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映画「しん次元!クレヨンしんちゃんTHE MOVIE 超能力大決戦」ファンタジー×格差社会×ひろしの年収

①ネットの意見見ていると、格差社会という重いテーマとか幼稚園立てこもりがあまり評判よくなさそうだ。これまでは映画はタイムスリップとか魔法とかファンタジー感強かったのに、いきなり現実突きつけられて少し不安になった。

②やはりしんちゃんが中学生か高校生3人に殴られているのはキツイ。ラスボスの充がいるとはいえ、しんちゃん5歳なんだけど。まあ、子供目線では最後に勝つから良く見えるのだろうか?

③大人になってこの映画見るとやるせなくなる。今の時代だと、ひろしは勝ち組と言えるキャラになっているからだ。年収600万で万年係長は放送開始当時なら平均ぐらいだったみたいだが、今だと一軒家持ちで家族四人で不自由なく暮らすというのはすごく見える。

■フル3Dとのことで興味があったので観てきた。映画館でクレヨンしんちゃんを観るのは大人になって初めてだ。家族連れよりも一人で観に来ている人が多かった。内容は賛否両論あるが、終盤のいじめっ子がしんちゃんをボコボコにするシーンは精神的にダメージを受けてしまった。ラスボスを昔いじめていた子なのだが、中学生くらいの子がしんちゃんを痛めつけるのはきつかった。せめて同じ年代ならまだしも、年齢差がありすぎる。子供が観たら泣くよなあと思いつつも観てた。しんちゃんの映画だがら勧善懲悪で丸く収まるとは思いつつもモヤモヤしたものは残った。敵の充も両親が離婚してかなり複雑な環境。両親はお互いに好きな人ができたから離婚するのだが、最後の思い出に巻き寿司パーティをする。正直酷すぎる。仕事でふたりとも充を放置しているし、最後に申し訳程度に巻き寿司。可哀想ではある。父母どちらに引き取られたか分からないが、愛されたとは思えない。おそらく両親は充の生活に最低限度しか関わっていないのだろう。しんちゃんとは真逆であり、充よりも自分が大事ということなのだろう。しんちゃんの映画だと、敵にはファンタジー的な要素が多いのだが、充に関してはかなり過酷だ。

とはいえ、幼稚園に立て籠もったり、街な中で他人のスマホを操作して破壊するのは許されない。正直かなりクレヨンしんちゃんでは異質の人物である。クレヨンしんちゃんはファンタジー要素があり、ほのぼのしたりするのが魅力だ。オトナ帝国や青空サムライみたいに感動するものもあるが、基本はファンタジーで、その中にギャグがある。特に初期は顕著であり、わたしはマカオとジョマが出てきた作品が記憶に残っている。本作は初3Dということで、実際の世情が反映された物語を作ったのではないだろうか?リアルなキャラを想定して、世間の情報を肉付けすることにより、実際に存在しそうなキャラを作り出している。とはいえ、充のキャラはリアルすぎる気がして、クレヨンしんちゃんの世界には似つかわしくない。格差社会を印象付けるシーンがあり、あれ?クレヨンしんちゃんの映画で格差や環境を題材にしたキャラや物語と戸惑った。ネットだと賛否両論ではあるが、子供に見せたいかと言われれば戸惑う。大人向けな映画で、オトナ帝国とは違い、格差とかいじめとか離婚とかクレヨンしんちゃんでは中々見られないテーマになっているからで、割と観る前と観た後で戸惑う作品だ。


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