『私の○費出版物が、リアルに書店平積み、新聞記事紹介されるまで』
こんにちは、北海道で探偵作家土木警備員をやっているオーサキ・コーです。なぜこんなに長い肩書きになっているかというと、ガチで全ての職業にトライしているから。探偵作家としては、?なんですけどね。私の職業遍歴をご紹介したいのですが、出来れば私の著書を参考にしてください。ここでお話すると私の著書のネタバレになるので。
(1)誰だって生きている間に一度は本を出したくなる。
私が高校生位の頃、三十年以上前の新聞紙面での事でした。誰でも本を出してみたいと一生に一度は考えると、ノーベル文学賞受賞者の大江健三郎さんはおっしゃっていました。そして全ての人が叶えうる願望だと考えていらっしゃいました。さすがですよね。懐の深さが。一切物語や文章は上手に書きなさい、ってニュアンスの事をおっしゃっていません。誰でも物語性を秘めているのだから、当然の事、というのが大江さんの考えの根っこだったと記憶しています。
時は流れて、私の近辺で色々あり得ないことが起こり、去年の三月十二日、私は探偵業届出証を手にして、正式な探偵となりました。そうです。人生の転換期。小説を書く、絶好のタイミング到来です。これはネタだ!と思った私は、目次を考え構成を決め、『わたし、探偵になっちゃいました』というタイトルで大学ノートに探偵になるまでの経緯を、実話だとまずいので、半フィクションという設定で書き始めました。ただただ自分の身の上に起きた事、そのものが面白かったので、ちょっとフィクション風になるように事実を羅列しただけでした。羅列するだけですから、あまり難しい作業ではありません。日々起こることは、必ずしもストーリー性を帯びているわけではなく、突然起こります。あ、おもいっきり事故ってる!みたいに。アクシデントの羅列ですから、原稿は十日ほどで書き終えました。文字数は、六万字ほどで終わり。子供も読める設定にしました。この私の手法「事実の羅列」に関しては、唐突で面白い、という意見他、文章としてあまりに拙い、という両極端な意見を頂きました。けど私は、良い読み物を書く、というより、目立って店頭に並べばそれで良し!という考えでした。何故なら、ほとんどの出版物が、刊行された物に対して印税が入るからです。そう、とにかく私は売り物になる書物を書いてみたかったのです。でないと自己満足に終わってしまいますから。
で、恥ずかしい話なのですが、私は講談社に電話をかけました。今時飛び込み営業なんて通用しないと一笑され、新人賞を通すよう諭されました。
新人賞の応募要項を見た私は、子供の頃、宿題を強制させられた時のような気分になりました。先生のお眼鏡に叶った、絵画、書道、夏休みの自由研究でないと良い賞が取れないって、あの特有の雰囲気です。あーあ、小説も一緒なんだな、って思いました。
とにかく本を出したい私は、幻○舎に連絡しました。あっさりオッケーされました。ここから本になるまで、本になった後、まあ色々ありすぎたので次回気が向いたら書こうと思います。今回書こうとしているトピックから脱線してしまいますし。とにもかくにも原稿を出版社に持ち込んで本にした、そこまでは誰でも想像はつきますし、時間やお○、本を出してやろうって意欲さえあればやれるんです。ぶっちゃけた話、ゴーストライターは如何ですか?ナンボかしますが。ってコースまであるようです。
(2)書くという行為にプライドは要らない。下手な文章で構わない。伝わりわりやすいメッセージを心がける。
原稿が推敲、校正を重ねて製本されるまで、八ヶ月はかかりました。原稿だけなら十日ほどしかかからなかったので、それはそれは途方もなく長い時間に感じられました。私はいくら文章が書くのが好きだ、と言っても、あくまで友達へのメールだったり、日記だったり、ほぼ自分の欲求を満たす為の物でしたから。文章も内容自体も粗雑ですから、何度も何度も赤ペンで修正を加えられましたが、私には譲れない要素がありました。
素人っぽくて、下手くそでも、読みやすくて、目立てば良いじゃない?
私は意思の疎通が出来れば、少々の文法間違いなんでどうでも良いじゃん!っていう、教育される事が嫌な、どちらかというと重要ではないと自分が感じたものに対して、いい加減でいたいタイプです。正しい日本語なんて日々変化していく訳ですし、言葉って、学者や政治家やお医者さんとか一部の特権階級の物ではないですからね。私は労働者ですが、国会答弁なんか聞いていると常々思います。無理、無駄のない、リズミカルな言葉は、むしろ労働者の方が得意としているのでは?って思ってしまいます。特に「無線」を使う時なんて、無駄な言葉は死活問題を引き起こしますし。上手な文章、上等な言葉=解りやすい文章、解りやすい言葉ではない、と感じていただけたでしょうか?
