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16.公務員のブレイク・スルーのポイント

 このnoteは、マガジン”普通が嫌い”公務員ってやりがいがないって言ってるあなたへ のシリーズです。これまでのお話を見たい方はぜひマガジンを1からご覧ください。

 今回は
15.公務員どんな仕事?どんなメリット?
からの続きです。

 普通が嫌い って言っていた学生が、楽だからと思って公務員に偶然になれて、すぐに辞めるつもりだったのに、34年も続いてしまった。

 その背景には、確実に生まれ変わった瞬間があります。

 ブレイク・スルー

 長い間解決できなかった問題や課題に対して、劇的な解決策や大きな進展が得られる瞬間や出来事のこと

 もし、僕が本当に最初思っていた暇な公務員生活ができていたら、今では退屈すぎて、こうして自分のことを発信することもなかったかも知れません。また、散々、僕のいろんなわがままを受け入れてきてくれた周りの理解もブレイク・スルーがあったからこそ。
 今日は、そんな公務員のブレイク・スルーについてアプローチしてみます。


ブレイクスルーで仕事が続いてしまった

 僕は学生の頃、とにかく地味で、そんな自分が嫌いで、自分の存在を知って欲しかった。自己顕示欲が高かったんですよね。
 なんでもいい。有名になりたい。今の地味な自分からは脱却したい。
 その表現方法がダンスでした。

 これで生きていく。そう決めていた。

 でも、就職までにプロになる技術も経験もあまりなく、時間を設けるために暇な公務員を目指した。
 でも試験に1年目落ちて、経営コンサルタントを経て、公務員にまぐれで補欠合格。
 だから、すぐに辞めるつもりで入った。

 暇なら、人はしょーむないイメージを抱きます。
 自分の存在を知ってほしい
 その裏には、自分がなんらかの役割がほしい。人に幸せや影響を与えられるような存在になりたい。そういう心理があります。

 最初抱いていたイメージのように、本当に暇な公務員生活だったら、おそらく本当にすぐ辞めていたと思います。
 学生の時と同じように、今の自分を見つけられなかった。

 自分はなんのために存在しているんだろう・・・

 でも、そんなことを忘れさせてくれるほど、忙しい仕事、難しい人間関係、悩ましい事柄。全てが僕を退屈にはさせてくれなかった。

 僕はダンスで、どんなことがあっても水曜日と金曜日は時間外労働せず帰ってた。また登庁も時間ギリギリ。土日出勤は断る。
 仕事では、わがままし放題で、周りの皆さんは、少なからず迷惑もあったかも。
 それでも、それが許されたのもブレイク・スルーがあったから。

 ブレイク・スルー
 僕にとっては、自分の意思で、自分の責任で動くこととなった出来事
 4つご紹介します。

人に対しての本気になる

 初めてのブレイクスルーは、まちづくり支援課。

 まちづくり協議会に移行するのかしないのか、腹割ってまちづくりのリーダーたちと決めるワークショップ。

 仕事そっちのけ、上司にも報告せず、勤務外の完全スタンドプレイ。

 でも人に対して本気になる。そんなことがあってもいいって思って自分のココロに正直に動いてみました。
 失敗したら、責任取ったらいい。辞めたらいい。
 全てにキレてました。人に、仕組みに、状況に。
 で、結果が出た。

 その後、団体は、僕が異動したあとにまちづくり協議会に移行しています。

開き直る

 2回目のブレイクスルーは、財政課の特に後半

 行政マネジメントの仕組みを変えるときに、最初、なかなか協力を得られなかったとき。
 当時は、「なんでやねん!」と叫んでた覚えがあります。

 縦割り行政、どころか、余計な仕事をしたくないという心理、公務員には確実にあります。
 でもそれを逆手に、「じゃ、僕の方でやっときます。その代わり、どうなっても文句だけは言わないでね」と全てを引き受けるスタンスを全ての場面で選ぶことに、この頃から決めました。

 うちの仕事とちがう。

 この絶対的な対処法を知ったなら、あとは自分の価値観次第。
 自分の物差しで全ては進められるようになります。
 なんだってできる。
 その自信は、この頃に育まれた。
 11年の財政課にいる間に、行政マネジメント、庁内システムも含めて更新。すべての行革が完遂。また財政非常事態宣言も解除し、常識的な財政運営が、異動後から始まります。

人の佇まい方を知る

 なんでもできる自信。
 怒られる とか、 誰かからの評価を恐れない

 そんな自信を持ったfukushin_Ceoが、
仕事の意味と価値に気づいたのは、企画調整課の頃です。

 地方創生とか、総合計画とか、新しい時代の礎を作っていく。この頃は
失敗したら辞めたらいいわという思考はどこかに行ってて、なんでもできるという自信と、自分の価値観を信じて疑う。

 いろんな人の知恵とアイデアをいただき、方針としてまとめていく。
 そんな感じでした。

 4年間ののち、総合計画は改訂、何分地域活性化構想は計画化され、事業が進んでいきます。

人間力が試される

 なんでもできる。価値観を信じて疑う。
 そんな思いを持ちながら、教育総務課

 教育という、政治とは一線を画す必要のある仕事。

 何が、子どもたちにとってベストなのか、そんな価値観でとにかく動きの悪い組織を動かす。

 自分の仕事ではない範疇の施設再編の最初の構想づくりも

 無茶苦茶してました。

 この時に成果としてできたのは、保護者負担費のマニュアル化。法律にも示されていない、誰もがみてみない振りをしてきた仕事がマニュアル化されました。

 異動したのちに、保護者負担費はシステム化され、さらに公費化されました。

求められるのは交渉力と感性

 ブレイクスルーすると、面白いように、やろうと思ってる仕事に関われるポジションに異動していきます。
 すると、もう、好きなように仕事を動かせる。いい意味で自分のフィールドが勝手に作られてきます。不思議ですよね。

 市役所の仕事は、法律や制度に則って進めていれば、進められる。
 でもビジネスの全ては人。それを知らないで過ごして、知らない顔して進める。
 いわゆる公務員の鉄板かもしれません。
 でも、味見もせずにお客さんにご飯を出す人がいるのでしょうか。

 ブレイク・スルーなんて大きなこと言ってますけど、要するに運用でどう工夫できるかってこと
 法律なんて、工夫するためにあります。
 法律の趣旨を守った上で、法律に書いてないことを実践することにロマンがある

 何を選択するか決めるのは、自分の価値観。
 いい価値観はどうして作られるか、それは感性。
 感性がつくとどんないいことがあるのか、それは交渉力。
 こうした武器が人間力を高めてくれる。
 そんなところに、ブレイク・スルーすることで自分に還ってくる根拠があります。

 知識、交渉力、これがあったら、どんな世界でも生きていける。
 公務員のブレイク・スルーは、そんな価値があります。

 だから、あなたも一度キレてみたらわかります。

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