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心の目がひらいた新聞記事『大飯差し止め判決の元裁判長「私が原発を止めた理由」とは』

私はパソコンで、デジタル版の毎日新聞を購読している。時間があるときは、読んでいただいている。毎日新聞はちょっと過激かなと思う時もある。原稿の中に、社会的には書きにくいことを、ずばっと書いている人がいる。こんなことを書いて、記者をクビにならないのかと心配になるときがある。でも、本音で書いてあることが好きだ。


今日読んだ記事は、元福井地裁裁判長で大飯原発の差し止め判決を出した樋口英明さんについてのものだった。樋口さんが言うことにも本音があり、久しぶりに読んでいてすっきりした気持ちになれた。


「原発における事故確率が低いことは、原発に高い耐震性があること」だが、阪神大震災を契機に地震観測網が整備されるようになった結果、「現在の原発が全く見当違いの低い耐震性で設計、建造されたことが判明した」と指摘。「桁違いに危険な状況では、原発を止めるしかない。感情の問題ではなく、論理の問題」と言い切っている。現在は新型コロナウイルス感染症や所得・教育格差などさまざまな問題が議論されているが、「原発の過酷事故が一度起きると、こうした社会問題を議論したテーブルはテーブルごとひっくり返る。原発は最も重要な問題」と警鐘を鳴らしている。

なにかを発言する人が本音でものをいい、それをきちんと受け止めて記事にする人(塩田敏夫記者)がいることが素晴らしい。

この元裁判長は、もともと原発は安全であるという考えを持っていた自分を、きちんと受け止め、認めたうえで、自分の考えを改めていった。その変化を隠したり否定したりせずに、きちんと本にしたり、記者に言ったりするということは素敵だ。

私は選挙に行くが、最高裁判所の裁判官を選ぶ紙を渡されるとき、誰を続投させずに落としていいか、その意味がわからないので、白紙で投票箱に入れていた。
しかし、裁判官を選ぶということは、ときには政治家を選ぶことよりも、大事なことかもしれないと、この記事を読んで心の底に言い聞かせた。

裁判官の名前をこれからどのように覚えてよいかは私の課題だ。

樋口英明さんの本「私が原発を止めた理由」




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