出版素人の私は思いました。本を売っ払うには、とにかく解りやすい事が肝心であると。で、書いている物に対して見栄をはる必要が無いいのであれば、当たり前のことですが、文章が下手くそでも全く構わないのです。
ちなみに表紙絵も、ギリギリラノベ未満の、アニメ色に近い、馬鹿馬鹿しさ満載の、解りやすさ重視の物となりました。
(3)あっさりと受け入れられた、書店飛び込み営業
私はずっと労働者でしたし、営業職未経験です。そして出版社が私みたいなぽっと出をサポートしまくって、勝手に私の著作を売っぱらってくれるなんて信じちゃいませんでした。そこまで信じきってたら、ただの中2病です。
しかし出版業界を良く知らない、恐れを知らない私は、出版社に作ってもらった営業用ポスターを手にして、T屋やK屋他、まずは車で行ける書店には、文字通り、飛び込みをかけました。
私は煙たがられる、と思っていたのですが、実情は違いました。書店員さんたちは、キョトンとしつつも、ニコニコしながら営業用ポスターを受け取って下さったのです。
私にはもう一つの武器がありました。私が探偵であることを記した、探偵の名刺です。
飛び込み営業ってのは、誰だって考えつくアイデアですよね。けれど私にははっきりと解りました。
書店に飛び込み営業する作家は、ほぼ皆無!
そうです。実はほとんどの人がやっていないし、その事実を知りません。書店員さんたちは、飛び込みに免疫がないから受け入れてくれたのです。そして出版の事を良く知らない私は年末年始の暇な時間、全国のほぼ全ての主要書店のWebの問い合わせコーナーに以下のような内容のメールを送りまくります。
初めまして。北海道室蘭市で「大崎探偵事務所」を経営しているオーサキ・コーと言います。この度、幻○舎から、『わたし、探偵になっちゃいました』ISBN978-4-344-93039-1を刊行しました。自由と勇気がテーマのコメディ本です。新型コロナウイルス騒動の最中、大変なご時世ですので、多くの人を勇気付けられたらと願い活動中です。書籍、および事業内容はWebで閲覧できます。良かったら、私の著作を置かせて下さい。よろしくお願いいたします。
公の質問サイトですので、当然足跡として上述の文章は残ります。日本の一万店舗以上の書店に足跡をつけてしまったのですから、私の行いは常軌を逸脱しているかも知れませんね。けどSNSと違って一方的なメールですから、私自身は一切困りませんでした。また、「売ってください」ではなく「置かせて下さい」と言うことも、他の人はあんまり言わないかもしれません。
恐れを知らない私は、後々、トウハン、ニッパンなどの取次店(問屋さん)を通して売れ筋を探り、本来書店は本を仕入れるのであると知ります。私は、そこをすっ飛ばしたのです。しかしそこをすっ飛ばしつつも書店さんは、取次店を通して仕入れると言って下さいました。ぼっとでのどこの馬の骨か知らんような奴の書き物なんて、取次さんは気にも止めないのです。けれど書店員さんたちの心には届いたようです。
で、結果的に、北は北海道大型某書店、南は知る限り熊本の大型某書店まで私の著書を置かせて貰えました。ほとんど棚差しでしょうが。私の住む室蘭や、親戚の住む長崎県島原市では面出し平積みで置いてくれました。確認したのはそこまでです。実は平積みかどうかにはこだわりはありませんでした。書店に自分の著作を置くことがステータス!そんな安い見栄っ張りで終わりたくはなかったですし。とにかく売って作家になるのが目的です。しかししかし、○費出版物にしては上出来であると後々知ります。○費出版物はやはり記念品的に書く方が多いようです。出版業界の業界事情を自らの行動によって肌身に感じ、書店店頭販売なんて夢のまた夢であることを知りました。何故なら年間三万冊もの著作が新刊として刊行されるのですから。
今現在、刊行から三ヶ月ほど経ちました。書店にどの程度置かれたかも、どの程度売れたのかも解りません。ですから本当にプロの作家のように売れるか売れないかはまだ解りませんが、
馬鹿馬鹿しい表紙絵、タイトル本は、飛び込みでも置かせてもらえる。
という事を知りました。本当です。証拠画像も有ります。
ちなみに実売部数は、私の営業手法が、あまりに場当たり的で、ゲリラ的なので、出版社も把握しきれていないのだと思います。そろそろ機会があったら、どの程度売れているのか?聞いてみたいと思います。
(4)メディアにも通じた、飛び込み戦略
実売部数は今のところ、おそらく人様に誇れるようなものではないでしょうが、私は思いました。
