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映画「ゴジラ-1.0」生きろ×戦争×ゴジラ

○浩一がゴジラに突っ込む時に、整備兵の橘から言われた「生きろ」。この作品のテーマである。どんなことがあっても生きる。浩一はゴジラと戦う中で戦争で死んだ兵士や亡くなった妻を思い出すが、橘の言葉で我に返る。ゴジラが出現する絶望的な世の中で、それでも前に進む大切さを教えてくれる。浩一はゴジラの絶望を打ち破った。

○戦後の話だから、今までとはまったく違うゴジラだった。VSシリーズのゴジラVSキングギドラに出てきたゴジラサウルスも状況が違ったらこうなったのだろうか?今回のゴジラは全長も現代の高層ビル並みには高くないから、歴代でも小さな部類なんだけど、出した被害が尋常ではないからインパクトがある。あの当時はラジオくらいしか即応性のある媒体はなかったはずで、逃げ遅れる人が多かった。列車に乗っていた人は逃げ切れそうだったが、恐怖から非現実感からうごけなかったのか。

○アメリカでも大ヒットしているそうだ。ゴジラは動きが遅い、だから動きの早いゴジラが受けると思っていたがそうではなかった。まあ、ハリウッドゴジラも素早くなかったし、ゴジラのイメージは固まってきたとは思う。今回は人類が他の怪獣の力を借りずに戦っているので、そーゆーリアル感も受けているのかもしれない。CGではハリウッドに引けは取らないとは思ったから、海外でヒットしているのは嬉しい。

○戦後の話だけど、太平洋戦争下でのゴジラサウルスのような出会いというか、襲撃が序盤にあったのが驚きだった。ゴジラVSキングギドラで出てきたゴジラサウルスを思い出したが、あれは日本軍を守る形になったが、今回はめちゃくちゃ襲っている。銃火器はあるが、刃が立たない。零戦の20ミリでも倒せたかどうか。インパクトのある序盤だが、ゴジラの恐ろしさを感じさせる。

○ゴジラってなんだろう。戦争や災害の具現化という意見もあったがキャラクターとして定着しているのがすごく印象的。怖いというか、人間には手は出せない自然の具現化にも見える。第一作は怖い存在として登場したが、徐々にヒーローとして変わるのもあるが、平成になると人類の敵となるのも考え方の変化なのかと感じる。本作は戦後に日本を蹂躙する怖い存在であるが、シン・ゴジラに続き如何にしてゴジラを倒すのかがテーマになっていて、ゴジラは時代によって変わるなと。

○ゴジラの放射火炎と過去作との違い。ゴジラの放射火炎がめちゃくちゃ怖かった。一撃で渋谷が壊滅して、人や建物が吹き飛ばされる映像は恐怖の一言。過去作と違うのは、放射火炎の直撃だけではなくて、衝撃波まで丁寧に描写されている。ゴジラのビーム一閃で壊滅というのはゴジラ映画で何度か見たことがあるが、衝撃波により人々が悲鳴をあげながら飛ばされるのは、ゴジラ映画で初めて観たと思う。

○戦後ということで、登場人物が当初は汚れた服を着ているのだが、1年ほど経つと、きれいな服装になっているのが記憶に残る。隣に住む安藤サクラさんが演じる澄子のエプロンがすごく白かった。ただ、ゴジラが来ることは分かっているから、また汚れて、それが平和ではなく混沌、戦争を暗示するのかと不安になってしまった。細かいところだが、服装で時代とか人々の内面を描写するのは記憶に残りやすい。人々が当時どんな生活をしていたのかも分かる。平和を崩す

○ゴジラが人間に容赦がない。噛み砕いたり、踏み潰してたり、ジュラシックパークのティラノサウルスみたいで怖かった。まさに恐怖の具現化として、人類に立ちふさがる。銀座に現れたゴジラは歴代よりはサイズ的に小さいはずなのだが、イメージではかなり大きくみえた。CGのはずなのだけど、皮膚の一片までリアルで、これがゴジラかあと初心者にも分かるように作られている。

○観てきたが、ゴジラ怖すぎ!今までで一番怖い。戦後で対ゴジラ戦力がほぼ皆無だから、絶望感がすごかった。戦後の設定から、どうやって倒すのか気になっていたが、まさかの展開に。ネタバレはまだしないが、かなりびっくりした。ゴジラ映画ではかなり怖いゴジラ。まあ、CMで電車噛ってる場面見たから予想はしていたが。CGらしいが、重量感がありゴジラ好きには満足できる映画。日本版はシン・ゴジラ以来だか、期待以上のものが出てきた。

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