「世界観」をつくることは、「物語」をつくり、「意味」をつくる
1ヶ月ほど前に、山口さん、水野さんの対談本『世界観をつくる 「感性×知性」の仕事術』の解説動画を作成した。
以来、大層な世界観はなかったが、本書で書かれていることを実行するべく、自分が生み出すものに関しては、「意味がある」モノを作り出そうと意気込んできた。例えば、Youtubeの本要約動画やこのnoteでの執筆がそうだ。
しかし、僕の中で何かがしっくりきていなかった。
『「意味がある」をつくるとは、どういうことだろう?』という問いの答えを出せないまま、コンテンツを作り続けてきたのだ。
その答えが自分なりに出たので、まとめておく。
結論:「世界観」をつくり、自分の世界観をつくるために作り出すもの全てが、「意味がある」ものになる
結論から言うと、
・「世界観」をつくり、自分の世界観をつくるために、作り出すもの全てが「意味がある」ものになる。
本書では、まさにそんなことが書かれていたのだけど、僕の解釈が間違っていたことに気づいた。
と言うのも、僕は本書にある、「意味がある」をつくる・「物語」をつくる・「世界観」をつくるという行為が、それぞれ分断可能だと思っていたのだ。そのため、「意味がある」をつくる行為のみを先行して実行しようとしていた。
これが大きな間違いの始まりだったと思う。
「世界観」がない状態で、「意味がある」はつくれないのだと分かった。
これに気づいたきっかけは、「幸せ」をつかむ戦略のペア読書だった。
以前:「意味がある」をつくるのイメージ
いつもの対話の時間で、本書中にある『「意味」の意味の拡張について』の話から、「意味がある」とはについて考え直すことになった。
僕のその時の答えは、個人レベルでは、「自分の持つ価値観やバックグランドに沿ったものを作り出すこと」だった。
この時点で、最終的な結論とは遠くない。
ただ、しっくり来なかった理由は、「それを、社会に適用する時にそれだけで大きな影響を与えられるのか?」というと、恐らくそうではないと思ったからだ。
じゃあ、「社会に適用する時に意味をつくるという行為はどんなことか?」と考えた時に、その時は、「関連する人々の熱量をあげる行為」という考えにいたった。
課題解決(役に立つ)は、解決後に関連した人々の熱量を下げるけど、意味があるをつくる行為は、より熱量をあげるイメージがあったからだ。
これも、今の結論と比較すると遠からずだが、なんかまだしっくり来ていなかった。
模索:「意味をつくる」は「倫理をつくる」?
このペア読のすぐ後に、毎日の雑談(「GW×コロナを変える。「雑談」する、朝の会を始めてみた」)の会で、「村上春樹は文化を作っている」という話が出た。
僕は村上春樹は全然読まないので意味がよく分からなかったが、「世界観をつくる」では、「意味がある」は「文化」だと言っていたので、この話をしていた友人にどういうことかを書いてもらった。
彼の話では、「意味をつくる」は「倫理をつくる」ことだと言う。
確かに、これは正しいと思った。
しかし、必ずしも、「〜すべき」に当てはまらないこともあると思った。
例えば、本書のアルファロメオの例では、「これ乗ったら、カッコよく女の子も落とせるぜ!」って言う意味を持っていて、倫理的にちょっと違う気もする。(笑)
ただ、この友人のnoteを読んで、「意味をつくる」という行為が、必ずしも一般的に正しいことではないかもしれないと気づけた。
結論:つくり出した世界観を実現することと、意味があるをつくることがセットになっている
これらの考えを元に、最終的に本書を読み直した。
本書では、「世界観をつくる」ことが重要だと書かれている。
ここで言う「世界観」とは、こうだったらいいなと思う理想の世界だったり、単なる妄想だったりすると思っている。
理由は、世界はすでに解決策であふれていて、「課題を発見すること」が希少になり、価値が出てきているからだと言う。技術の進歩のおかげで、課題解決は簡単になり、課題さえ見つかれば解決してしまえる世の中になってきているのだ。
世界観を利用した課題発見のプロセスは、以下のような感じだ。
1. 世界観をつくり出す
2. つくった世界観をリアルの世界と比較する
3. 比較によって、何が課題なのかが見つけられる
つまり、世界観をつくり出す行為が、課題を見つけ出す行為になるため、世界観をつくることが重要だと筆者は言っている。
では、つくり出した世界観をどうやって人に伝えるのか?
そこには、物語が必要になる。
自分のイメージする世界を、他の人の頭の中でもありありと想像してもらう必要があるからだ。
この物語を実現させるために、新たなモノやサービスが作られることになる。それはなんだっていい。この物語を実現させるモノが必然的に「意味がある」モノになるのだ。
どんな意味があるかと言えば、世界観を実現させる意味を持つ。
それは、もしかしたらとても役に立たない無駄なことかもしれない。
しかし、それに関わる(利用したり、買ったりする)人には、根本にある「世界観に参加する」という大きな意味を持つことになる。
つまり、世界観をつくり出し、それを実現しようとする行為の中に、意味があるをつくることがセットになっているということだ。そして、世界観なしには、それは実現されないということである。
だれでもふだんから意味をつくっている
ここまで来て、今僕がすべきは、いたずらに意味がありそうなモノをつくることではなく、「僕が考える理想の世界の実現につながるモノや妄想の世界を伝えるモノをつくっていくこと」だと理解した。
これは、そんなに難しいことではなくて、誰しもふだんからしていることだ。会話をしていて、何か1つのテーマについて話す時に、自分の理想像と照らし合わせて話をすることはよくあると思う。
ふだんの会話で使う言葉からすでに意味をつくっているのだ。
人の理想は、これまでの人生経験から作られ、それぞれの価値観が色こく出るモノだ。どれもユニークで価値がある。それを映し出しているからこそ会話はとてもおもしろいのだと思う。みんな意味がある人生を送っているということだ。
そして、全体の一貫性や独自性がある程、簡単にマネ(コピー)ができず、より価値があがる(おもしろみが増す)のだと思う。
これは、合理的な動きをするAIではなかなか出来ないことだ。
では、僕のつくり出したい世界はどんなものか?
妄想し出すとワクワクする。
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