一冊でも大型書店に置いてあれば、こっちのもの。
やはり人は、大型書店に売っています!って既成事実には弱いんだと思います。上述の、書店さんに営業をかけた時のようなメールに、大型書店さんでも扱っていただけていることを少し書き加え、各メディアの「質問コーナー」や「事件、事故、身の回りのニュース募集」のような投稿コーナーにたくさん送りました。50のメディアに当たれば、一つ、二つが取り上げてくれる感じでしたが、所詮元々は素人の○費本ですから、上出来でしょう。Webの読書紹介サイト三社、全国紙地元版、地方紙社会面などが取り上げて下さいました。
メディア営業をして思いました。
当たっても砕けない。スルーされるだけ。数撃てば当たる。
恐らくどんな駄作でも、です。何故駄作でも取り上げて貰えるかと言うと、
メディアは常に面白可笑しい情報に飢えている。
からです。当たり前ですよね。買って貰う側ですから。例えば私の場合、(売れない)探偵であるとか。で、私はしょうがないと思っていますが、世間で言われているように、メディアはメディアにとって都合の良い解釈をすることが、多々あります。情報を不特定多数の人に伝えると必ず起こり得る、と私は思います。
そう思う私がメディアにとった方策は、
正直に勝る策は無し!
でした。売れない探偵である事を公言したのです。そこを、面白可笑しく書いて、見事に私の著書『わたし、探偵になっちゃいました』を紙面で紹介してくれしたよ。5月5日の室蘭民報さんは。
如何でしたか。私の著書に纏わるここまでの話は。○費出版物でも、飛び込みで行けるんです。駄作だからこそ人の目を引くこともあると私は考えます。
肝心なことは、他人に自分の気持ちを伝えたいという強い思い!それさえあれば今時はスマホだけで顔の見えない相手にメール一つ、クリック一つで営業できますから、プッシュプッシュで営業しても人並みに礼節をわきまえるとアクシデントはまず起こりません。攻めの営業が出来ます。結果、店頭に本は置かれるのです。
で、note向けに書いたここまでの文書は、フィクションかも、って事でお願いします。
飛び込み営業万才!って、単なる脳筋ですしね。
今回は出版ビギナーでしたので、敢えて駄作でもガンガン行こうと考えましたが、次は心にしんみり染み入る文学的な物語を書けたら、と考えています。
(おまけ) 良い文章=売れる文?売れる本の文章形体って?
最後ですが表題から脱線させて下さい。「伝わりやすい文章=上品な文章」と限らない事は既に触れた通りです。
ちょっと伝わりやすい文章の定型に関して考えてみましょう。今回のこの文章、敢えてnoteで良く見かけるhow to や啓発本っぽく書いてみました。文章が拙いと指摘された(今回の私の著作、です)自分でも簡単に書けそうなので、トライしてみましたのです。実際の所、啓発本っぽくあっさりと書けてませんか?
この世で最も簡単に書ける本、それは啓発本!
でしょう。人の紡いだ物語より、人を指南しやすい言葉の方が軽いのは当たり前です。他人に迎合しない哲学書のような重みはありませんし。
だからといって、啓発本を私は軽視している訳ではありません。ある意味上品であることに目もくれず、解りやすさに特化している、読み手にとことん親切でなおかつ書きやすい文体を主とした本だからです。
私が最も書きやすく感じる、好きな形体の文章は、内容が解りやすい散文詩ですけど。もちろん好みや重ねてきた経験によって、得意の文章のスタイルは変化します。
多分推理小説は、私にはまだ無理でしょう。緻密なグラフや表をもとに、真剣にストーリーを考えたら可能かも、と、人に文章の書き方を教わっていないので、時々そういう妄想に陥ります。
紙の書籍の方は駄作デビューでしたが、自分のnoteのマガジンに自分の詩集を書きためています。どちらも今後ともよろしくお願いします。
あ、駄作ですが、売れてるようですし、ガツンと売れるかもしれません。何しろAmazon売れ筋ランキングが新聞掲載のち34700番も瞬間的に上がりましたから。このランキング、一定の時間にガツンと売れると急上昇するらしいので、長い目で見ると当てにはなりませんが。次回の私のコラムは「駄作を売る!」をテーマに書きたいと思います。
物のついで、です。私の著作も一つよろしくお願いいたします。
参照『わたし、探偵になっちゃいました』
https://www.amazon.co.jp/dp/4344930398/ref=cm
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