニーランドだった。
SとLは、シーとランド。
連れてってくれてありがたいんだけど、
わたしはシーにいるダッフィーが好きだから、
1日ならディズニーはシーのみ、100%なんだなぁ。
2日あればランドも行くけど。

相談して欲しかったなぁ。
ここでサプライズいらないなぁ。
サプライズって、
その人のことよく知らないとできないよね。
ごめんだけど、そんなに知らないんだよ。


ーーーー
ディズニーは、
誰と行くかで楽しさ変わる

ーーともぞう、心の俳句ーー


って、気分だった。

帰りは、サークルメンバーとの飲み会。
みんな、懐かしがってくれた。
案の定、まだ付き合ってることになってた。

2ヶ月以上、連絡なしだったのに、だ。

だから、
先輩の家に2人で泊まらせてもらって
別れ話をして帰った。

先輩には気を使わせてしまったなぁ。
ディズニーのあとに、合流した際、
泊まる予定だった先輩に泣きついたもの。

「別れるんです。だから、泊まりのとき、絶対に部屋にいてください!何もしたくないし、されたくない」

って。
我ながら、なんというか、あれだね。
19歳って怖いものなしだ。


別れ話の後、飛行場で、

最後の思い出にキスして欲しいと言われた


けど、
無理だった。
どうしても、吐き気が込み上げて
わたしの30センチ以内に彼氏(?)を入れてあげられなかった。

「思い出のキスくらい、いいじゃない」
と心は思うのに、
がんばっても、
15センチから近くなると自然に顔を背けてしまう。

わたしの気持ちは、身体とリンクしてて、すごい正直なんだ

と悟った。


なんでカレならいいんだろう?
謎だったけど、気にしなかった。

いや、
ちがうね、特別だと認めるのが怖かった。
認めたら、依存して、戻れなくなる気がして、怖かったんだ。

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